ホンダ オデッセイ 「価格は気になるがバランスの良いパッケージのミニバン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

価格は気になるがバランスの良いパッケージのミニバン

2021.3.14

年式

2013年11月〜モデル

総評

エスティマが絶版となったため、こういったミニバンはオデッセイしかないという強みはあるが、強みを価格がぶち壊しにしているのが残念だ。この状況では初代モデルでホンダの危機を救ったオデッセイが日本では絶版にならないか心配だ。

満足している点

好みや販売台数はさておき、現行オデッセイは適正な全高でラージミニバンとして申し分ないスペースを備え、良好な走行安定性や乗り心地を確保しているという、バランスのいいパッケージングを持っていることは評価できる。

不満な点

車格が下なのにアルファード&ヴェルファイアと変わらない価格が最大の弱点だ。この価格では量販は望めず、結局値引きに頼ることになりそうなので、最終的にはリセールバリューの悪化につながるという悪循環に陥るのではないだろうか。

デザイン

3

昨年秋のビッグマイナーチェンジでフロントマスクは押し出しの強いものに、テールランプ周りも重厚感のあるものに変更されており、ラージミニバンのユーザー層ならこういったデザインを好む人の方が多いと思われる。

走行性能

2

2.4リッターガソリンはラージミニバンとして標準的な動力性能を持つ。2リッターガソリンエンジンを発電中心に使い、スピードが上がるとエンジン直結モードとなる2モーターシリーズハイブリッドは、EV走行中アクセルを深く踏んだ際のレスポンスの悪さが大きな弱点だ。

乗り心地

3

前期モデルはそれまで付き合いのなかったダンパーメーカーとのコミュニケーションがうまくいってなかったのか、アブソルートはガタガタ、標準車はフワフワと劣悪だった。しかし、登場2年目あたりのロットから改善されており、今では初期モデルとは別のクルマのように快適な乗り心地となっている。

積載性

4

3列目シートは床下に収納できるため、跳ね上げ収納式のように側面上部のスペースがスポイルされないこともあり、それほど高くない全高ながら実質的なラゲッジスペースは広い。また3列目シートを収納できるだけに、ラゲッジスペース下のアンダーボックスも非常に広い。

燃費

3

総合した実用燃費は2.4リッターガソリンがおおよそ11km/L、ハイブリッド16km/Lと車格の割には良好だ。車格の割に良好な燃費には全高を最低限としたことも空気抵抗の小ささという意味でそれなりに貢献しており、なかなかバランスのいいパッケージングといえる。

価格

2

ベーシックな2.4リッターガソリンの価格は約350万円と、同等の装備となるアルファード&ヴェルファイアのベーシックグレードと並んだ。そもそもオデッセイはアルファード&ヴェルファイアに対し下の車格であり、ビッグマイナーチェンジ前は300万円以下の価格だったため整合性が取れていただけに、この価格だとオデッセイは選びにくい。