ランチア デルタ のみんなの質問

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現代技術ではエンジン横置きの4WDは縦置きと比べても遥かに劣る事はないのですか?

横置きエンジンだと後輪へのトルク配分で不利だと聞きました。
縦置きならばトルク配分50:50のフルタイム4WD走行が可能だと聞きました。
横置きだとフルタイムとは言っても後輪にわずかばかりのトルクが配分されるだけで決して50:50の配分で常に走れるわけではないとあります。
50:50で走れるのは雪道とか路面の状況が悪い時のみで通常時はほぼFF走行と変わりはないとのこと。
50:50フルタイム4WD特有に路面に吸い付くような走り?は味わえないと。
それでも現代技術の進化で横置き4WDは遥かに劣るという事はないのでしょうか?
それとも縦置きの4WDとは雲泥の差でしょうか?

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ベストアンサーに選ばれた回答

エンジン横置でも、前後50:50または後輪偏重トルクのフルタイム4WDはつくれますよ。実際に日本初の「センターデフ式フルタイム4WD」としてデビューした「ファミリア4WD」、WRCで活躍した「ランチャ・デルタ・インテグラーレ」、「セリカGT-FOUR」、「ランサーエボリューション」等はみなエンジン横置です。現在のWRCのWRカーも同様ですね。しかしながら、現在の市販車はエンジン横置のセンターデフ式フルタイム4WDは絶滅に違い存在です。これには時代背景が大きく影響しています。以下、その理由と共に、現時点における四駆の状況をご理解いただけるように頑張って書きたいと思います。

■ 燃費と軽量化

現在、乗用車がFFが中心で、後輪駆動は高級車やクロスカントリー車、貨物車両が中心となっています。乗用車にFF車が増えたのは、エンジン横置なので室内が広くできること、パーツ点数が少ないため価格が安く生産効率がよいこと、また直進安定性に優れることなどがその理由です。これらによって、FF車はより低価格で燃費のよいクルマがつくりやすくなっています。このエンジン横置FF車を4WDにするには、横方向のエンジンの回転軸をギアを介して縦回転にして、プロペラシャフトでリアまで引っ張り、そこでまたギアを介して横方向の回転軸に変換して後輪を駆動します。中継する機構が複雑なため、駆動抵抗(フリクションロス)が生まれます。さらに、後輪を前輪同様に強靭な駆動系とするには、頑丈で重たいトランスファー類(含センターデフ)やプロペラシャフトを要します。それでは車重を重たくコストのかかるクルマになってしまいます。これゆえ、合理的な四駆にするため、エンジン横置のFF車は、簡素なトルクオンデマンド型の「スタンバイ式4WD」が中心となっていきました。

■ FFベースのスタンバイ式4WD

FFベースのスタンバイ式4WDは、通常の直進走行はほぼFFで走行し、後輪が滑った時などに後輪にトルクを伝えます。滑らないための四駆のはずが、滑ってからでないと四駆にならないので「なんちゃって4WD」と呼ばれてますが、これでも雪道などでは重宝します。仕組は、前後輪をつなぐプロペラシャフトの間に油圧または油粘式の装置を挟み込んで、前輪が滑るなどして後輪との回転差が発生した時に装置内の圧力が高まり後輪が動き出す仕組みです。後輪は必要最小限に動かせばいいので、リアのドライブトレインは簡素で済み、それゆえ軽量安価かつ燃費のよい4WDができるというわけです。軽量簡素にするためにこうしているわけであり、前輪の駆動系をカットして後輪駆動だけで走らせたら長持ちはしません。一方で、最近はスタンバイ式4WDでも、電子デバイスの発達により反応速度が早くなり、性能はセンターデフ式フルタイム4WDに近いものも出てきています。軽量簡素で高性能であれば、それに越したことはないのですものね。

