メルセデス・ベンツ Gクラス 「伝統を踏襲しつつ革新を遂げた」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

伊達 軍曹
伊達 軍曹(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
4
燃費
3
価格
3

伝統を踏襲しつつ革新を遂げた

2021.3.17

年式
2018年6月〜モデル
総評
ごくわずかなネガはあるものの、総体としては「乗り心地が良く、直進性も良好で、カッコよくて上質で、世間的なイメージもきわめて良好なSUV」です。高価な車であるにもかかわらず東京ではたくさんの現行型Gクラスが走っていますが、その理由はよくわかります。
満足している点
Gクラスの伝統的なイメージを踏襲したデザインと、これまでどおりの本格的な悪路走破性、そしてこれまでとは違う快適なオンロード性能には、誰もが大いに満足できることでしょう。
不満な点
新型になったことで、大きな欠点や気になる点はほぼ消滅したといえるGクラスですが、モノコック構造の乗用車ベースSUVのように「いついかなる局面でも乗り心地がいい」というわけではありません。リジッドサスは、場合によってはやや暴れます。
デザイン

4

新型のGクラスは、約40年間続いた従来型の特徴を受け継ぐことで、ひと目でGクラスとわかるデザインに仕上がっている一方、フロント/サイドのウィンドウを曲面としたり、LEDライトを採用するなどして、モダンなイメージに生まれ変わっています。インテリアも従来型同様に3つのデフロックスイッチを配するなどして本格的オフローダーであることをアピールする一方、12.3インチのワイド液晶2枚を用いたインパネなど、メルセデスの最新モデルに共通するテイストも採り入れています。
走行性能

4

従来型のGクラスは、ステアリングを切ってから車が向きを変えるまでに若干のタイムラグが感じられる類の動きでしたが、現行型では「切ればスッと向きを変える」という挙動になりました。4L V8ツインターボのG550も、3L直6ディーゼルターボのG350dもパワーとトルクには何ら不足はなく、オフロード性能も相変わらず一級品です。
乗り心地

4

従来型Gクラスは路面の凸凹をいなすのが上手な車ではありませんでしたが、現行型はラダーフレーム構造の車とは思えないほど角の丸い、マイルドな乗り味を提供してくれます。
積載性

4

ラゲッジスペースは必要にして十分な広さを有していますが、荷室内の左右の張り出しの高さが先代より高くなっているせいで、ゴルフバッグを横方向に積むことはできません。ただもちろん、斜めに積めば3〜4セットは積載可能です。
燃費

3

GクラスのWLTCモード燃費は、ガソリン4L V8ツインターボのG550が7.2km/Lで、3L直6ディーゼルターボのG350dでも9.9km/L。強力なガソリンエンジンを積むメルセデスAMG G63は6.6km/L。お世辞にも「燃費がいい車」ではありません。まぁ極悪ではありませんが。
価格

3

車両価格はG350dが1251万円でG550 が1705万円、G63に至っては2218万円もします。端的に言って「お金持ちのための車」です。
伊達 軍曹
伊達 軍曹
自動車ジャーナリスト
外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌の編集長を務めたのち、フリーランスの執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、さまざまなメディアに多数の記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツ。
メルセデス・ベンツ Gクラス 新型・現行モデル

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