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「えっ、スポーツカーだけじゃないの!?」 前輪駆動がほとんどのいま 意表をついた「実は後輪駆動」な現行車3選

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「えっ、スポーツカーだけじゃないの!?」 前輪駆動がほとんどのいま 意表をついた「実は後輪駆動」な現行車3選

ボルボはリアドライブ推し!? 後輪駆動を採用する意外な現行車3台

 1980年代前半まで、クルマの駆動方式はFR(フロントエンジン・リアドライブ)が主流でした。しかし現在はほとんどの車種がFF(フロントエンジン・フロントドライブ)となっています。

【画像】「えっ!?」これが後輪駆動を採用するクルマです。画像で見る(35枚)

 後輪が駆動するクルマが少なくなった理由は、燃費効率とスペース効率、経済性をなにより重視する現代、クルマは後輪駆動である必要がないためです。

 FRの場合、動力伝達のために長いプロペラシャフトが必要になるためパワーロスが大きく燃費面で不利になります。また、プロペラシャフトや複雑なリアサスペンションが室内空間を圧迫するうえ、部品点数が増えることによるコストアップも問題です。

 そのため後輪駆動は、高級車やスポーツカーなど限られたクルマ向けの駆動方式となりつつあります。しかし現在でも意外な車種が後輪駆動を採用する例は少なくありません。

 最初に紹介する意外な後輪駆動車は、2023年11月に登場したボルボのコンパクトSUV「EX30」です。

 ボディサイズはボルボ最小となる全長4235mm×全幅1835mm×全高1550mmと、国産コンパクトカーと変わらない大きさであるのにも関わらず、EX30はなぜか後輪駆動を採用しています。

 EV(電気自動車)はエンジン車のようにプロペラシャフトなどがないため、後輪駆動でもパワーロスや重量増加などはありません。

 EX30が後輪駆動を採用する理由は、高性能モーターの大出力を受け止めるためと、ハンドリング特性の悪化を防ぐためと言えるでしょう。

 EX30に搭載されるリアモーターのスペックは最高出力272馬力/最大トルク343Nmとなっており、これは3.5リッターエンジン並の動力性能です。

 後輪駆動なら、加速時に車体後方が沈み込む特性を利用して前輪駆動よりも高いトラクション性能が得られ、ハンドルを切りながらアクセルペダルを踏み込んでも駆動力がハンドリング特性を悪化させることはありません。

 また、EX30ホイールベースはミドルクラス並の2650mmとすることで十分な直進安定性を確保しています。現在のボルボが後輪駆動を広く採用するのは、恐らくEVの特性を活かしきるためでしょう。

スポーツカー以外でも後輪駆動が採用される理由

 世界初の市販FCEV(燃料電池車)として登場した初代トヨタ「MIRAI」は前輪駆動でしたが、2020年に発売された2代目では後輪駆動へと変更されています。

 2代目MIRAIはボディサイズを全長4975mm×全幅1885mm×全高1470mmへと大型化。水素タンクの数を増やして航続距離を延ばすとともに、1台でショーファードリブンとしてもドライバーズカーとしてもこなせる車両特性と高級車らしい風格が与えられて登場しました。

 高級車で後輪駆動が多く採用されるのは、後輪荷重が増えることで車体後部の上下動が減少し良好な乗り心地が得やすいためです。大型のEVやFCEVであればリアモーター搭載によるスペース効率悪化などのデメリットは最小限に抑えられます。

 なにより、2代目MIRAIに後輪駆動が採用されたのは、初代からのキャラクター変更が大きな理由と言えるでしょう。

 複雑な機構のFCEVはどうしても高額になります。加えて、水素燃料電池の特徴である充電が不要な点はEVに勝る要素です。

 FCEVとしての特別感を演出するために高級車として変貌を遂げたのであれば、後輪駆動が2代目MIRAIには間違いなくベストな駆動方式です。

 意外な後輪駆動車の3台目はトヨタの1BOXライトバン「タウンエース」です。

 ボディサイズは全長4065mm×全幅1665mm×1930mmとコンパクトでありながら、タウンエースはエンジンを運転席下に搭載した後輪駆動車です。

 小型車は前輪駆動を採用するのが一般的ですが、商用車の場合はやや事情が異なります。前輪駆動車は荷室重量が増えるほど車体が後傾して前輪のタイヤグリップが減少するため、アクセルペダルを踏み込んだ際や、坂道などでフロントタイヤが空転しやすくなってしまいます。

 こういった問題を解消するために、重量物を搭載する商用車では後輪駆動が採用されるのが通例です。

 日産「NV200バネット」やルノー「カングー」など前輪駆動を採用する商用バンも存在しますが、後輪駆動を採用するタウンエースはそれだけ本格的な搬送車として機能することを意味します。

※ ※ ※

 駆動方式自体に優劣はなく、それぞれ適した用途があります。後輪駆動車が少なくなっているとはいえ、完全になくなることはないでしょう。

 とりわけEVは後輪駆動との親和性が高く、とくにモータードライブによる緻密な駆動制御は後輪駆動車のウィークポイントである滑りやすい路面での安定性確保に効果的です。現に、EVでは後輪駆動が多く採用されています。

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みんなのコメント

25件
  • のあ
    この記事は、どういう意図があるのかな?
  • お前はアホか
    タウンエースねえ。。。
    N-VANやキャディ等はともかく、キャリイやエブリイもハイゼットも、サンバー、ミニキャブ、アクティ。
    ボンゴのバン、ワゴン、トラック・・・ホーミーやファーゴ、ぜ〜んぶ後輪駆動だよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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