現役なのに「バブリ」シャスな車でした。
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「バブル」の香り漂うベリーサを借りていつもの1000キロを走った。
ベリーサは2004年の発売で、車台は
2011.1.5
- 総評
- 現役なのに「バブリ」シャスな車でした。
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「バブル」の香り漂うベリーサを借りていつもの1000キロを走った。
ベリーサは2004年の発売で、車台は先代のデミオと同じ。
ゆえにその基本設計はバブルの頃に作られているはずで、そのせいかどうも今の車と違うようだ。
乗って強く感じたのは違和感。
最近新しい車ばかり試乗させてもらったり、レンタルしているせいか、
なんていうか、ベリーサには「バブル」を感じた。
例えば低いギア比。
100㎞/hの時の回転数が2700rpm。1500㏄なのに回転数が高めである。軽自動車みたいにガンガン回して馬力をかせぐタイプだ。
そこには、「トルクで走って低燃費」なんてエコな感覚が入り込むスキがない。
しかもギアが変速するたびに2~300回転吹き上がる。
どんなにじわっとアクセルを踏んでも吹き上がりたがる。滑らかな変速のためだろうが、そのためには燃費など関係ないというめでたい、まさにバブリーなエンジン制御だった。これが気持ちよく回転するのならまた印象もかわろうが、無理して回してる感があり、エンジン特性を無視しても「とにかく回しちゃえ!」というところがまた「バブリー」なのだ。
さらに燃料噴射も豪快で、「アクセル開度を調節するなんて貧乏くさい。OnかOff、踏んだらドン!だ。」という感じ。最近のガソリンを大切に使おうとする燃料噴射特性ではなく、まさに、バブル時代のイケイケドンドンの「加速がトロいとか言わせねーよ、省エネとかセコイこと言ってんじゃねーよ」という感覚だ。アクセルを踏むと、燃料がドバッと噴射されて、繊細さなくグンッと加速される。昔雑誌で「ビクッと出る無粋な発進加速は日本車の欠点」とか書いてあったが、このことを指しているのか、と変な感心をしてしまった。
そんなベリーサ、燃費は予想どおり悪い。9割高速でしかもそのうち追い越し車線7割という乗り方で往路13㎞強/L。(帰りはほぼ走行車線を走って15㎞/lをようやく超えた。普通のコンパクトなら10㎞代後半は行く乗り方、軽MTなら余裕で20㎞行く・・・以下続きます。)
- 満足している点
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「ベリーサ」
言葉の意味としては、イタリア語と英語の造語で「真の充足」を表すのだそうだ。
ベリーサの姿、走りを思い起こしながら、かの車との3日間を思い返してみた。
「真の充足」はあっただろうか―――
フロントのヘッドライト、大きくラウンドしていて空間効率からすれば贅沢な使い方がなされていた。
確かにここには見た目のカッコよさを超えた「真の充足」があったかも。ミニをモチーフにしたという外観は、見ていて綺麗だと思った。
また、プレミアムコンパクトを標榜していたというこの車、遮音には相当力を入れて、例えばドアの内装を外すとむき出しになる鉄板、軽量化や材料の節約、作業の効率化のためにたくさんの穴があいているが、ベリーサはこれを丁寧に塞いでいったと聞いたことがある。であるから、静粛性には私も相当期待していたのだが、このバブリーなエンジンが全てをぶち壊してしまったようで、残念ながらそこには「ベリーサ」は感じられなかった
そして、それ以外には深い印象は薄く、とくにガツガツしたように感じた走りは私には「ベリーサ」どころではなかった。
ではマツダに「ベリーサ」に該当する車がないかというとそんなことはなく、ここ数年のうちに登場するSKYACTIVを纏った車はスゴそうだ。真の「ベリーサ」はすぐそこまで来ている。そんな予感をさせてくれる現在進行形のマツダ。早く姿を見せてほしい。
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- 不満な点
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- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験