レクサス RX 「良くも悪くも「優等生」」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

瓜生洋明
瓜生洋明(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

3

デザイン
4
走行性能
3
乗り心地
4
積載性
3
燃費
3
価格
3

良くも悪くも「優等生」

2023.11.30

年式
2022年10月〜モデル
総評
挑戦的なエクステリアデザインやレクサスらしい上質な乗り心地は、高級SUVの元祖として長らくこのカテゴリーをリードしてきたという矜持を感じる。 燃費性能や機能装備についても高いレベルにある。その一方で、特徴的なモデルが多いこのカテゴリーの中で、際立つ部分を感じにくいのも事実であり、良くも悪くも「優等生」といった印象。落ち着いたものを求めるユーザーにはいいかもしれないが、圧倒的なゴージャス感や飛び抜けた先進性を求めるユーザーには不向きかもしれない。
満足している点
ライバルとは一線を画す大胆なエクステリアデザインはRXの大きな魅力。特徴的なフロントグリルだけでなく、匠の技を感じられるサイドビューにも注目だ。また、プラグインハイブリッド(PHEV)を含むバラエティに富んだパワートレインが用意されている点もうれしいポイント。そして、そのいずれもが上質な乗り心地を実現しており、高級SUVの元祖として一日の長があることを感じさせる。
不満な点
インテリアが比較的地味なところ。控えめなデザインを好むユーザーにはいいかもしれないが、エクステリアが挑戦的なものを採用しているだけに、もう少しインテリアにも「攻め」がほしいところ。また、さまざまな機能や装備によって取り回しのしやすさは担保されているものの、全幅1920mmという大柄なボディは、日本で乗るにはやや人や場所を選ぶかもしれない。
デザイン

4

エクステリアのデザインは、近年の国産車の中でも特筆に値すべきもの。フロントマスクに目がいきがちだが、光の当たる角度によってさまざまな印象を与えるサイドパネルの造形や、ルーフが浮いているように見える「フローティングルーフ」など、注目すべきポイントは少なくない。一方、インテリアのデザインはやや控えめ。落ち着いていると言えば聞こえはいいが、ただサイズを拡大しただけのような大型ディスプレイなど、もう少し工夫がほしい点もある。
走行性能

3

ハイブリッドモデルでは、モーターのアシストによって大柄なボディを感じさせないほどの軽快さを見せる。一方、最上級グレードの「RX500h "F SPORT Performance"」であっても、暴力的な加速やスポーツカーのようなサスペンションの固さを感じることはなく、どこまでも「高級サルーン」といった印象。ただ、それも高級SUVの元祖であるRXの「らしさ」と考えると、決してネガティブなポイントではない。
乗り心地

4

高級SUVの元祖として登場したモデルだけに、前席・後席ともに上々の乗り心地。一般的な道路であれば、起伏や段差はサスペンションが上手にいなしてくれるため、突き上げを感じることはほとんどなさそう。また、高剛性のボディは静粛性も抜群で、レクサスの原点である上質な乗り心地と高い静粛性が両立されている。ただ、後部座席は少々シートに傾斜があり、大柄な人は若干窮屈に感じてしまうかもしれない。
積載性

3

大柄なボディではあるものの、ラゲッジルームの容量自体は可もなく不可もなくといったところ。ただ、床面が低く設計されている点や、複数のLEDライトが備わっている点などは、使い勝手のよさが感じられる。一方、小物入れやドリンクホルダーといった車内の収納に関しては、やや物足りない印象。たとえば、国産ミニバンなどからRXに乗り換えると、収納面では不満を覚えることがあるかも。
燃費

3

燃費性能は、プラグインハイブリッドモデルの「RX450h+」を別格とすれば、「RX350h」>「RX500h」>「RX350」という順。「RX500h」は「RX300h」と排気量自体はほとんど変わらないものの、出力が大きく異なるため燃費性能にも大きな違いが見られるが、その分軽快な走りが魅力。「RX300h」はこのクラスとしてはトップレベルの燃費性能を誇っており、最もおすすめしやすいモデル。プラグインハイブリッド(PHEV)モデルの「RX450h+」は、スムーズな加速と圧倒的な燃費性能がウリだが、実用面を考えると人を選ぶのも事実。また、ガソリンモデルの「RX350」はやや非力であり、燃費性能もよいとは言えないため、価格重視の人以外にはおすすめできない。
価格

3

RXの価格は、何を比較対象とするかによってその印象が大きく変わる。たとえば、欧州プレミアムブランドのSUVと比べると、そのコストパフォーマンスのよさは際立っていると言えるが、国産ブランドの上級SUVと比べると、やや割高感を覚える人は多いかもしれない。ただ、RXはプレミアムブランドのモデルの中ではリセールバリューが非常に高いという特徴があるため、売却を含めたトータルで考えると、また印象が変わる可能性は高い。もしリセールバリューを重視するのであれば、ハイブリッドモデルの「RX500h」か「RX350h」が無難と言えそう。
瓜生洋明
瓜生洋明
自動車ジャーナリスト
1987年生まれ。大手IT企業や外資系出版社を経て2017年に株式会社ピーコックブルーを創業。現在では平均年齢25歳のメンバーとともに毎月300本超の記事を配信している。愛車のボディカラーを社名にするほどのエンスージアストだが、新しいテクノロジーへの関心も強く、最新モデルは常にチェックしている。
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