ＩＳ Ｆには、何故４ＷＤが無いんですか？

Answer 1

●もし4WDなら，どういう4WD方式になるのか？
レクサスLS600hには，トルセンをつかったセンターデフ式が採用されました。これは，強大な出力を2WDでは発揮させることができないからです。4WDといっても，後輪の駆動力配分比が大きい方式で，基本的にはFRであるものの，後輪がすべると自動的に前輪駆動力配分比を増やす方式でした。
このためスポーツ走行すると，前輪駆動力が邪魔して，旋回性能などはあまり芳しくありません。

このため採用するとすれば，FR駆動の変速機出力側にトランスファを設け，このトランスファ部に電子制御の湿式多板クラッチを設け，前輪への駆動力配分比を決める，「直結式＋アクティブ･トルクスプリット方式」になるでしょう。変速機位置は異なりますが，日産GT-Rと同じ方式です。

●4WDのメリットとデメリットは？
★メリット
旋回を除くほとんどすべて走行シーンで操縦安定性を改善できます。これは各車輪に駆動力を分配することで，トラクション限界に余裕ができるからです。

・始動時／加速時 … はじめから4WDにしておくことで，後輪のすべりを防止できます
・旋回時 … 前輪駆動力配分比を抑えます。これによりアンダーステア傾向を補正します
・制動時 … 4WDにすることで車両姿勢を安定させます

★デメリット
・車両重量増加 … 最低でも80kgくらい重くなります
・4WD制御の構築 … レクサスLS600hのセンターデフ式にようにパッシブ式にすれば，制御は不要ですが，アクティブ･トルクスプリット方式なので，当然ながら制御の構築が必要です。とはいえ，トヨタは4WDを基本的にアクティブ･トルクスプリット方式へ切り換え中なので，本質的な難しさはありません
・エンジン改造 … エンジン下部のオイルパンをドライブシャフトが通るので，ちょっと改造が必要です（簡単です）
・コストアップ … 台数が少ないので，100万円くらいアップしそうです

●2WDか4WDか？
日産はGT-Rを早い時点から4WDにしました。その安定した操縦性は，ある県警の高速道路パトロールカーの警官をして，「自分はこのクルマ以外で雨天は走行できない」と言わしめたくらいです。この時の最高出力は280馬力。
一方，ベンツのAMGやBMWのMは，500馬力超でも2WDです。

もちろん4WDの方が，良いのは分かっているのですが，そこまでしなくても，十分な加速や操縦安定性が得られること，そして駆動輪のトラクションの使い方がうまいことが特徴です。

つまり500馬力クラスまでであれば，2WDでも十分な走行性能が得られます。むしろ下手な4WD制御で，操縦性を損なう方がダメなわけです。

IS-Fがもっと大きな出力になったり，レース対応になるのなら4WD化は必要でしょう。しかし400馬力クラスですから，2WDにして軽量化した方が理にかなっています。

簡単ですが，ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

ありがとうございます。

Answer 2

トヨタのセダンに四駆は必要ないという社長の理念からでしょう。

Answer 3

トヨタにスポーツ4WDを造る能力が無いからでは？

Answer 4

クルマ本来の魅力である「操る楽しさ」を極限まで追求し、ドライバーが主役となって、その歓びを深めていく。
http://lexus.jp/models/isf/concept/concept/concept.html

とHPには記載されています。4WDは確かに速いですが、「操る楽しさ」という点においてはFRに軍配が上がるのではないでしょうか。まぁ、個人差もあるとは思いますが。

Answer 5

GT-Rとはベクトルが違うから