ホンダ N-BOX のみんなの質問

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軽自動車の4WDについて教えてください。
特殊なジムジーは不要です。
特にスズキハスラー、三菱デリカミニ、ホンダN-BOXの現行4WDモデルでそれぞれ違いなどを教えて頂きたいです。

宜しくお願いします。

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ベストアンサーに選ばれた回答

ハスラーがハイト系なのに対して、デリカミニやN-BOXはスーパーハイト系ですね。いずれも人気車種ですが、走破性ではハスラー → デリカミニ → N-BOXの順になります。但し、ハスラーは他の2車種に比べて室内高が低いので広さは不利ですね。以下、少々説明長くなりますが、最後までお付き合いいただけましたら幸いです。ご存じの内容ばかりでしたらすみません。

◆ 4WDシステムの共通点

質問者様のご質問は4WDシステムに関するものだと思いますので、それについて記載しますね。3車種ともに共通しているのは・・・

・エンジン横置のFFベースの4WDである
・ビスカスカップリングを使用した「スタンバイ式4WD」である

という2点ですね。軽自動車の4WDでは、軽量安価でシンプルなビスカスカップリングを使うことが多いです。簡単に作動原理を説明しておきます。

◆ ビスカス式4WDの仕組

FFベースなので、エンジンの出力は前輪に直結しています。その前輪から分岐して後輪の駆動系まではプロペラシャフトが繋がっており、その間にビスカスカップリングを挟み込んでいます。
ビスカスカップリングの内部には無数の金属板とネバネバとして粘油が閉じ込められています。通常の直進走行では、ほぼFFで走行していますが、前輪が空転するなどして前後輪に回転差が発生すると、ビスカスカップリング内の粘油が膨張して金属板を押しつけ、そのクラッチ効果で前後輪が直結に近づき4WDとして機能するようになります。前後輪の回転差がなくなると粘油の膨張は収まり、またFF走行に近づくという仕組みです。
このビスカスカップリングを使わずに、前輪と後輪を直結で機械的につないでしまうと、コーナーでは前輪よりも後輪の回転が遅いため、前後輪のグリップがケンカしてブレーキのかかる「タイトコーナーブレーキング現象」が発生してしまいます。ビスカスカップリングは効きが穏やかなので、この現象が発生せずに済むのですね。
但し、滑らないための4WDなのに、滑ってからでないと4WDにならないのが欠点です。こうした機械仕掛けのスタンバイ式4WDは「パッシブ型トルクオンデマンド4WD」とも呼ばれます。もう少し大型の車種になると電子制御で素早く反応して4WDに切り替える「アクティブ型トルクオンデマンド4WD」が主流になります。

◆ 3車種の4WDの違い

ここまでは、3車種4WDシステムの共通点について記載してきました。ここからは、3車種の4WDシステムの違いについて触れます。

<ハスラー>
ハスラーには「グリップコントロール」という飛道具がついています。グリップコントロールのボタンを押すと「ブレーキLSD」という装置が強く働きます。ブレーキLSD とは、4輪個別にブレーキを制御できるABSを応用したものです。デフギアはコーナーで左右輪の回転差を抵抗なく差動制御する優れものですが、片輪が空転すると反対側の車輪にグリップがあっても空転し続けるという致命的な欠点があります。このために雪道ではスタックしやすいのですね。ならばその欠点を逆利用して、滑った車輪にだけブレーキをかければ、強制的に反対側の車輪に駆動力を発生させられます。これがブレーキLSDの仕組みで飛躍的に走破性がアップさせられます。グリップコントロールOFFでもブレーキLSDは機能しますが反応するまでタイムラグがあります。ONにすると瞬時にブレーキLSDが作動するようになります。

<デリカミニ>
デリカミニにもブレーキLSDは装備されています。しかしハスラーのような切替ボタンはないのでブレーキLSDが作動するまで少しタイムラグあります。一方、ビスカスカップリングの説明のところで「滑ってからでないと4WDにならない」と書きましたが、デリカミニはここに一捻りあります。4WDは前後輪別々のデフギアがあり、通常は前後輪とも同じ回転数になるデア比です。しかしデリカミニは前輪の回転数を後輪より少し速めたギア比になっています。これによりビスカスカップリングのクラッチ効果が僅かに働いた状態をつくり常時四輪に駆動力が配分されるようになります。勿論、前輪の方がトルクは強いのですが、いざ前輪が滑った時には、タイムラグ少なく4WDとして機能します。他の2車種にはない機構ですね。ちなみに兄弟車の日産デイズやデイズルークスも同じ四駆システムです。但し、デリカミニの方が車輪が大きいので最低地上高があります。

