現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > パワーアップに勝るものなし? 性能向上が激しかった頃の高性能車3選

ここから本文です

パワーアップに勝るものなし? 性能向上が激しかった頃の高性能車3選

掲載 更新 14
パワーアップに勝るものなし? 性能向上が激しかった頃の高性能車3選

■DOHC+ターボの組み合わせでパワーアップを実現したクルマを振り返る

 1979年に日産「セドリック/グロリア」が、国産乗用車で初となるターボエンジンを搭載。1980年代になると一気にターボエンジンの普及が始まります。

トヨタ「86」が4ドアに! 5名余裕のセダンになって登場!

 また、1980年代はトヨタ以外のメーカーでもDOHCエンジンが復活し、次々と登場。さらにDOHCエンジンにターボチャージャーが装着されて、国産車の高性能化が加速しました。

 1970年代は排出ガス規制の強化から各メーカーともパワーダウンを余儀なくされましたが、その反動からパワーを要求する流れは自然なことだったといえます。

 そのため、メーカー間では排気量のクラス別にパワー競争が勃発。そこで、性能向上が激しかった頃の高性能モデルを、3車種ピックアップして紹介します。

●スズキ「アルトワークス」

 1979年に誕生したスズキ初代「アルト」の大ヒットによって、1980年代の軽自動車市場では「軽ボンネットバン」が主流となりました。

 また、大型、中型車から普及が始まったターボエンジンも1983年に三菱「ミニカ」に搭載され、軽自動車の高性能化が始まり、パワー競争へと発展。

 そのパワー競争に終止符を打ったのが、1987年に誕生した初代「アルトワークス」です。

 アルトワークスに搭載されたエンジンは軽自動車でトップとなる64馬力を発揮する550cc直列3気筒DOHCターボで、それ以降は馬力自主規制の上限値となり、現在に至ります。

 ボディはアルトの3ドアハッチバックをベースに、専用デザインの前後バンパーとエアロパーツが装着され、ボンネットにはエアスクープが設置されるなど、見た目にも高性能さをアピールしていました。

 バリエーションはFFの「RS-S」と「RS-X」、そして軽自動車初のビスカスカップリング式フルタイム4WDの「RS-R」をラインナップ。

 装備が簡素だったこともあり車重は2WD車が610kg、4WD車でも650kgと超軽量で、1リッタークラスのターボ車に匹敵する加速性能を発揮するなど、走り好きな若者を魅了しました。

 追って、ダイハツ「ミラ TR-XX」、三菱「ミニカ ダンガンZZ」が64馬力に到達し、以降はパワー以外の性能を競うようになりました。

●マツダ「ファミリア GT-X」

 1980年代後半のパワー競争が続くなか、各メーカーは市販車のポテンシャルの高さを証明するために、モータースポーツへの参戦を進めました。

 とくに欧州で高い人気を誇っていたラリーに参戦することはイメージアップに繋がり、ベース車の販売にも影響するとあって、各メーカーが名乗りを上げます。

 そして誕生したのが高性能なDOHCターボエンジン+フルタイム4WDのハイスペックモデルたちです。

 その先駆けとなったのが1985年に発売されたマツダ「ファミリア GT-X」で、国産車初となるフルタイム4WD車でした。

 6代目ファミリアに設定されたGT-Xは、最高出力140馬力を誇る1.6リッター直列4気筒DOHCターボエンジンと、プラネタリーギア方式のセンターデフを用いたフルタイム4WDシステムを搭載。

 ハイパワーなエンジンと4WDの組み合わせによって、動力性能は2WDの2リッターターボ車を凌駕するほどでした。

 また4WDシステムは、雪道などとくに滑りやすい路面では、室内にあるデフロックスイッチの操作によって前後輪の駆動力配分を固定し、高いトラクションが得られるというものです。

