その昔、アメ車といえばフワフワな乗り心地で大味なドライブフィールだった。それがアメ車の持ち味でもあったが、今時のアメ車はキャデラックのATSやCTシリーズなどはドイツ車のようにしっかりした走りで満、足感の高いモノとなっている。
ただし、アメ車だけに、ドイツ車に比べたらマイナー車。そのぶん多数派の車種よりも個性が発揮でき、さらにキャデラックはアメリカの高級ブランドだけあって国産プレミアムのレクサス以上の風格がある。そんな新世代キャデラックは中古車だと今、いくらほどで手にいれられるのか?
どっちがいいのか迷う!? ルノーのカングーを買うなら新型まで待ちか? それとも現行型が買いか?
気になる中古キャデラックのATS&CTシリーズを調査した。
文・写真/伊達軍曹
【画像ギャラリー】アメリカの高級車で個性を発揮!! キャデラックATS&CTシリーズはいくらで手に入る!?
■キャデラックは希少性というカッコよさがある!
高年式キャデラックの中古車は割安な価格ではないが、外観の豪華さはライバル以上といえる
今、キャデラックがアツい……ような気がする!
もちろんキャデラックといっても「THE アメリカン・セダン!」といった感じなユルユルの雰囲気であった昔のフリートウッド ブロアムやデビルではなく、BMWやメルセデスベンツあたり仮想敵として開発された「CTS」や「ATS」あたりの世代のことだ。
例えばキャデラックATSというのは先代F30型BMW 3シリーズとガチでぶつかる作りおよび雰囲気で、BMW 3シリーズのグレードでいうと「320i」に近い。
で、ATSの上の「ATS-V」というのは最高出力470psの3.6L V6ツインターボエンジンを搭載する超スポーツセダンで、こちらはBMWの先代M3セダンになんとなく近いポジションにあるクルマだ。
で、筆者の自宅界隈(東京の世田谷区と目黒区の境目ぐらい)でF30型のBMW 3シリーズを見かけても、あまりにも数が多くて「あぁ、そうですか」以外の感想はまったく抱かないものだが(特に白)、キャデラックATSを見かけた日には思わず「うおっ!」と、変な声が出てしまうだろう。
単純にカッコいいし、そこには「希少性」というカッコよさもあるからだ。
まぁさすがに白の320iではなくM3セダンを見かけた場合は、少しだけ「おっ?」と思うだろうが、キャデラック ATS-Vを見かけた場合の「うおおおおおおお!」という感動と比べてしまえば、言ってはなんだが次元が違う。
■マイナーゆえに安価だとしたら……レアで安いなんて超オイシイ!!
今回取材に協力していただいた「BUBUさいたま/シボレーさいたま南」 埼玉県さいたま市南区内谷1-7-1 Tel. 048-710-6226
そんなキャデラックの欧州車チックな高年式モデルは、欧州車愛好家にもよく売れているようだ。
『シボレーさいたま南』の国際認定シルバーセールス、大石祐蔵さんによれば、
「長らくアメリカ車を乗り継いでおられるお客様だけでなく、BMWやメルセデスなどからATSに乗り替えられるお客様も多いですね。クルマとしての出来が欧州勢に匹敵しているというだけでなく、その『ありがちではない』という点を大きな魅力に思っていただけているようです」とのこと。
さもありなんである。キャデラックATSやCTSのシブくてレアなたたずまいに「おっ?」と思ったのは、筆者だけではなかったのである。
とはいえキャデラックは、日本では比較的マイナーな存在だ。まあまあ売れてるとはいえ、中古車の流通量はBMWやメルセデスの同クラスと比べればはるかに少ない。
だが……マイナーであるがゆえに、中古車の相場は欧州勢よりも若干お安いのではないだろうか?
そして、それでいてオーラはBMWやメルセデスに匹敵するというか、希少性というアドバンテージを加えて考えれば「欧州勢以上!」とも言えるゆえ、これはもう注目するしかないのでは?
