2020年10月
■2020年10月
グループPSAジャパンは、シトロエンのMPV「ベルランゴ」のカタログモデルを2020年8月26日に発表、翌8月27日より先行予約を開始した。同年10月1日に発売した。
ベルランゴは2019年10月に先行発売モデル「デビューエディション」が発表され、オンライン予約が5時間半で満杯になった実用ハイトワゴン。今回カタログモデルとして導入されたのは、デビューエディションとほぼ同等の装備を持つ「シャイン」と、より道具感を強調した「フィール」の2グレード。さらに充実装備とマットオレンジのアクセントが盛り込まれた特別仕様車「シャインXTRパック」が設定されている。
ベルランゴの背の高さを活かした箱型ボディは、人気の「ルノー・カングー」に相通じるところがある。日本では“二番煎じ”に思われがちだが、欧州デビューはベルランゴのほうが早い。ボディサイズは全長4405㎜×全幅1850㎜×全高1850㎜、ホイールベース2785㎜。それぞれのスペックはカングーよりも大きめ。前進させたフロントスクリーン、短く高く設定されたフロントエンド、取り回し性を向上させる短いフロントオーバーハングは、グループPSAで定評ある新世代プラットフォーム「EMP2」によって実現させている。
スライド式のリヤドアを採用し、リヤシートは3座独立式とした(「フィール」は6:4分割可倒式)。個別で折りたたみが可能であり、助手席も前倒しが可能。荷室容量は5人乗車時で597L(トノカバー下)、後席を倒した状態で最大2126Lを確保する(容量は「フィール」の数値)。跳ね上げ式のテールゲートはガラス部分のみを開くことも出来、フレキシブルラゲッジトレイの高さをミドルポジションにすることでラゲッジスペースを上下に分割することが可能。また、テールゲートはリヤバンパー後方1500㎜に展開し、アウトドアではタープ代わりとして使える大きさだ。
収納スペースも充実しており、「シャイン」に標準装備されるパノラミックルーフ中央部にはバッグインルーフとして最大14Lまでのバッグが収納可能だ。さらにフロントルーフ部分、リヤシート頭上後方にも容量約60Lのシーリングボックスを設置。助手席エアバッグをルーフ部分から展開するようにした結果、助手席側のグローブボックスは11.8Lの容量が確保されている。
パワーユニットは最高出力96kW(130ps)/3750rpm、最大トルク300Nm/1750rpmを発生するPSAの最新世代1.5リッター4気筒ディーゼルターボに8速ATの組み合わせ。FFのみの設定で燃費はJC08モードで21.2km/L、WLTCモードで18.0km/L。
先進運転支援機能(ADAS)は「シャイン」、「フィール」ともに充実している。アダプティブクルーズコントロールは30~180km/hで作動し、前車が停止した場合は停止まで対応。さらに5~80km/hで作動するアクティブセーフティブレーキ、レーンキープアシスト、ブラインドスポットモニターシステム、インテリジェントハイビーム、トラフィックサインインフォメーション、ドライビングアテンションアラートなどが標準装備となる。
ボディカラーは「サーブル」、「アクアグリーン」、「ブランバンキーズ」の3色を展開する。
同年10月9日には、特別仕様車「シャインXTRパック」を追加生産すると発表した。仕様に変更はなく、価格は349万円(6万円アップ)となっている。