 さらに、圧搾エアによって2段階の車高調整が可能で、舗装路、悪路ともに優れた走行性能を実現。まさにラリーに特化した設計でした。

 ファミリア GT-Xは国内外のラリーでの活躍もありブランドイメージの向上にも貢献。後に他メーカーも同様な4WD車を発売して追従しました。

●日産「スカイライン2000ターボインタークーラーRS」

 誕生から2000年代初頭にかけて、歴代の日産「スカイライン」は常に性能的にはトップランナーに君臨し続けてきました。

 しかし、1970年代の排出ガス規制の強化から一旦は「牙を抜かれた」状態でしたが、1980年に2リッター直列6気筒SOHCエンジンにターボチャージャーを装着した「スカイライン2000GTターボ」が登場。

 最高出力145馬力(グロス)を発揮し、再び高性能なスカイラインが誕生しました。

 そして1981年に発売された6代目では2リッター直列4気筒4バルブDOHCで150馬力(グロス)を発揮する「FJ20E型」エンジンを搭載する「スカイライン2000RS」がデビューし、1973年に消滅した「GT-R」以来となるDOHCエンジンが復活を果たします。

 さらに1983年にはFJ20E型エンジンにターボチャージャーを装着し190馬力(グロス)まで出力を高めた「FJ20ET型」エンジンを搭載する「スカイライン2000ターボRS」が登場。「史上最強のスカイライン」のキャッチコピーがつけられました。

 その後も高性能化は止まらず、1984年にはインタークーラーが装着され、最高出力205馬力(グロス)に高められた「スカイライン2000ターボインタークーラーRS」を発売。リッターあたりの出力が100馬力を超え、2リッターエンジン車ではトップに君臨しました。

 この短期間でパワーアップを繰り返した一方でシャシ性能は大きく向上していたとはいえず、操縦性はジャジャ馬ぶりを発揮。そうした粗削りな部分も、大いに魅力的だったといえます。

※ ※ ※

 現在はDOHCターボエンジンが当たり前のように普及しているため、特別な印象はまったくありませんが、1980年代は「DOHCターボ」や「ツインカムターボ」という文字を見るだけでワクワク感がありました。

