マツダ CX-3 「毎日眺めて乗っても尚魅力的な車」のユーザーレビュー

毎日眺めて乗っても尚魅力的な車

2023.6.13

総評

デザインの美しさとドライビングの心地よさが高いレベルで両立できている良い車だと思う。
高速走行や定速巡航の機会が多い人にはディーゼルモデルがよい。トルク感もあるし燃費も期待できる。ちょい乗りが多い人はエンジンの煤問題もあるので要検討といったところか。

満足している点

やはりデザイン(特に外装)は5年以上前に開発されたと思えないほど色褪せず、古さも感じさせない素晴らしいデザインだと感じる。最早エクステリアデザインに惚れて買ったと言っても過言ではない。
乗り心地もこの手のコンパクトSUVにしては頑張っている方だと思う。以前は某SUVに乗っていたが、その車の突き上げ感が酷く落ち着かない乗り心地だったことに比べれば非常に出来栄えの良い乗り心地である。
またステアリングの革の質感はかなり高く、それだけでも運転していて心地よい。
また色々な人のレビューを見て、スピーカーが貧弱かも…と少し警戒していたが、普通に聴ける音質だった。確かにマツダ・ハーモニック・アコースティックスやBOSEスピーカーを装備した車と比べたら劣るのは事実だろうが、今までも標準装備のスピーカーで満足していた身からすると特に不満はないし、寧ろBASSやTREBLEの調整、車速対応の音量調整など意外な機能が付いていたぶんオトクな気分である。

しばらく乗ってみて気づいたのだが、この車はブレーキを結構深めに踏まないとアイドリングストップしない。浅めに踏んでいても問題なく停車と停車維持は可能。そのため自分の意志でアイドリングストップするかしないか選択できるのは良い。他社の車では完全に車が停止する前や停止直後にアイドリングストップする車もあるが、こういった車は停車寸前にブレーキを抜く操作をするとエンジンが再始動してしまう。また、信号がすぐ変わるタイミングなどアイドリング状態をキープしたほうが都合の良い場面でもお構い無しでエンジンストップするので少し煩わしかったりするのだが、この車はそのあたりのことがよく考えられている車だと思う。

不満な点

内装は最新モデルに比べればやや質素な印象はある。
また荷室や後席は狭い。普段1〜2人で乗るのがメインであれば特段問題はない。
360度モニター、バックモニターの解像度が最近の車としてはかなり粗め。とはいえ実用に足るレベルではあると個人的には思う。
シートヒーターがオプションでも選べなかったのは残念。後付のシートヒーターを買おうか検討中。
Apple Carplayのワイヤレス接続に対応していないのは結構残念なポイントだった(対応していると思って購入してしまったので、別にワイヤレスアダプターを買う羽目に)。

デザイン

5

やはり流麗かつシンプル、しかし質素に見えないエクステリアデザインは格別。
インテリアデザインはややプラスチッキーではあるが、うまくシボ加工で目立たなくしている印象。CX-30などと比べると安物感は否めない。
コンソールサイドの部分(膝周りが当たる部分)が革使用ではなくプラスチックなのは、目に見える・肌に感じる部分の質感ダウンということで少し残念。オプションで良いので変更できればなお良かった。

走行性能

4

ディーゼルのトルク感溢れる加速と巡航時の安定性、そしてカーブや交差点でも何の不安もなく安定して曲がれる点は文句なし。カーブでほぼ修正舵を入れずに自分の思う通りの軌跡で走れる点には感動した。
ただ発進時などAT1速はギクシャクした動きをする印象で、慎重なアクセルワークをしないと意図しない急加速をしてしまう。2速以降は至ってスムーズな印象。
またマツダの4WD性能は折り紙付きなので、冬道を走るのが楽しみ。

2024/04/29追記
冬道を一通り経験してみて、滑りやすい路面での発進時等、明らかに後輪が力強く動いてくれる感覚があり、非常に安心感があった。
欲を言えば後輪へどれくらいトルク配分されているのかメーターに表示されればなお良いかもしれない。

乗り心地

3

SUVということでやや硬めの足回りだと感じるが、16インチタイヤモデルということもあって全ての突き上げが強いという感じはせず、ちょっとした段差程度であれば綺麗にいなす。
ディーラーでの試乗車は18インチモデルだったので明確に硬いという感触があったのだが、それに比べればかなりマイルドで自分好みの乗り心地。
またサスペンションが良く動いているのか、路面の凹凸が多くても飛び跳ねるような挙動はなく、地面に吸い付くように安定した乗り心地だと感じる。
北海道は地面の荒れた箇所がかなり多いため、この車だと若干突き上げは多く感じ、サスペンションで吸収しきれなかったものは割と直に体に伝わってくる感覚はある。

静粛性はその辺のコンパクトカーと比べれば高いほうだとは思うが、荒れた路面でのロードノイズは結構気になる。また低速時・高回転時のエンジン音はそれなりに入ってくる。個人的にはそれが逆に心地よいので好きではあるが。

運転席の掛け心地は素晴らしい。決して大柄なシートではないが、適度にホールドしてくれる感触が非常に快適。

積載性

3

車のサイズ感を考えれば妥当な気もするが、競合他車と比べると明らかにラゲッジスペースは狭い。だが、工夫次第で車中泊程度は可能。後席足元の隙間を上手く埋めてあげれば一人が足を伸ばして寝られる程の空間は確保できる。

燃費

4

市街地走行だと他社ハイブリッドのような燃費の伸びは期待できない。リッター15〜18kmくらいが関の山といったところ。しかし郊外の定速走行となると急に本領を発揮しだす。冷房を入れながらアップダウンの多い道を流して走っても、大体リッター23〜25km程度の燃費は期待できる。しかも軽油なのでガソリンよりも安い。これだけトルクフルなドライブが楽しめて燃料代も安く済むなら言うことはない。

2024/04/29追記
しばらく走ってみての印象だが、効率的な走りができる速度域(即ち燃費が伸びやすい速度域)は、概ね60〜80kmだと言うことがわかった。
それ以上でも以下でも燃費は伸び悩みがち。特に高速100km以上での走行になるとリッター20キロを下回るので、そこまで燃費は伸びない。

価格

4

今回はオプション込みで320万程度だった。
欲しい機能が大体標準装備で、オプションを付けまくる必要がないのが好印象だった。

オーディオやディスプレイも最初から付いているし、ナビは欲しければSDカードを買って取り付けるだけ。
オートリトラクタブルミラーや360度モニターも標準装備。

その分本体価格が高いといえば高いのだが(290万)、諸費用とオプション込みで30万は最近の車としてはかなり安い部類なのではないか。

故障経験