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青春時代に還りたい! アラフィフが語る「安くて速いテンロクスポーツをもう一度」

掲載 更新 32
青春時代に還りたい! アラフィフが語る「安くて速いテンロクスポーツをもう一度」

搭載するエンジンによって収める税金が決まる自動車税。乗用車の場合、1.5L以下は年額3万4500円。1.5L超~2L以下は3万9500円となっている。

GRヤリスのように走りに磨きを掛けたホットハッチには1.6Lエンジンが搭載されているが、わずか100cc大きいだけで、2Lエンジンと同じ3万9500円の自動車税が課税されるのだ。

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しかし、1.5Lエンジンと“テンロク”と呼ばれる1.6Lエンジンではこの5000円の自動車税よりも大きな違いがあるのだ。かつて人気のあったグループAカテゴリーレースの最も小さな排気量の「3クラス」は搭載するエンジン排気量は1.6L以下というレギュレーションだった。

そのほか耐久レースやラリーなども1600ccがクラスの最大排気量という区分けになっているのだ。この結果、“テンロク”と呼ばれた1.6Lエンジンは、レースに勝つために開発されたスペシャルエンジンという色合いが強いのだ。

そこで、今回は1980年代後半から90年代前半に若者が熱狂したテンロクスポーツカーの中古車相場の現在を追った。

文/萩原文博、写真/トヨタホンダ三菱

【画像ギャラリー】テンロクエンジン搭載のホットハッチといえばコレ!

■1980年代~1990年代のあの頃が懐かしい!

AE86型カローラレビンスプリンタートレノに搭載された、トヨタの4A-GEU型エンジン(4気筒DOHC、1,587cc)。最高出力130ps/6600rpm、最大トルク15.2kgm/5200rpmの高性能を誇った

昭和63年12月に免許証を取得し、元号が昭和から平成に変わった日に晴海で開催されている「東京オートサロン」を見に行っていた筆者は、この“テンロク”が盛り上がっていたど真ん中の世代だ。

日産スカイラインGT-Rが16年振りに復活する国産車のヴィンテージイヤーである1989年前夜のチューニング雑誌では、必ずトヨタの4A-GとホンダのZCという“テンロク”バトルが繰り広げられていた。

20歳そこそこの筆者も初の愛車であるワンダーシビック(残念ながら25i)を駆り、夜な夜な走り回る走り屋気取りの小僧だった。

自分の愛車が1.5L、直4SOHCエンジンを搭載したモデルだったからこそ、“テンロク”エンジンを搭載したカローラレビン/スプリンタートレノ、シビックSiは憧れであったし、アフターパーツの充実度が違っていた。

こういう点においても“テンロク”エンジンはレース仕様として開発された高いポテンシャルに加えて、チューニングの幅が広く自分の好みに仕上げられる楽しさがあったのだ。

■3代目ワンダーシビックSi(1984年10月追加)

シビックSi 3ドアハッチバック。シビックは1983年9月に3代目にフルモデルチェンジ。約1年後の10月に新設計DOHC・16バルブエンジン搭載車として「Si」を追加した

3代目ワンダーシビックSiの中古車情報はこちら!(リンク先)

■初代バラードスポーツCR-X Si(1984年10月追加)

シビックSiと同じタイミングに同じエンジンを搭載する「バラードスポーツCR-X Si」が追加された

初代バラードスポーツCR-X Siの中古車情報はこちら!(リンク先)

アラフィフとなった筆者が“テンロク”エンジンとしてまず取り上げたいのは、1984年10月に3代目、通称ワンダーシビックとバラードスポーツCR-XにZC型1.6L、直4DOHCエンジンだ。

ホンダとしては14年ぶりに復活したDOHCエンジンで、F1レースで培ったホンダ独自のエンジン技術を基に開発された。この1.6Lエンジンは、当時市販乗用車で世界初の4バルブ内側支点スイングアーム方式のシリンダーヘッドを採用。

これにより吸排気効率を大幅に向上させ高回転・高出力化を実現。最高出力135ps/6500rpm、最大トルク15.5kgm/5000rpmを発揮。

当時F1レースで培かったホンダ独自のエンジン技術を基に開発し た小型高性能DOHC・16バルブ(1590cc)のZC型エンジン

また、世界初の異形中空カムシャフトや小型軽量アルミシリンダーブロックを採用するなどの軽量化。さらに燃焼効率に優れたペントルーフ型燃焼室やセンタープラグ方式に加えて、吸排気の脈動効果にすぐれた等長インテークマニフォールド、4-2-1-2のエキゾーストシステムを採用していた。

