4つのボディタイプが用意される新型クラウン。今後の展開は?
2022年7月15日、トヨタ「クラウン」がフルモデルチェンジを果たし、16代目へと生まれ変わりました。
これまでのクラウンは、セダンを中心としたラインナップでしたが、新型クラウンでは「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」「エステート」の4つのボディタイプが用意されるなど、思い切った改革が行われました。
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発表直後は賛否両論が入り混じっていた新型クラウンですが、そのほかのボディタイプに先駆けて発売されたクロスオーバーは、2022年9月1日の発売からおよそ1か月で2万5000台の受注を得るなど、上々の滑り出しを見せています。
クロスオーバー以外の3つのボディタイプについては「2023年発売」であるということと、「開発目標値」としてのボディサイズが示されているのみで、具体的な発売時期やパワートレインの詳細、価格などについては明らかにされていません。
そこで今回は、現在判明している情報を元に、今後登場する新型クラウンの「スポーツ」「セダン」「エステート」についての予想をしてみたいと思います。
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「スポーツ」は欧州のハイパフォーマンスSUVがライバル?
スポーティなSUVルックが特徴の「スポーツ」は、全長4710mm×全幅1880mm×全高1560mm、そしてホイールベースは2770mmが開発目標値とされています。
トヨタは、クラウンスポーツに関して「エモーショナルな雰囲気とスポーティな走りを兼ね備えたミドルSUV」と説明しています。
ボディサイズとしては、全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mmのトヨタ「ハリアー」に近いものの、ハリアーよりもさらにワイド&ローなスタイリングや、フロントからリヤにかけてなだらかに下がっていくルーフライン、大きく張り出したリアフェンダーからスポーティなモデルという印象を受けます。
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また、ハリアーよりも全長が短いにもかかわらず、ホイールベースはハリアーよりも80mm長くなっています。ギリギリまで切り詰められたリアのオーバーハングは、SUVというよりも、スポーティなホットハッチに近いものとなっています。
このことから、モデルとしての性格はハリアーのような高級SUVではなく、よりスポーティ路線が強調されたものになると見られます。
そのためパワートレインには、クラウンクロスオーバーの「RS」に搭載される2.4Lガソリンターボエンジンにモーターを組み合わせた、スポーティなハイブリッドシステムが中心となる見込みです。
しかし、トヨタが2021年12月に開いたバッテリーEV戦略に関する説明会で公開した1台にクラウンスポーツらしき車両があることから、EVの可能性も残されています。
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日本の販売現場ではハリアーと競合する可能性も十分ありますが、トヨタとして期待しているのは、メルセデスAMG「GLA35」やポルシェ「マカン」、テスラ「モデルY」といった輸入車ブランドのコンパクトかつハイパフォーマンスなSUVと争うことかもしれません。
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法人ユーザーメインの「セダン」はFRか?
SUV化が話題の新型クラウンですが、セダンもラインナップされるのは既存ユーザーにとっては朗報と言えます。
トヨタもセダンについては「新たなフォーマル表現でショーファーニーズにも応える正統派セダン」と説明しており、官公庁や法人による需要を満たすものになると見られます。
開発目標値のボディサイズは、全長5030mm×全幅1890mm×全高1470mmとなっており、ホイールベースは新型クラウンシリーズの中で最も長い3000mmとなっています。
ボディサイズは燃料電池車「MIRAI」に近く、ファストバックのようなスタイリングや横一文字のリアコンビネーションランプなどもMIRAIと共通しています。
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この点から、セダンはMIRAIとともに次世代のショーファーカー的な立ち位置となる可能性が濃厚です。オーナー自身が運転することを想定したグレードも用意されると見られますが、「RS」のようなスポーティグレードは設定されない見込みです。
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ただ、ほかのボディタイプに比べて圧倒的に長いホイールベースやスタイリングから、セダンのみFRレイアウトが採用されるのではないかというウワサもあります。
ショーファーカーに求められる走行安定性や快適性を考えると、ロングホイールベース化することは必要不可欠であり、これまでの伝統と照らし合わせてもFR化はひとつの選択肢です。
セダンとほぼ同じボディサイズのFFセダンであるレクサス「ES」よりもホイールベースは130mm長くなっていますが、ESや「カムリ」との差別化を図るためにも、セダンにFRレイアウトが採用される可能性は十分にありそうです。
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「エステート」には3列シートが備わる?
往年のクラウンファンにとって「エステート」の名前はなつかしい響きに聞こえるかもしれません。かつては、クラウンのステーションワゴンに対して与えられたその名称ですが、新型クラウンでは大型のSUVモデルを「エステート」と称しています。
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エステートについてトヨタは「大人の雰囲気で余裕のある走りを持つ機能的なラージSUV」と紹介しているように、スポーティな印象が強いほかのボディタイプとはやや正確が異なるモデルとなりそうです。
ボディサイズは全長4930mm×全幅1880mm×全高1620mm、ホイールベースは2850mmを開発目標値としており、まもなく登場するレクサス「RX」と近似しています。
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トヨタが”機能的な”と述べるように、エステート最大の特徴は3列シートを備えた7人もしくは8人乗りのモデルになる点です。
3列シートを備えた高級車と言えば、トヨタでは「アルファード」が筆頭格となっていますが、グローバルではミニバンよりも3列シートSUVを求める声が強く、「エステート」はそうした需要に応えるモデルになることが期待されます。
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競合モデルとなるのはRXに加えて、日産「エクストレイル」やマツダ「CX-8」、三菱「アウトランダーPHEV」、さらには輸入車ブランドの3列シートSUVも含まれると考えられます。
また、2023年にも登場すると見られるマツダ「CX-80」は、ボディサイズや価格帯から見ても、直接の競合となる可能性が非常に高いと予想されます。
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各モデルの発売順は?
冒頭でも述べたように、現時点では「スポーツ」「セダン」「エステート」の具体的な発売時期について明らかにされていません。
ただ、ワールドプレミアの場をはじめ、多くの場で「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」「エステート」の順に紹介されていることから、発売日もこの順となる可能性が高いと考えられます。
実際、すでに発売されている「クロスオーバー」を除けば、エクステリアデザインの完成度が最も高いのは「スポーツ」であり、発売が目前に差し掛かっていることがうかがえます。
半導体をはじめとする部品不足の影響もあり、具体的な発売時期は流動的な部分も少なくないですが、次に発売されるのは「スポーツ」になると見てまず間違いないでしょう。
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文:ピーコックブルー
写真:トヨタ自動車
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