例えば、ジェイテクト社の電子制御カップリングを使用したマツダの「i-ACTIVE AWD」、トヨタの「ダイナミック・コントロールAWD」、デリカD5の電子制御4WDシステム、ワーゲングループやボルボが採用する「ハルデックス5」等はこの高度な部類のスタンバイ式4WDです。特に、三菱やハルデックスの四駆システムは、通常はFF走行なのですが、一時的であれば後輪偏重トルクにまで変化する仕組みです。

■ FRベースの4WD

FRはエンジン縦置で、エンジンの回転軸がプロペラシャフトを通じてシンプルに後輪まで伸びるシンプルな構造です。しかし重たいエンジンで駆動輪を押さえつける構造ではないため、駆動輪の後輪は空転しやすく理に適っていません。それゆえ、多くのFR車がエンジンをできる限り後ろに搭載(フロントミッドシップ)します。これゆえFR車をベースに4WD化するのはやや複雑なのです。トランスミッションの後ろの右または左からカウンターシャフトを出して、前方向まで引っ張ってフロントデフにつなぎ、前輪を駆動させます。それゆえ、このカウンターシャフトはリアを駆動するプロペラシャフトよりも細くなっています。FRベースの4WDに後輪偏重トルクの車両が多いのは、後輪駆動らしいナチュラルなコーナリング性能を得る目的の他に、物理的に大容量のトルクを支えることが厳しいという理由もあります。FRベースの場合はセンターデフ式フルタイム4WDは多いのですが、FRベースのスタンバイ式4WDも有効な手段として注目されています。例えば、日産GT-Rの「アテーサE-TS」やBMWの「X-drive」等はFRベースのスタンバイ式4WDです。通常の走行はFRに近く、後輪のグリップが限界に達する時などに前輪がサポートして車両を安定させます。走りに関しての評価はご存じの通りと思います。むしろ軽量化できますので、スポーツ四駆には適した仕組みといえます。

■ エンジン縦置FFベースの4WD

通常FF車はエンジン横置です。しかし、アウディ(A4以上)やスバルはエンジン縦置のFFメーカーなのです。この2社は乗用型4WDで世界的にアドバンテージがありますが、それはこのエンジン縦置FFであることが大きく関係しています。
FFなので前輪を駆動するのは基本ですが、エンジン縦置のため、FRのようにシンプルにプロペラシャフトをリアまで伸ばして簡単に本格的な4WDがつくれてしまうのです。それならば、FRベースの4WDも同じでは? と思うかもしれませんが、実際にはエンジンの搭載位置も異なります。エンジン縦置FF車はもう少しエンジンが前の方に搭載されていて、エンジンとトランスミッションの間から前輪のドライブシャフトが突出し、前輪をシンプルに駆動します。さらに後輪もシンプルに駆動できるので、前後駆動配分は50:50はおろか100:0~0:100まで耐えられる強靭な駆動系を前後に配備しやすいわけです。未だに、アウディとスバルが四駆に強いのはこのあたりですね。さらにスバルは水平対向エンジンで、前後上下の寸法が小さいため、これまたエンジンがあまり前方向にハミ出さず、低重心かつ左右対称という四駆になるために生まれてきたようなレイアウトです。他社からしたら反則といえるもので、これをスバルは「シンメトリカルAWD」と呼んでいます。ランエボ対インプレッサの戦いでも、エンジン横置FFベースのランエボは、構造上はスバルよりも物理的に不利です。なので次々と電子デバイスを投入してインプレッサに対抗しました。結果、ランエボは世界有数のハイテク4WDスポーツとなり、それが現代の4WD技術に大いに貢献しています。一方で、それに対して素で勝負できたインプレッサもすごいことで、これは両社のレイアウトの違いが表れている好例といえます。また、アウディもTT、A3、A1、Q3等はエンジン横置なのですが、これは先に説明した「ハルデデックス」システムを採用しています。通常はほぼFFてすが、いざとなったらフルタイム4WDと同様なパフォーマンスを発揮します。ワーゲングループと共有するドライブ系ですが、アウディの名に恥じない四駆システムと思います。

