2022年9月に生産が終了したホンダのオデッセイ。惜しまれつつも約28年に及ぶ車生をまっとうしたミニバンブームの火付け役が今冬復活することになった。
あっという間の返り咲きに「待ってました!」という人がいる一方で、「今は他社にも魅力的なモデルがあるからなぁ」と思っている人も少なからずいるはずだ。
セレナ・ノアたちライバルミニバンに勝てるのか? 返り咲きの「新生オデッセイ」の対抗馬 4選
そう、昔も今もミニバンシーンは群雄割拠の様相を呈しているだけに、魅力あるモデルも数知れず! そこで、ここでは新生オデッセイの対抗馬になりそうな4モデルを紹介したい。
文/FK、写真/トヨタ、日産、ホンダ、三菱自動車
新生オデッセイ最大のライバルは、何もかもが最先端をゆく日産・セレナか!?
日常使いから長距離のお出かけまで幅広いシーンで活躍するセレナ。写真はミニバンでは世界初となるロングドライブをサポートする先進運転支援システムのプロパイロット2.0を搭載した最上位グレードのe-POWER LUXION
2022年12月に販売を開始したガソリン車に続き、2023年4月に本命ともいえるe-POWER搭載車の販売を開始したセレナ。
1991年の初代モデル発売以降、国内累計販売台数が200万台に到達した日産のドル箱車は、オデッセイはもとより高級ミニバンに勝るとも劣らない充実装備が満載されている。
初代の“BIG”、“EASY”、“FUN”というコンセプトに代表される室内空間の広さや利便性はそのままに、最先端技術の搭載や機能の充実を図って進化を遂げた現行セレナ。その最たる特長は、やはり最上位グレードに標準装備されたプロパイロット2.0だろう。
高速道路や自動車専用道路において運転者が設定した車速を上限としながら先行車と車速に応じた車間距離を保ちつつ、車線中央付近を走行するための運転操作や車線変更操作を支援するプロパイロット2.0。
ナビゲーションシステムで目的地を設定すればルート上の高速道路出口までアクセル・ブレーキ・ステアリング制御を支援するミニバン世界初搭載の先進運転支援技術は、たとえオデッセイであろうと太刀打ちできない部分だろう。
パワーユニットもEVに近いハイブリッドシステムとして好評を博すオデッセイのe:HEVに対して、セレナは新開発の1.4リッターe-POWER専用エンジンを組み合わせた第2世代のe-POWERを搭載。エンジンの作動音を抑制するとともに、よりパワフルで気持ち良い加速性能を実現している。
燃料消費率(WLTCモード)も甲乙つけがたく、オデッセイ(旧モデル)の19.8~20.2km/Lに対してセレナは18.4~20.6km/Lと五分五分のスペックを有している。
価格帯においては、e-POWERモデルが319万8800円~、ガソリンモデルが276万8700円~ということで、セレナのほうがお手頃感もあるだけに、新型とはいえ先代モデルの改良版として登場するオデッセイにとっては強力すぎるライバルと言わざるを得ない。
ミニバンのド真ん中、トヨタ・ノアは充実ラインナップと高いコスパが最大の強み
写真は王道のエアロスタイルらしいアグレッシブさを表現したS-Zグレードのエアロモデル。ノアがもつ迫力や存在感をいっそう引き立てる
2022年1月にフルモデルチェンジしたノア&ヴォクシーもまたミニバンの定番たる一台であり、新生オデッセイのライバルといっても過言では存在だ。
なかでも267万円~389万円というリーズナブルな値付けが行われているノアは、一般財団法人 日本自動車販売協会連合会が発表している乗用車ブランド通称名別順位(2023年3月)においても1万984台の8位にランクしており、その人気は依然高い。
そんなノアの特長のひとつといえるのが豊富なラインナップ展開。先代のオデッセイも駆動方式や乗車定員の違いで9つのタイプから選択が可能だったが、ノアにいたっては29にものぼる細分化が図られており、自分の好みに合わせてエンジン・駆動形式・乗車定員などが選べることは購入する側としてはうれしいポイントだ。
また、すべての電動モジュールを刷新した1.8リッター直列4気筒DOHCエンジン(2ZR-FXE)を採用した新世代ハイブリッドシステムは、モーターとバッテリーの高出力化とシステムの高効率化によって心地良い加速を実現。
燃料消費率も23.0~23.4km/Lという優れた燃費性能を達成しており、ガソリン代がなかなか値下がりしない昨今においてはありがたいかぎり。
インテリアもブラックアウトしたスリムなフロントピラーや水平基調で低くワイドに構えたインストルメントパネルなどが特長となるが、アシストグリップやエアコン吹き出し口などを機能的に配列したルーフ周りもスッキリとした見晴らしの良い開放的空間実現に大きく寄与。
加えて、機能美を有したインストルメントパネルも金属調フレームにソフト素材を巻き付けた姿をイメージした独創的なスタイルを採用するなど、車両本体価格に見合わないワンクラス上の上質感を放っている。
