マツダ アテンザセダン のみんなの質問

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マツダのスカイアクティブの圧縮比について

お世話になっております。

マツダの話題のエンジン「スカイアクティブ」ですがガソリンエンジンと
しては驚異的な燃費と伺っております。

燃費を大幅に向上出来た技術の内、圧縮比を通常では考えない
14まで上げた事が大きいと言われている様です。

圧縮比は14まで上げるとノッキングが起こり易くなり、シリンダーの
過熱度が凄まじくなりエンジンの寿命が極端に短くなってしまうと
思います。

圧縮比を14まで上げるにはシリンダーの温度を下げない限り量産の
エンジンとしては使い物にならないと思います。

何らかの方法でシリンダーの温度を下げていると推測出来ますが
どの様な方法でシリンダーの温度を下げているのでしょうか。

以上、宜しくお願いいたします。

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ベストアンサーに選ばれた回答

●圧縮比14.0による燃費改善効果は?
基本的にオットーサイクルなので,下記の式で効率が決まります

効率=1-(1/圧縮比^(比熱比-1))

これによって,効率は次のようになります

圧縮比 10.0に比較して,効率 9.4%改善(比熱比 1.32で)

→ SKYACTIV-Gエンジンは約40%の燃費改善効果の一部が圧縮向上の効果です

●燃費改善効果の分解 … ちょっと無理に効果分析すると
・高圧縮比 = 9%
・全域ストイキ化(EGRクーラ) = 5%(推定)
・ポンプ損失低減(ミラーサイクル) = 9%
・機械損失低減 = 有効出力の30% × 30% = 9%
・アイドルストップ(i-stop) = 8%

→ アイドルストップを除く,それぞれの効果は相互に関係があり,単純に合計できませんが,無理やり合計すると,40%の改善になります。

●エンジン負荷は増えているのか?
ちょっと話題がそれますが,エンジンの出力,トルクは下式で計算できます

(馬力)=2π×(回転数)×(トルク)
(トルク)=(正味平均有効圧力)×(排気量)×(爆発回数)/(2π)

ここで「正味平均有効圧力」とは、燃焼室内の平均的な圧力です。燃焼がより効率的で、この圧力が高いほど、トルクが大きくなります。

いくつかのエンジンでこれを計算してみましょう

★デミオ用 1.3L SKYエンジン = 10.8bar (bar=圧力の単位で,だいたい1kgf/cm2くらい)
★デミオ用 1.3L ノーマルエンジン = 11.6bar
★アテンザ用 2.5L ノーマルエンジン =11.4bar
★アテンザ?用 2.5L SKYエンジン(予想) = 13.1bar
★BMW 前型M5用エンジン (S85B50) = 13.1bar
★BMW 740iエンジン(N54B30:ターボ・チャージャ) = 19.0bar
★BMW 740dエンジン (N57B30:ターボ・チャージャ付きディーゼル) = 25.2bar

→ 正味平均有効圧力は,実際の燃焼圧力から損失を減じたものなので,そのままエンジンの強度にかかわる負荷というわけではありませんが,十分参考になります。このデータから,SKYACTIV-Gエンジンは高圧縮比ですが,必ずしもエンジン強度を必要としていないことがわかります。

●どうして圧縮比が高いのに,強度に影響しないのか?
圧縮比が高いと燃焼圧力が高くなるのが一般的です。しかしSKYACTIV-Gエンジンでは,ミラーサイクルを採用していて,実際の圧縮比は低くなっています。
より正確に申しますと,「カタログ上の圧縮比=膨張比」というべきで,圧縮比は,低い充填効率を考慮すると,10~12というところです。

●どうして充填効率が低いのか?
ミラーサイクルでは,吸気弁を本来の高い充填効率のクランク角からずれたところで,開/閉しています。吸気弁の「早閉じ」と「遅閉じ」がありますが,デミオでは「遅閉じミラーサイクル」です。これは吸気弁を閉じるクランク角を,本来は下死点後59度を下死点後80度に遅らせます。これにより,いったん燃焼室に吸い込んだ空気を,吸気管に戻すことになります。これにより燃焼室内の空気量が減りますので,充填効率が低くなります。
一方,膨張時は,圧縮比分,膨張できますので,燃焼ガスの圧力をトルクへ変換するときの効率が高くなります。

●2種類のSKYACTIV-Gエンジン … 1.3Lと2.0L版の違い
デミオに採用された 1.3L版は,他のデミオのエンジンよりトルクが低く,かなり充填効率が低い状態です。これでは,カタログ燃費が良くても,実燃費は他のアイドルストップ車並みでしょう。
一方,来年発売予定の2.0L版はトルクが15%アップなので,動力性能と燃費改善を両立している可能性が高いです。

●過給機付きエンジンと比較して
上記平均有効圧力からみて,過給機付きエンジンに比べれば,燃焼圧力が低く,またディーゼルとくらべると1/2くらいです。このため圧縮比を14.0にしてもミラーサイクルなら,一般のエンジンと同じ強度で十分です。

●どうやって耐ノック性を向上しているのか?
強度アップは不要ですが,燃焼温度を下げることで耐ノックの改善をおこなっています。この手法には下記の5つがあります。

・EGR温度をさげる … EGRクーラで(デミオ用)
・排気管集合部まで長さを伸ばす … 長い排気管で(次期アテンザ用),他の気筒からの内部EGR量を減らす
・燃焼室周囲の冷却性能改善
・吸気温度低減
・直噴 … SKYエンジンで採用

なおEGRは比熱の高いCO2を含んでいるので,燃焼温度が下がりますが,大量にいれると,EGR自体の熱エネルギで燃焼温度が高くなる場合があります

●初代プリウスでは?
初代プリウス(前期型)に採用された1.5Lエンジンは,ポート噴射にもかかわらず,圧縮比13.5を達成しています。これもミラーサイクルですから,実質的な圧縮比はもっと低いです。ポート噴射を直噴にすると,圧縮比は1.0~1.5アップできます。単純にこのエンジンを直噴にすると,圧縮比を14.5以上にできるでしょう。もちろん単純にはできませんが。

簡単ですが,ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

2011.9.9 11:41

皆様、迅速な回答を頂き有難うございました。参考になりました。
最も詳しい説明をして頂いた方の回答をベストアンサーにしたいと思います。

その他の回答 (3件)

  • マガジンXという雑誌のザ・総括をごらんください。今月号です。

  • 指名の者ではありませんが…。

    マツダのHPに解説がありますよ。

    http://www.mazda.co.jp/philosophy/skyactiv/engine/skyactiv-g.html

  • 混合気を吸入圧縮の過程で発生かるのが ノッキングです
    直噴エンジンは 空気のみ圧縮し シリンダーに直接燃料を噴射するので ノッキングの原因が少ないわけです
    高温の圧縮空気の中に噴射されるので 一気に気化することで 気化熱により 温度も下がります
    14で だれもトライしなかったから わからなかった 直噴の実力を マツダが発見したわけです

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