また、エンジンオイルの温度上昇を抑え、ハードな走行でのエンジンの信頼性を向上させる水冷多板式オイルクーラーを装備するなどこだわりの仕様となっている。

このZC型エンジンを搭載しているワンダーシビックSiの中古車はわずか1台しか流通しておらず、走行距離がなんと40万km超ながら価格は約218万円となっている。

一方、バラードスポーツCR-X Siの中古車も1台だけ流通しており、車両本体価格は約128万円となっている。もう手が届かない存在となってしまっている。やはりサーキットを疾走し、勝利を重ねたシビックのほうが人気となっている。

■2代目CR-X SiR(1989年9月追加)

1987年9月にフルモデルチェンジして2代目となったCR-Xは、1.5Lの「1.5X」と1.6Lの「Si」を設定したが、1989年9月にVTECエンジンを搭載した「SiR」を追加

2代目CR-X SiRの中古車情報はこちら!(リンク先)

■4代目シビックSiR-II(1989年9月追加)

2代目CR-Xと同時に4代目となったシビック3ドアに1.6Lの「Si」を設定。CR-X「SiR」と同じタイミングで「SiR-II」を追加設定している

4代目シビックSiR-IIの中古車情報はこちら!(リンク先)

続いて紹介するのは、ZCエンジンから“テンロク”の称号を受け継いだホンダB16A型1.6L、直4DOHC VTECエンジンだ。

1989年4月に登場した「カッコインテグラ」というキャッチフレーズでお馴じみのインテグラに搭載され、1989年9月に4代目、通称グランドシビック(SiR、SiRII)とCR-X(SiR)に搭載された。

B16A型1.6L、直4DOHC VTECエンジンは、自然吸気エンジンながらリッターあたり100馬力のハイパワーと力強い低・中速性能を両立させ、最高出力160ps/7600rpm、最大トルク15.5kgm/7000rpmを発生した。

このエンジンを開発するにあたって、ホンダはエンジン性能に影響を与えるバルブタイミング(開閉時期)とバルブリフト量(開く高さ)に着目。

実用エンジンのバルブタイミング・リフトとレース用エンジンに迫るバルブタイミング・リフトを併せ持ち、運転条件に応じて、自動的に切り替える世界初の可変バルブタイミング・リフト機構を開発し、このB16A型エンジンに搭載したのだ。

驚異のリッター100psを達成した全面新設計のB16A型テンロクエンジン

このエンジンは、通常のDOHCエンジンに対し、吸・排気側それぞれにもう1つのカムとロッカーアームを備えていることが大きな特徴。吸気側3個、排気側3個のカム駒にそれぞれ異なるプロフィールを持たせ、中央を高速用カム、両脇を低速用カムとして設定。

この2種類のカムは、エンジン回転速度・エンジン負荷・車速などをECU(エレクトロニック ・コントロール・ユニット)でセンシングし、刻々の運転状況に応じて油圧ピストンを作動。瞬時 に高速時と低速時、それぞれに最適なバルブタイミングとリフト量を切り換える。

これにより、過給機付エンジンにはない自然吸気ならではのシャープなレスポンスを発揮させながら、最高出力160馬力の 驚異的なハイパワーを達成。同時に低・中速域でのトルク特性も妥協することなくレッドゾーンの8000回転まで一気に吹け上がっていく高速性能との両立を実現した。

B16A型エンジンを搭載したCR-X SiRの中古車は約6台流通していて、価格帯は約169万~約350万円と高騰している。

一方のシビックSiR IIはわずか3台しか流通しておらず、価格帯は約219万~約288万円と200万円以下の中古車は存在していない。DOHC VTECエンジンを搭載したシビック/CR-Xももはや絶滅危惧種となっている。

■初代シビック タイプR

ホンダのレーシングスピリットを継承するモデルとしてNSX、インテグラに続き「タイプR」をシビックに投入した

初代シビック タイプRの中古車情報はこちら!(リンク先)

そして、ホンダの“テンロク”エンジンの集大成と言えるのが、1997年8月に登場したシビック タイプRに搭載されている、B16B 98spec.Rと呼ばれる1.6L、直4DOHC VTECエンジンだ。

