レクサス CT 「特定の理由を持つユーザー向け」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

山本 シンヤ
山本 シンヤ(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

2

デザイン
3
走行性能
2
乗り心地
3
積載性
3
燃費
3
価格
2

特定の理由を持つユーザー向け

2022.2.12

年式
2011年1月〜モデル
総評
「レクサスでなければ困る」、「駐車場のサイズが決まっている」など、特定の理由を持つユーザー向けの商品だ。個人的には今すぐにもでも世代交代すべきだと思うが、国内の販売台数は約150台/月と少ないながら安定しているので、「次世代への投資は厳しいが、今すぐやめる必要もない」と言った状況のようだ。
満足している点
同クラスのモデルが拡大傾向なのに対して、全長4355×全幅1765×全高1450-1460mmと同社のコンパクトクロスオーバー「UX」よりも一回り小さい事。購入者のほとんどが「扱いやすいボディサイズ」と語っているそうだ。
不満な点
逆を言えば、ボディサイズ以外は気になる事ばかり。デザイン/メカニズムを含めて前時代の商品のため、ロジカルに見ていくと積極的におススメする理由はない。
デザイン

3

同クラスのライバルがより個性を強めるべく味濃い目なスタイルを採用する中、フロント周り以外はオーソドックスでシンプルなデザインだが、線の細さや面の抑揚のなさに時代を感じるのも事実。インテリアは最新レクサスの基礎を作った横基調のインパネ周りだが、操作系の煩雑さや各部の質感など細部のツメの甘さに時代を感じる所も。
走行性能

2

1.8L+モーターのパワートレインは必要十分なパフォーマンスだが、同システム搭載の最新モデルと比べると応答性の悪さやラバーバンドフィールが残るなど前時代的。フットワークもスポーティなハンドリングだが、ステアリングの切り始めが曖昧で直結感が乏しいステアフィールや一体感に欠けるクルマの動きは、古さを感じるのも事実
乗り心地

3

デビュー当初はベースのプリウスよりも優れていたと感じたものの、今となってはストローク感が乏しい硬めの乗り心地は申し訳ないがプレミアムとは言い難い。既存のプラットフォームでは走りと乗り心地のバランスが難しいのも解るが、販売を継続している以上は進化させるべきだと思う。
積載性

3

元々パーソナル需要がメインなのでフロントシート優先のパッケージだが、リアシートは大人が座っても必要十分な広さは備えられている。ただ、ウィンドウ面積は小さいので閉塞感はかなり高め。ラゲッジは開口部が狭い上に絶対的なスペースもそれほど大きくないが、CTのキャラクターを踏まえれば実用性はそれほど悪くない。
燃費

3

パワートレインのハード自体は3代目プリウスと同じ1.8L+モーターの「THSⅡ」だが、制御はCT専用となっている。プリウスに対して若干走りに振った制御だが燃費の良さは健在、今でも十分通用するレベル。車両重量はボディ補強などによりプリウスより100kg近く重くなっているが、20km/L前後は余裕で出るだろう。
価格

2

スターティングプライスはレクサスブランド最廉価となる386.9万円。ただ、改良を続けているとはいえデビューから12年目が経過したモデルである事、同クラスのモデルの進化幅(特にTNGA世代のトヨタ車)と比べてしまうと商品力は低い。残念ながら価格と価値のバランスは合っていない。
山本 シンヤ
山本 シンヤ
自動車ジャーナリスト
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるべく「自動車研究家」として活動を行なう。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員ワールド・カー・アワード選考委員
レクサス CT 新型・現行モデル

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