とはいえ、今は燃費の時代です。今後の四駆は「モーター式4WD」が主流になると予想します。すでにホンダの「SH-AWD」や、アウトランダーPHEVや、プリウス4WDなど、ドライブシャフトを持たずにモーターで補助輪を駆動する方式が最先端です。スタンバイ式4WDも発展してフルタイムに近づく一方で、モーター式がさらに高度な制御を行うようになるので、もはやエンジン縦置か横置かは議論の外になる時代がくるかもしれませんね。

長くなり失礼いたしました。何かご不明な点などございましたら追加でご質問ください。

質問者からのお礼コメント

2017.4.4 18:25

詳しくご丁寧に回答ありがとうございます!
これで4WDのすべての謎が解けました。
すごくわかりやすかったです。
今ではドライブシャフトは不要でモーターで動くのですね。

その他の回答 (8件)

  • 今やwrcは横置き四駆が主流ですが。

  • 横置きエンジン・トランスミッションでも「センターデフ機構」を装着することにより前後均等配分またはリヤへ多くトルク配分することは可能です。

    ランサーエボリューションの様な前後50:50の均等配分はもちろん、古くはギャランVR-4で前33:後67、(一部ATモデルのみ)、GTO(45:55)、マツダファミリア(43:57)等プラネタリセンターデフにより前後可変トルク配分していたモデルはあります。

    ただし、現在の市販車の多くはセンターデフを用いず、フロントからリヤへ「クラッチ」を使い駆動を伝達するものが多いですが、その場合はあまり多くリヤへ駆動を伝えませんのでスポーツ走行では劣ると思いますが、制御を突き詰めればスポーツ走行も問題ない性能は出せるでしょう。クラッチを完全に繋げば前後直結になりますから。(ちなみにこのセンターデフなし+リヤ電子制御クラッチの構造は、トヨタがWRCで活躍したST205セリカGT-FOUR・カローラWRCに用いたハングオンクラッチ構造と一緒です)

    現代のハイレベルなWRCマシンも横置きエンジン+横置きミッションであり、横置きレイアウトはエンジンを傾斜搭載+ミッションも小さくまとめることが出来るので重量配分的にも問題ありません。
    →WRCにおけるスバルは水平対向縦置きレイアウトでしたが、トランスミッションから前ドライブシャフトを取り出す位置関係上、エンジンとミッションを後方へ移動できずフロントオーバーハング重量を減らすことが出来ませんでした。

  • エンジンと云うより四駆の形式ですねw

  • 80年代以前の知識?かな
    (=゚ω゚)ノ
    デルタ」037」ギャラン」にレオーネ」と
    あとクワトロ」か
    その頃は→色々言ってたね

    90年代には入れ歯→ネガなんて?こくふしちまうし
    00年代に入ると…
    電子制御でや何でもアリ☆さ
    ( ´Д`)y━・~~すぱー
    今なんて…
    FFなのに→FRの挙動すら
    作り出してしまう☆からね

    どわにも?ならねーのは
    →重さ?かな
    ( ´Д`)y━・~~すぱー
    重力制御」でもあれば→克服しちまう?がね
    生きているうちに…
    空飛ぶ車」→乗れる?かもよ

  • ランエボがインプSTiより大きく劣ることはないことで証明済みだがね...

  • 今の時代、横置きでも、前後はおろか、左右まで、トルク配分が自由にできます。

  • 横置きというと、ハルデックス・カップリングが有名ですが、こちらの方が燃費性能は遥かに勝るので、何を求めるのかでしょうね。

    現在5世代目まで進化しているので、「ハルデックス5」で検索して、トルク配分等を読んでみてください。

  • そもそもそんな認識がずいぶん的外れだとは気づきませんか

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