長年モータースポーツに挑み続け、エンジンチューニングを手がけてきたホンダならではの高出力技術を採用し、自然吸気エンジンで世界最高峰のリッター当たり116psを達成。

カムシャフトをはじめ、ピストン、クランクシャフト、コネクティングロッドなど様々な部分に高出力・高回転化技術を投入し、10.8という高圧縮比を実現。

タイプR専用に開発された、1.6L DOHC VTECエンジン。高出力と高回転域の痛快な伸び、加速の良さを実現した

そして最高出力185ps/8200rpm、最大トルク16.3kgm/7500rpmという高出力を発揮。主に高回転域のトルクを厚くすることにより、アクセル操作に追従した爽快な伸びを実現している。またピストンなどのフリクションを低減させることにより、レスポンスに優れた加速フィールを獲得している。

現在、1997年~2001年まで販売された初代シビック タイプRの中古車は約51台流通していて、平均価格は約272万円と新車時価格を上回っている。

中古車の価格帯は約150万~約798万円で、最高値の中古車は稀少なイエローのボディカラーで、最終型のタイプR X。このほかにも300万円以上の中古車が約20台も流通している。チューニングカーもあるが、ノーマルもしくはノーマルに近いコンディションの中古車が高値となっている。

カローラFX

1984年10月、カローラシリーズにFFホットハッチとして誕生した、カローラFX

カローラFXの中古車情報はこちら!(リンク先)

ZC、B16A、B16Bとホンダの“テンロク”エンジンを3機紹介してきたので、続いてはこのホンダのライバルとして君臨したトヨタの4A-Gエンジンを紹介する。4A-G型1.6L、直4DOHCエンジンはZCよりも早い、1983年5月に登場したAE86カローラレビン/スプリンタートレノに搭載された。

言うまでもなくAE86はFR車で、1987年に行ったフルモデルチェンジで登場したAE92型からはFFモデルとなる。また、1984年に登場した2BOX車のカローラFXの最上級グレードGTにも、4A-Gエンジンは搭載されている。

デビュー当初、最高出力130ps/6600rpm、最大トルク15.2kgm/5200rpmだったが、AE92ではスーパーチャージャーを装着し、最高出力145ps、最大トルク19.0kgmにパワーアップ。

そしてAE101では20バルブ化、ハイオク仕様などにより最高出力160psに向上。最終的には最高出力165psまで出力が向上した。

4A-Gエンジンの魅力はアフターパーツも充実しているが、進化したエンジンのパーツも流用出来ることにある。それがAE86カローラレビン/スプリンタートレノが現在でも色あせない魅力を放つ一因となっている。

少々話がそれてしまったが、シビックに対抗して投入されたホットハッチのカローラFX。

1984年~1987年まで販売された初代そして、1987年~1992年まで販売された2代目モデルの中古車は流通しておらず、1992年~1995年まで販売された3代目モデルのGTがわずか2台流通しているのみ。価格は約108万円で、シビックと比較すると割安な相場となっている。

流通している中古車のうち、1台はフェンダーミラーという超レアなクルマだ。

■3代目三菱 ミラージュサイボーグ

1987年に登場した1.6L DOHC4バルブターボエンジンを搭載したホットハッチが、ミラージュサイボーグだ

3代目三菱 ミラージュサイボーグの中古車情報はこちら!(リンク先)

最後は1987年10月~1991年9月に販売された3代目三菱ミラージュ。ホンダが自然吸気、トヨタが過給器のスーパーチャージャーを採用。このミラージュのスポーティモデルのサイボーグには4G61型1.6L直列4気筒DOHCエンジンにはインタークーラー付ターボを装着し、最高出力145psを発生していた。

1989年のマイナーチェンジで最高出力は160psまで高められ、テンロクの最高出力バトルは激化した。

残念ながら、3代目ミラージュの中古車はわずか1台しか流通しておらず、しかもターボ車ではなく、自然吸気車のサイボーグだ。

それでも車両本体価格は約220万円とかなりの高値となっている。現行型のスイフトスポーツより高額だ。若い時に胸躍らせた“テンロクスポーツ”も、もう昭和の時代同様に遠い存在となってしまった。

【画像ギャラリー】テンロクエンジン搭載のホットハッチといえばコレ!

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