BMW ディーゼルエンジンについての質問です。

Question

１年程前からBMWのディーゼルエンジンの環境対策はNSCとDPFに移行し、SCRはX5などの大型車にしか使われていない。という記事を読みました。
そこで質問があります。

①SCR（尿素選択還元触媒）が排気量が大きい車に用いられる理由はなんですか？
全てNSC（NOx吸収還元触媒）とDPF（粒子状物質除去フィルター）で対応することはできないのでしょうか？

②BMWでSCRの技術は何年ほど前から採用されているのでしょうか？

知識が浅いので根本的なことを間違っていたら申し訳ありません。
それも含めて指摘してくださると嬉しいです。
よろしくお願いしますm(_ _)m

Answer 1

・①について

SCRとNSCではメリット、デメリットがあります。

【ＳＣＲメリット】
NOx浄化率が高い、ＮＯｘ浄化に必要な燃費ロスがない。
【ＳＣＲデメリット】
搭載性が悪い（システムコストが高い）、尿素を補充する必要がある

【ＮＳＣメリット】
搭載性がよい（システムコストが安い）、尿素の補充の必要がない
【ＮＳＣデメリット】
ＮＯｘ浄化率が劣る、ＮＯｘ浄化に必要な燃費ロスがある。

http://www.cleers.org/workshop7/presentations/lambert.pdf#search='FORD+LNT+SCR+HCSCR'

上記のサイトの４ページ目にＮＯｘ浄化率の比較があります。
（このサイトではNOx吸収還元触媒のことを「ＬＮＴ」と表記しています）

また５ページ目に燃費ロスとＮＯｘ浄化率の比較があります。

ご存じかも知れませんがＮＳＣではリッチスパイクを多くうてば
（燃費ロスが多くなれば）、ＮＯｘ浄化率が高くなるのです。

上記サイトの５ページ目のグラフを見ていただければ分かりますが
ＮＳＣがＳＣＲと同等のＮＯｘ浄化率を維持するには燃費を１０％近く
ロスさせる必要があります。

一方、ＳＣＲは３％程度ですね。

以上の背景から搭載性が許される大型車ではＳＣＲが使われ
搭載性が許されない小型車ではＮＳＣが使われています。

私の経験上、その境目は排気量１５００～２０００ｃｃです。

>全てNSC（NOx吸収還元触媒）とDPF（粒子状物質除去フィルター）で対応することはできないのでしょうか？

そのためにはNSCのNOx浄化率を上げる必要があります。

その一つに以下のサイトの３３ページ目にあるＬＮＴ＋ＳＣＲの
組み合わせです。（尿素は使わないです）

http://dels.nas.edu/resources/static-assets/bcst/miscellaneous/Lambert_Critical.pdf#search='FORD+LNT+SCR+UMICORE'

確かＦＯＲＤで実用化された事があります。
（大型車だった記憶があります）

ただしそれでもＮＯｘ浄化率はＳＣＲと比べて劣るので
ＳＣＲにとって代わるのは難しいと思います。

またＳＣＲのメリットとしてエンジン側でＮＯｘを増やしてＰＭを減らす
つまり燃費を良くする方向に持っていけるシステムである事も大きいです。

ＮＳＣでは、それが難しいです。

・②について

私の記憶では３～４年前です。

質問者からのお礼コメント

丁寧な説明ありがとうございました。
とてもわかりやすかったです。
また同関係の質問をするかと思うのでよかったら回答お願いします。

Answer 2

アドブルーの方が簡単に規制をクリア出来ると聞いたような。

それね、どっかの記事で読んだんだけどどこで読んだか思い出せないや。
でもアドブルーは尿素の補充の手間がある（まあ2万kmぐらい対応できるけど）から、基本的に使わないで済むなら使いたくないけど、大型のエンジンだと使わざるを得ないとか。