<N-BOX>
N-BOXは、極一般的なビスカス式4WDシステムで、ハスラーやデリカミニのような凝った機構は装備されていません。N-BOXが他の軽自動車に比べて劣っているわけではなく、ハスラーやデリカミニの方が他と異なるのですね。とはいえ、車輪が浮いたり深雪等でなければFFに比べてスタックはしにくいですものね。N-BOXは軽自動車の中で断然売れていますが、内装や装備含めてトータルで優れていますので、優れた4WD性能を求めなければN-BOXは最も満足度高いのではないでしょうか。

◆最低地上高

雪道や悪路の走破性は最低地上高が高い方が有利です。
ハ ス ラ ー 180mm
デリカミニ 160mm
N-BOX 145mm

◆車輪の大きさ

タイヤ外径が大きい方が、路面の凸凹にハマりにくく、走破性が高いです。上記の最低地上高にも影響します。ハスラーとデリカミニは車輪大きめで有利です。

ハ ス ラ ー  165/60R15
デリカミニ  165/60R15
N-BOX  155/65R14
同カスタム  165/55R15

◆車両重量
車両重量が軽い方が、加速性能、コーナリング性能、ブレーキ性能ともに有利ですよね。雪道になるとさらに顕著に表れます。燃費にも大きく影響します。ハスラーはスーパーハイト系のデリカミニやN-BOXより有利ではあるのですが、そうでなくてもスズキの軽量化技術は優れています。車両重量がデリカミニよりも、なんと150kg近くも軽いのです。軽い軽自動車にとってかなり大きな重量差といえます。

ハ ス ラ ー  880~890kg
デリカミニ  1,030~1,060kg
N-BOX   950-1,020kg

◆各社の主要スペック

<ハスラー>
・全長×全幅×全高  3.395×1,475×1,680mm
・最低地上高 180mm
・車両重量 880~890kg
・WLTCモード  ターボ(20.8km/L) NA(23.4km/L)
・タイヤサイズ 165/60R15
・ブレーキ 前ディスク/後ディスク

<デリカミニ>
・全長×全幅×全高  3,395×1,475×1,830mm
・最低地上高 160mm
・車両重量 1,030~1,060kg
・WLTCモード 17.5-19.0km/L
・タイヤサイズ  165/60R15
・ブレーキ 前ディスク/後ドラム

<ホンダ N-BOX(N-BOX カスタム)>
・全長×全幅×全高  3.395×1.475×1,815mm
・最低地上高 145mm
・車両重量 950-1,020kg
・WLTCモード 
→ターボ(23.0-23.4km/L)
→NA(24.2-25.4km/L)
・ブレーキ 前ディスク/後ディスク
・タイヤサイズ
→N-BOX カスタム165/55R15
→N-BOX ノーマル 155/65R14 

長くなり失礼いたしました。ご不明な点などありましたら、追加でご質問いただけましたら幸いです。

質問者からのお礼コメント

2024.7.10 19:39

確かにそうだと思います。一長一短。
丁寧な説明ありがとうございました。

その他の回答 (2件)

  • 構造的には変わらん
    ハスラーは最低地上高あげて未舗装路などの走破性上げてる
    後はグリップコントロールで制御の方で未舗装路などでタイヤが空転しやすい時にグリップするような装置がついてるのとヒィルディセントコントロールがついてて滑りやすい路面の下りなどで一定の低速度でスリップしないように下れる装置が付いててSUV的機能持たせてる

    デリカミニも最低地上高上げてグリップコントロールつけて走破性あげたハイト系軽ミニバン
    ヒィルディセントコントロールは無い

    NーBOXは最低地上高も低いし未舗装路に対応した装置はついてない街乗り4WD

  • 軽自動車の4WDについて教えてください。
    基本は同じです

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