……などと考えながらキャデラックATSおよびCTSの中古車相場を調べ、それと欧州勢同クラスの相場とを比較してみることにした。
■キャデラック ATSの中古相場と欧州勢との比較
2018年式「キャデラック ATS プレミアム」 358万円/走行1.1万km/左H/AT/D車/パワーシート&シートヒーター/バックカメラ (BUBUさいたま/シボレーさいたま南)
まずはキャデラック ATSである。
キャデラック ATSは、日本では2012年11月に発売された全長4680mm×全幅1805mmのスポーツセダン。キャデラックならではのエッジが利いたフォルムが魅力で、日本仕様の搭載エンジンは最高出力276psの2L直4ターボ。
新車時価格は439万~499万円で、ちょうど先代BMW 3シリーズの320iとバッティングするニュアンスの一台だ。
で、そんなATSのハイパフォーマンス版が「キャデラック ATS-V」で、こちらは最高出力470psの3.6L V6ツインターボなので、メルセデスAMG C63やBMWの先代M3セダンに近いと言える。
で、それらの中古車相場は現在、下記のとおりとなっている。
期待したほど金額の差はなかった
あれ……? キャデラック ATS、あんまり安くはないな……ということでより詳しくチェックしてみると、状況はおおむね以下のとおりであった。
●先代320iとATSでは、そもそも中古車の流通量がまったく違う(320i=360台、ATS=23台)
●先代320iは数が多い分だけ過走行車も多く、それが相場の下限を大きく下げている。
●ATSに多い「走行3万km前後」の物件同士で比べると、上表ほどの価格差にはならない。
とはいえ先代320iは「流通数がやたらと多いゆえに平均価格が下がっている」という現象が起きているため、ほぼ同条件であってもキャデラックATSより若干安価であるケースが多い。
となると、キャデラックATSの中古車とは「値段の安さゆえに選ぶもの」ではなく、「その希少性やカタチ、走りにホレた人間が買うべきクルマ」ということになる。
そして、「同年式・同条件の先代BMW 320iよりもかなり高い」ということは決してないため、「ATSの存在感にホレたなら買いでしょ!」というのを、ひとまずの結論としたい。
2016年式「キャデラック ATS-V」 498万円/走行1.6万km/左H/AT/D車/バックカメラ (BUBUさいたま/シボレーさいたま南)
ちなみにハイパフォーマンス版であるATS-Vの中古車は、競合であるメルセデスAMG C63や先代BMW M3セダンの類似条件車より100万~200万円以上は安い場合が多いため、こちらに関しては「値段ゆえに選ぶ」という考え方もアリだ。
■キャデラック CTSの中古相場と欧州勢との比較
2020年式「キャデラック CT6 プラチナム」 838万円/走行0.3万km/左H/AT/D車/パノラマサンルーフ/アダプティブクルーズコントロール (BUBUさいたま/シボレーさいたま南)
お次はキャデラック CTSである。
2014年4月から2020年7月まで販売された直近のキャデラック CTSはEセグメント、つまりメルセデスベンツ Eクラスあたりと同格となるモデル。これまた欧州勢に引けを取らない作りとビジュアル、そしてオーラを有する一台だ。
本国には3.6L V6搭載車も存在したが、日本仕様の搭載エンジンは最高出力276psの2L直4直噴ターボ。新車時価格は599万~699万円だった。
そしてATS同様、CTSにもハイパフォーマンス版の「キャデラック CTS-V」が存在する。こちらは最高出力649psのスーパーチャージャー付き6.2L V8OHVで、0-60mph加速は実に3.7秒。新車時価格は1330万~1470万円で、こちらの仮想敵はBMW M5またはメルセデスAMG E63ということになるはずだ。
で、キャデラック CTSの中古車相場は、競合であるメルセデスベンツ E250と比べてどうなのか、見てみることにしよう。
ATS同様、こちらも明確な価格差はなかった。年式によってはベンツEクラスのほうが若干安い
……こちらCTSも、メルセデスベンツの類似クラスとの明確な価格差はないというか、先代のE250との比較では「ベンツEクラスのほうが若干安い場合もある」という調査結果になった。
これはATSの場合と同様、先代メルセデス・ベンツE250は流通量が多い分だけ粗悪な個体や過走行物件も多いことが、相場の下限を低くしているということだ。
しかし2016年途中からの現行型メルセデス・ベンツE220(の前期型)と比較しても有意な価格差はさほどなく、またハイパフォーマンス版であるキャデラック CTS-V(750万~960万円)と、メルセデスAMG E63(740万~940万円)の比較においても、それは同様であった。
つまり「マイナーだから中古車はけっこう安いんじゃないか?」というゲスの勘ぐりをしてしまったキャデラック CTSだが、その中古車相場は意外とというか、プライドをもって「キープ」されていたのだ。
となると、今回研究したキャデラックATSまたはCTSの中古車をあえて選ぶ意義は薄くなる……かというと、そんなこともない。
この2モデルの本質的な魅力とは、筆者がゲスの勘ぐり的に調査した「価格」にあるわけでなく、その硬派な走りとスタイリッシュな造形、そして、繰り返してきたとおりの「希少性」にある。
そして、「でも同クラスのベンツやビーエムよりずいぶん高いのです」というならさておき、ATSおよびCTSの相場は、欧州の競合たちと「だいたい同じぐらい」ではある。
であるならば、「猫も杓子も」といったフレーズが似つかわしい有名ドイツ車ではなく、ややレアなこのアメリカ車を選ぶのが、カーガイ的にはシブいのではないだろうか――と思う次第である。
なお、メンテナンスの面においても「アメ車=壊れる」などというのは過去の話であり、ATSやCTS、あるいはそれ以降の世代のキャデラックであれば「ごく普通」である。つまり、特に大きな不安はないということだ(輸入車なので、パーツ代とかは国産車よりずいぶん高いですが)。
さらに余談にはなるかもしれないが、キャデラックのなかではもっとも人気が高くてもっとも流通量が多い4代目のエスカレード(2015~2020年)は流通量豊富で、現在の中古車相場は500万~1380万円といったところ。
こちらも、メルセデス・ベンツGクラスなどの超メジャーSUVでは飽きたらなくなった人は、ぜひ注目してみるべき一台といえるだろう。
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そんなことを気にする輩は免許を返納すべき。