■覆面パトカーって何?その見分け方の鍵となる共通点とは
一般的なパトカーといえば、黒と白にカラーリングされたボディです。しかし、普通のクルマと変わらない見た目をした「覆面パトカー」が存在します。
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覆面パトカーとはどういったもので、どのような車種が採用されているのでしょうか。
街でよく見かける白黒カラーは「制服パトカー」と呼ばれており、おもに交通取締で使用されます。一方、覆面パトカーは、街を走るクルマと変わらない見た目をしているので、ひと目で警察車両と判断するのは難しいです。
覆面パトカーは、「交通取締用」「捜査用」「警察用」に分けられます。
交通取締用は、一般道や高速道路の交通違反を取り締まっており、クルマを運転するユーザーにとっても比較的身近な存在です。
捜査用は、刑事ドラマなどでよく見かける、一般車両を使った捜査をおこなうクルマです。ただ、日常的に見かける確率は少ないでしょう。
警察用は、政府関係者をはじめとするVIPを警護するために使用されます。
数ある覆面パトカーのなかでも、気になるのは交通取締用で使われる車両の見分け方です。ポイントは、使用される車種が特定されているという点です。
覆面パトカーとして使用できるクルマは、細かい選定基準をクリアする必要があり、ボディサイズやドアの数、ピラーの有無、排気量など、その規定はさまざまです。
この基準を満たす車種は自然と絞られるため、各自動車メーカーから特定の車種を採用しています。
おもに、国産セダンを導入しており、トヨタ「クラウン」や「マークX」、スバル「レガシィB4」といった車種が挙げられます。
なかでもクラウンは、規定基準に合ったモデルとして、多くの覆面パトカーに使用されています。
実際に、先代モデルの「クラウンアスリート」や「クラウン ロイヤル」といったモデルが導入されており、3リッター以上の排気量という条件を満たす「アスリートS」や「アスリートG」といったグレードを使用している可能性が高いです。
また、過去にクラウンに次いで覆面パトカーの導入数を誇っていたレガシィB4ですが、現在はその台数が大幅に減っているといわれています。
レガシィの場合、一般的にはセダンよりもツーリングワゴンのほうが人気があるため、4ドアセダンのボンネットにエアインテークを付けたターボモデルは少ないです。
また、覆面パトカーの場合はリアワイパーが装備されていないので、一般車と見分けやすいことが弱点とされていました。
マークXは、セダンのなかでも街で目にする機会の多い車種ですが、覆面パトカーとして使用されるのは、3.5リッターエンジンを搭載した「350シリーズ」が中心です。
一般ユーザーが乗るモデルは、売れ筋モデルの「250シリーズ」が多いため、ここが見分けるポイントになるでしょう。
■一般車とは異なる覆面パトカーならではの装備とは?
覆面パトカーは、一般のクルマと異なる特徴があります。まず、トランクルームやルーフの上にアンテナが設置されていることがあります。
これは普通のクルマでは見かけない装備ですが、パトカーに必ず設置されている無線の送受信アンテナです。ただし、近年のアンテナは小型化しているため、目立たない位置に設置されているケースもあります。
さらに、普通のクルマに付いているはずのエンブレムが装着されていません。たとえば、クラウンの「HYBRID」や「Royal Saloon」といったエンブレムがなく、「CROWN」のみになるため、少し違和感を覚えるでしょう。
バックミラーも、通常ならひとつのところ、覆面パトカーにはふたつ設置されています。乗車する2人の警官が、それぞれ後続車両の確認を取り、交通違反を見逃さないためです。これは比較的わかりやすく、信頼できる見分け方とされています。
もうひとつ、覆面パトカーを見分ける手段として、ナンバープレートがあります。
警察官は、自分の管轄する地域を取り締まるのが基本です。したがって、東京都の警察官が、神奈川県や埼玉県で交通違反の取締をおこなうことはありません。
たとえば、神奈川ナンバーのクラウンが都内を走っていた場合、覆面パトカーではないと判断できます。
ひと昔前は、「8ナンバー」と呼ばれる特殊なナンバーで、覆面パトカーを見抜く方法もありました。これは、消防車、救急車、ゴミ収集車など、特殊改造車に使用されている数字です。
しかし現代の覆面パトカーは、一般車両と同じように3ナンバーや5ナンバーとなるため、ナンバープレートの数字で見分けるのは難しいでしょう。
覆面パトカーの車内の様子はどのようになっているのでしょうか。覆面パトカーの取締を受けた都内の会社員男性は、次のように話します。
「首都高を走っているときにスピード違反をして、マークXの覆面パトカーに捕まりました。捕まってみてわかったことは、スーパーチャージャーを搭載しているので、普通のクルマに比べてかなりスピードが速いことです。実際に、警察官から『君のクルマ速いね。でも、ウチらのクルマなら追いつけるよ』といわれました。
捕まった後は、パトカーの後部座席に乗せられて、どれくらいスピードが出ていたのかを確認します。車内は、通常ならカーナビが付いている位置にいろいろなボタンがあり、受話器なども置いてあったり、外見は普通のクルマと変わらないのに、なかの作りが大きく違うことに気づきました。
天井には、パトランプが収納されているであろう四角いでっぱりもあります。運転席と助手席には、それぞれバックミラーが付いていたことも印象的です。あとは、普通のクルマよりスモークガラスが濃くなっているので、外からは側の状態がよく分かりません。
覆面パトカーと接触してわかったことは、車高の低いクルマを運転していると、横並びになったときに助手席から警察官の制服が見えるので、覆面だと判断できます。また、ミニバンなどの車高の高いクルマの場合は、上から見下ろすことができるので、覆面パトカーのルーフにあるパトランプのでっぱりが確認できると思います」
※ ※ ※
ストレートが続く道など、事故が起きやすい道路条件になると、覆面パトカーの出現率も高くなります。
バックミラーがふたつ装備されているクラウンなど、普段のクルマと少し違うセダンを見かけたときは、より安全運転を心がけるべきサインになりますが、日ごろから事故が起こりやすい道路では交通ルールを守る意識を高めることが大切だといえます。
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