ライバルは社内にあり!? 30~40代のファミリー層に大人気のホンダ・ステップワゴン
「安心」と「自由」を表現したスタイリングが特徴となるステップワゴン。ユーザーのライフスタイルや暮らしのイメージによって選択できるようAIR(左)とSPADA(右)という異なるふたつのタイプを設定
先代モデルの価格帯が349万5000円~458万円だったオデッセイに比べてリーズナブルな305万3600円~391万2700円の価格帯も魅力となる現行のステップワゴン。
クルマ全体でカタマリ感のあるボディによって誰にでも似合うような自由なフォルムと安心感が表現されている通算6代目となる現行モデルは、インテリアも国内のホンダ車では史上最大となる室内空間とどの席でも快適に過ごせるリビングのような居住性、さらには車両感覚がつかみやすい視界と乗り物酔いをしづらくする工夫により搭乗者が安心して過ごせることも大きな特徴となっている。
パワーユニットは2モーターハイブリッドシステムのe:HEVを搭載したハイブリッドモデルと、静粛性の向上と高出力化を実現した1.5リッター直噴 VTEC TURBOエンジンを搭載するガソリンモデルの2種類をラインナップ。
モーターがもたらす力強くて滑らかな加速による走行に加え、クルーズ走行時にエンジン直結技術による効率の良い走りを実現したハイブリッドモデルと、エキゾーストポートやタービンなどの改良によってターボチャージャーの応答性を向上させて爽快な加速を実現したガソリンエンジンモデルは、ともにホンダならではの走りの良さも大きな魅力。
また、新型のオデッセイでは先進の安全運転支援システムであるHonda SENSINGに近距離衝突軽減ブレーキ、オートハイビーム、急アクセル抑制機能が追加されるが、ステップワゴンが採用するトラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)やアダプティブドライビングビームの追加は現時点でアナウンスされていない。
このことからも安心・安全の領域においては、ステップワゴンもオデッセイに決して引けをとっていないことがうかがえる。
三菱 デリカD:5はアウトドアシーンでの高い走破性が大きな武器になる
MPVとSUVを融合した三菱自動車らしいオールラウンドミニバンとして人気を博しているデリカD:5。AWC(All Wheel Control)思想に基づく電子制御4WDシステムによる高い悪路走破性も大きな魅力となっている
世界でも類を見ないオールラウンドミニバンとして人気を集めるデリカD:5。
デビューからすでに16年以上が経過したロングセラーモデルでありながら、これまでに数々のマイナーチェンジや一部改良を重ねることで正常進化を果たしてきたが、その存在をより印象づけたのが、2019年2月に行われたビッグマイナーチェンジだ。
プレステージ性を高めたアクティブなエクステリアデザインの採用が最大のトピックだったが、なかでも三菱自動車のフロントデザインコンセプトであるダイナミックシールドや縦型マルチLEDヘッドライトの採用で、ひと目見てそれとわかる抜群の存在感も手に入れたのだ。
そんな見た目の変更もさることながら、走行性能もまた今なお一級品で2.2リッターのクリーンディーゼルエンジンと8速スポーツモードATの組み合わせでパワフルな走りはもちろん、All Wheel Control思想に基づいた電子制御4WDシステムによる高い悪路走破性も実現。
空前のブームに沸く現代のアウトドアシーンにおける使い勝手という点においては、オデッセイよりもデリカD:5に軍配が上がるのではないだろうか。
また、2019年11月の一部改良では衝突被害軽減ブレーキシステム、車線逸脱警報システム、レーダークルーズコントロールシステム、オートマチックハイビームなどの予防安全技術に誤発進抑制機能(前進時)を追加。
助手席ドア・助手席側スライドドアと連動して自動で展開・収納するLEDステップ照明付きの電動サイドステップも新たに標準装備して乗降性を向上させるなど、無骨なイメージだけではない安全かつ快適なドライブまでサポートする進化を果たしている。
上記でピックアップした4モデルの他にもフルモデルチェンジを間近に控えているという噂でもちきりのトヨタ・アルファード&ヴェルファイア。
そのアルヴェルをライバル視する元祖高級ミニバンの日産・エルグランドにもフルモデルチェンジの噂があるなど、活況を呈しているミニバンシーンなだけに新生オデッセイを含めたニューモデルの登場にも注目あれ!
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みんなのコメント
数年後、残価率も低いだろうし買うだけ損する。
数年後の記事で、失敗したミニバンって書かれるのが目に浮かぶ。