この記事をまとめると
■カーデザイナーの仕事を紹介
ホンダ車らしからぬデザインだと賛否両論! 話題の新型SUV「ZR-V」のルックスに隠された狙い
■クルマのデザインはまず「コンセプト」を決めてから進めていくことが多い
■素材調達などもデザイン側の仕事で、それ故にエンジニア側と一悶着あることも
クルマのデザインってそもそもどうやって決まる?
クルマのデザイナーの仕事といえば、新型車のスケッチをササッと描くだけ、なんてイメージがありますが、もちろんそんな単純な話ではありません。では、クルマのデザインが決定するまでにはどんな過程があるのか? あらためて整理してみましょう。
●まず必要なのはカタチのための指針と素材
クルマに限らず、一般的にデザインを行う上でまず必要となるのはコンセプトの設定です。これがないと進むべき方向性が定まりませんし、チーム内の意志共有もできません。クルマの場合はまず商品全体の「グランドコンセプト」があるのですが、それとは別に「デザインコンセプト」が設定されることがあります。
たとえば、ホンダ「ステップワゴン」のグランドコンセプトは「素敵な暮らし」で、デザインもこれに沿って開発されています。一方、三菱の「アウトランダー」ではグランドコンセプトが「威風堂々」で、それとは別に「ロバスト&インジニアス」というデザインコンセプトが設定されています。
●スケッチは複数拠点でのコンペ形式もあり
次に行うのが「リサーチ」です。ターゲットとするユーザーはどんな生活をしてどんな嗜好を持っているかなど、カタチにするための材料を揃える過程です。ホンダの「シビック」では、市場となる各国の若者を対象にクルマの好みがリサーチされました。
材料が揃ったところでスケッチが始まります。本社デザイン部のほか、海外のスタジオや、稀に社外の工房などに依頼されることもあり、その場合はコンペとなります。スケッチは通常3案程度に絞られて比較検討されますが、その中の1案が採用されることもあれば、複数案の「いいとこ取り」をするケースも。ちなみに、スズキ「アルト」では欧州スタジオ作のスケッチがウイナーになりました。
面白いのは、初期に描かれた1枚のスケッチが一発採用され、比較検討することなくそのまま開発が進む場合もあるし、コンペでも決定に至らず、もう一度やり直しということもあります。たとえばスズキ「ハスラー」はキープコンセプトの初期案が行き詰まり、「仕切り直し」をしてSUV色の強い案が生まれました。
デザイナーとエンジニアで衝突も日常茶飯事
●ミリ単位の造形はモデラーが活躍
スケッチが固まるとモデリングが行われます。スケッチがエクステリアデザイナーの仕事であるのに対し、モデリングはモデラーと呼ばれるデザイナーが担当します。多くの場合、まずスケッチから3Dのモデリングを起こし、最終的にはクレイと呼ばれる工業用粘土で実物大のモデルを制作します。
じつは、エクステリアデザイナーもこのモデリングに立ち会うことが少なくありません。スケッチや3Dデータではわからなかったミリ単位の微妙な面の動きなど、モデラーと協力しながら詰めて行く必要があるからです。完成したモデルはデザインの審査会を通して決定されます。
●意外に知られていないCMFデザイナー
さて、エクステリアと同時に進行するのがインテリアとボディカラーの開発です。これを担当するのがいわゆるCMFデザイナーで、C=カラー、M=マテリアル(素材)、F=フィニッシュ(表面の仕上げ)を意味します。
エクステリアとはチームが違うので、コンセプトも別に設けられることが多く、リサーチもまた別々に行われます。たとえばホンダの「ヴェゼル」ではターゲット層を映す色を調査し、トレンチコートのアースカラーから独自のカーキをボディ色として提案しました。
インテリアで使われる金属や木材、革や布などの素材研究もCMFデザイナーの役割です。既存の材料はもとより、新しい素材は織物や塗料メーカーなどと共同で開発を行ったり、新しい木目調パネルについて印刷メーカーと研究を進めることもあります。
こうして見ると、デザインが決定されるまでには長い過程があり、相応の苦労があることがわかります。もちろん、エクステリアにしろインテリアにしろ、中身の機構部分の条件に沿うことが前提ですから、エンジニアとの調整も日常茶飯事で、希に衝突もあると聞きます。
その上で自分が信じる美しさや新しさを実現させるわけですから、並大抵の覚悟ではできない仕事と言えそうです。
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