 今では当時を遥かに凌駕するほど出力向上は目覚ましく、シャシ性能も飛躍的にアップしているはずですが、1980年代の高性能車の魅力は色褪せていないでしょう。

文:くるまのニュース くるまのニュース編集部
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

右肩上がりのデリカD:5が改良新型でさらに魅力アップ!
右肩上がりのデリカD:5が改良新型でさらに魅力アップ!
グーネット
日産「セレナ」オーテックモデルもマイチェン! 収納性特化モデルをラインナップ追加
日産「セレナ」オーテックモデルもマイチェン! 収納性特化モデルをラインナップ追加
グーネット
最高出力1360ps!? メルセデスベンツ コンセプトAMG GT XXがモンスターマシンすぎる件
最高出力1360ps!? メルセデスベンツ コンセプトAMG GT XXがモンスターマシンすぎる件
ベストカーWeb
日野、北海道・東北・関東の直営販社5社を台湾の和泰汽車に売却
日野、北海道・東北・関東の直営販社5社を台湾の和泰汽車に売却
日刊自動車新聞
スズキ新型「コンパクトSUV」まもなく発売に反響殺到! 「“87万円オトク”なら購入検討したい」「内装が想像以上に豪華」「四駆だし雪道で強そう」の声も! 装備充実の「eビターラ」最高級モデルに注目!
スズキ新型「コンパクトSUV」まもなく発売に反響殺到! 「“87万円オトク”なら購入検討したい」「内装が想像以上に豪華」「四駆だし雪道で強そう」の声も! 装備充実の「eビターラ」最高級モデルに注目!
くるまのニュース
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストでオーバーテイクを促進する“P2Pシステム”を将来に向けた検討としてテスト
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストでオーバーテイクを促進する“P2Pシステム”を将来に向けた検討としてテスト
AUTOSPORT web
シンプルでカッコよく 快適な乗り心地を実現! ヤマハが開発した“電動アシスト自転車”「パスクレイグアリー」ってどんなモデル?
シンプルでカッコよく 快適な乗り心地を実現! ヤマハが開発した“電動アシスト自転車”「パスクレイグアリー」ってどんなモデル?
VAGUE
ロロ・ピアーナのオーバーコート──クラシックな定番アイテムから『GQ』が選ぶベスト・オブ・ベスト
ロロ・ピアーナのオーバーコート──クラシックな定番アイテムから『GQ』が選ぶベスト・オブ・ベスト
GQ JAPAN
やっぱスーパーカー世代のヒーローは「ミウラ」だよね! 半世紀以上前に登場した「黄色いランボ」がオークション登場 どこから見ても美しい“後期型”の価値とは
やっぱスーパーカー世代のヒーローは「ミウラ」だよね! 半世紀以上前に登場した「黄色いランボ」がオークション登場 どこから見ても美しい“後期型”の価値とは
VAGUE
大幅刷新の三菱「新型デリカD:5」正式発表! 斬新「4枚刃」グリルを「卒業」!? 精悍「黒マスク」で超カッコいい! 唯一無二の「SUVミニバン」どう変わったのか
大幅刷新の三菱「新型デリカD:5」正式発表! 斬新「4枚刃」グリルを「卒業」!? 精悍「黒マスク」で超カッコいい! 唯一無二の「SUVミニバン」どう変わったのか
くるまのニュース
驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
レスポンス
日産 パトロールはどれくらいランクルを意識しているのか!? 日本導入を前にズバリ聞いてみた!!
日産 パトロールはどれくらいランクルを意識しているのか!? 日本導入を前にズバリ聞いてみた!!
ベストカーWeb
ホンダ旧横型ミニ系「北米専用」モデル「SL70」フルレストア フレームをパウダーコーティングでオールペイント!!
ホンダ旧横型ミニ系「北米専用」モデル「SL70」フルレストア フレームをパウダーコーティングでオールペイント!!
バイクのニュース
トヨタの新スーパーカー「GR GT」はなぜ“カーボンモノコック”ではなく“アルミ骨格”を選んだのか? LFAの悔しさが生んだ“新生フラッグシップ”のねらいとは
トヨタの新スーパーカー「GR GT」はなぜ“カーボンモノコック”ではなく“アルミ骨格”を選んだのか? LFAの悔しさが生んだ“新生フラッグシップ”のねらいとは
VAGUE
NISMO渾身のコンセプトモデルにマイナーチェンジの「Z」や北米人気の「ROCK CREEK」のカスタマイズ車両など豪華絢爛! 日産の「東京オートサロン2026」の展示車両から目がはなせない
NISMO渾身のコンセプトモデルにマイナーチェンジの「Z」や北米人気の「ROCK CREEK」のカスタマイズ車両など豪華絢爛! 日産の「東京オートサロン2026」の展示車両から目がはなせない
WEB CARTOP
日産「セレナ」待望のマイナーチェンジ! 魅力アップの「ルキシオン」に注目
日産「セレナ」待望のマイナーチェンジ! 魅力アップの「ルキシオン」に注目
グーネット
日産『セレナ』改良新型、「LUXION」「ハイウェイスターV」が新グリルで表情一新…278万5200円から
日産『セレナ』改良新型、「LUXION」「ハイウェイスターV」が新グリルで表情一新…278万5200円から
レスポンス
老舗のヤナセがついに軽EVを売る! 「ヤナセEVスクエア」がBYDとディーラー契約し2026年夏横浜に店舗をオープン
老舗のヤナセがついに軽EVを売る! 「ヤナセEVスクエア」がBYDとディーラー契約し2026年夏横浜に店舗をオープン
THE EV TIMES

みんなのコメント

14件
  • 鉄火面、今みても惚れ惚れするくらい格好いいね。
  • 1981年にソアラが2.8Lで170psで出てきたとき、すごいなと思ったもんだが、それから10年とたたず280psまで到達したのだから80年代はパワーウオーズだったんだなとあらためて思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

159 . 3万円 189 . 1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

46 . 9万円 228 . 0万円

中古車を検索
マツダ ファミリアセダンの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

159 . 3万円 189 . 1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

46 . 9万円 228 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村