2018年11月
■2018年11月
BMWは、クーペモデルの最高峰となる新型「8シリーズクーペ」を2018年11月9日に発表、同日より販売を開始した。
初代8シリーズは日本においても1990~1999年で販売されていたBMWのフラッグシップモデル。19年ぶりに復活した8シリーズクーペは低く伸びやかなシルエットとなだらかなルーフライン、低めに配置されたキドニー・グリルなどにより、モダンで洗練された仕上がり。ボディは内部構造部材にカーボン素材、ボディパネルにアルミ材などを効果的に使用することで、高い剛性を確保しながら2000kgを切る軽量化を実現している。ラインアップは「M850i xDrive」のみとなり、ボディは全長4855mm×全幅1900mm×全高1345mm、ホイールベース2820mmとなる。
パワーユニットは新開発の4.4リッターV8直噴ガソリンターボ。Mパフォーマンス・ツインパワー・ターボ・テクノロジーにより最高出力390kW(530ps)/5500~6000rpm、最大トルク750Nm/1800~4600rpmの性能を得ており、組み合わされる8速ATと最適なトラクションをもたらす4輪駆動システム「xDrive」によって0-100㎞/h加速3.7秒のパフォーマンスを実現している。
サスペンションは従来のダンパーに加え、電子制御アクティブ・スタビライザーを装備した「アダプティブMサスペンション・プロフェッショナル」を採用。ロール特性を調整し、高速コーナリングから快適なクルージングなどで最適なロール特性をもたらすという。また、「インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング」は最小回転半径を小さく抑え、正確なハンドリングとすぐれた走行安定性に貢献。さらに「Mスポーツ・ディファレンシャル」や「Mスポーツ・ブレーキ」などにより、本格的なスポーツ走行にも対応させている。
運転支援システムについても最先端の内容を備えており、「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付き)」、「レーン・チェンジ・ウォーニング(車線変更警告システム)」および「レーンディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)」、「ステアリング&レーン・コントロール・アシスト・サイド・コリジョン・プロテクト」および衝突回避ブレーキ(事故回避ステアリング付き)などを装備。さらにパーキング・アシスタントには「リバース・アシスト」を初採用し、車両が直前に前進したルートを最大50mまでを記憶、同じルートをバックで正確に戻る機能が盛り込まれている。狭い道に迷い込んだ際にも安全かつ正確に元のルートに復帰することが可能という。
インテリアはスポーティな走行を可能とする機能性と高級感を両立させた仕上がりで、ベンチレーション機能付きのメリノ・レザーシートやハーマン・カードン製のオーディオ、透明度の高いクリスタルで作られたシフトノブなどを装備する。メーターは12.3インチのディスプレイを備えたフルデジタルメーターパネルを採用。改良されたヘッドアップディスプレイと合わせて、ドライバーは運転に集中しながら必要な情報を得ることができる。また、新しい表示・操作コンセプトの「BMWオペレーティングシステム7.0」が導入されており、10.25インチのコントロールディスプレイと12.3インチのフルデジタルメーターパネルを好みに応じてカスタマイズすることも可能だ。総合テレマティックサービスの「BMWコネクテッド・ドライブ」は操作性・利便性を高め、快適でスマートなモビリティライフをサポートする。
■2019年5月
BMWは、新型「8シリーズクーペ」にクリーンディーゼルエンジンを搭載した「840d xドライブ クーペ」と「840d xドライブ クーペ Mスポーツ」を設定して、2019年5月20日に発売した。
今回新たに追加設定されたモデルは、直列6気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載。可変翼を採用した低速用ターボと高速用ターボを共に搭載することで、低回転域から強大なトルクを発生し、最高出力235kW(319PS)/4,400rpm、最大トルク680Nm/1,750-2,250rpmを達成したという。
また四輪駆動システムのxドライブを搭載し、高速域でのクルージングやコーナリング時でも常に安定した走りを実現した。
同年5月31日には、特別仕様車「M850i xドライブ クーペ ファーストエディション」を右ハンドル8台、左ハンドル2台、合計10台限定で発売した。
「M850i xドライブ クーペ ファーストエディション」は、BMW M社が開発する最高品質の装備ラインアップ「BMW Individual(インディビジュアル)」の装備を多数採用。ボディカラーは、マット感を際立たせながらも、複雑な色層によって光の当たる角度で表情を変化させ、高級感と洗練された印象を与えるBMW Individualフローズン・バルセロナ・ブルーを初採用した。また、サイドウィンドウモールディングやキドニーグリルにBMW Individualのハイグロスシャドウラインを採用するとともに、エアブリーザーや20インチMライトアロイホイールにブラックを使用して、洗礼された上品さを強調した。
インテリアは、BMW Individualメリノレザーを使用。アイボリーホワイトをベースにナイトブルーのアクセントを加えたデザインを採用して、高級感とスポーティさを調和させる室内空間を演出した。ルーフライナー(天板の内張)に採用されたBMW Individualアルカンタラにもナイトブルーを採用し、シートの色と調和した統一感のある空間を実現。またコックピットを取り囲むトリムには、BMW Individualトリム ピアノブラックを採用し、“First Edition”の刻印とともにシリアルナンバーを刻んでいる。
2020年4月1日には価格改定を実施した。
■2020年4月
BMWは、「8シリーズクーペ」に「840i」を追加設定して、2020年4月24日に発売した。
今回新たに設定されたモデルは、3.0リッター直列6気筒ガソリンエンジンを搭載。最高出力340PS(250kW)/5,000 rpm、最大トルク500Nm/1,600-4,500rpmを発揮する。また後輪駆動方式(FR)を採用した。
■2020年7月
BMWは、「8シリーズクーペ」に特別仕様車「M850i xドライブ エディション・ゴールデン・サンダー」を設定して、2020年7月30日正午にBMWオンラインストアにて1台限定で受注を開始した。
「M850i xドライブ エディション・ゴールデン・サンダー」は「M850i xドライブ」をベースに、エクステリアはブラック・サファイアのボディカラーにブラックの塗装を施したキドニーグリルとブレーキキャリパーを特別装備。またドアミラーやボディサイド、ホイールに、雷をイメージする専用のゴールド塗装を施して、より精悍なスポーティさの中にエレガントなアクセントが際立つ独特の世界観を表現したという。
インテリアは、ヘッドレストに「Edition Golden Thunder」とレタリングが施され、金色の専用インテリアトリムを採用。また、Bowers & Wilkinsダイヤモンド・サラウンド・サウンド・システムを標準装備した。
2021年4月1日には価格改定を実施した。
■2021年6月
BMWは、「8シリーズクーペ」に特別仕様車「840i クーペ フローズンブラックエディション」を設定して、2021年6月24日に発表、同年6月30日午前11時にBMWオンラインストアにて5台限定で受注を開始した。
「840i クーペ フローズンブラックエディション」は「840i クーペ Mスポーツ」をベースに、専用装備を採用して内外装を漆黒に統一。ボディカラーはマット調の黒であるBMW Individualフローズン・ブラックを採用した。またキドニーグリルやテールパイプ、20インチMライトアロイホイール728M、Mスポーツブレーキキャリパーをすべて黒で統一して、専用装備した。
インテリアは、専用装備となる黒のMスポーツシートに加え、アンソラジットのBMW Individualアルカンタラルーフライナーやブラックのエクステンデッドレザーメリノ、BMW Individualピアノブラックトリムを採用。またBowers & Wilkinsダイヤモンドサラウンドサウンドシステムを装備した。