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三菱ミラージュ生産終了 三菱黄金時代を支えた功労者 44年の歴史を振り返る

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三菱ミラージュ生産終了 三菱黄金時代を支えた功労者 44年の歴史を振り返る

ミラージュ生産終了

三菱はコンパクトカー「ミラージュ」の生産終了を発表した。同社ウェブサイトでは、「ミラージュは生産終了のため、ボディカラーやオプションなどがお客様のご希望に添えない場合がございます」と案内されている。

【画像】ありがとうミラージュ【歴代ミラージュをじっくり見る】 全40枚

ミラージュは第1次オイルショック後の1978年、新販売チャンネル「カープラザ」の専売車種として正式に発売された。

5代目で1度姿を消すも、2012年に世界戦略車としてその名が復活(日本仕様車の発売)。

6代目は10年にわたり販売されていたが、今回再び日本でその歴史が途切れることになる。

今回は6代目までの歴代「ミラージュ」を紹介する。

初代 三菱初のFFモデル

初代ミラージュは第1次オイルショック後の省資源、省燃費の世界情勢を受け、三菱独自のスタイリング、技術を織り込んだワールドミニマムカーとして開発された。

1977年10月の東京モーターショーにあわせ車名を発表。「ミラージュ」とは「神秘/ロマンチック/蜃気楼」を表すフランス語。

1978年3月、新販売チャンネル「カープラザ」の専売車種として正式に発売された。海外では「コルト」の名称で販売された。

ボディデザインは安定感のある台形を基本とし、空気抵抗を抑えるスラントノーズ、ボディの凹凸を抑えたフラッシュサーフェイスを採用。

ドアはジャンボドアとし、ピラーを細くガラス面積を極力大きくとり、明るい快適な室内に。

三菱初のFF車「ミラージュ」は、FR用エンジンを横置きに配置するために第3軸を設けて逆転ギアを入れる必要があった。

これを副変速機として使用することで、パワー/エコノミーレンジの切替可能な、高性能と低燃費を実現した「スーパーシフト」(2×4段)が誕生した。

サスペンションは新開発U字型リアサスペンションを採用した四輪独立懸架を採用。

1978年には4ドアハッチバック車を、1979年には1.6L車や3速フルオートマチック車を追加。

さらに1982年には、車名を「ミラージュII」として4ドアサルーンを追加するとともに、1.4Lターボエンジンや低負荷時に2気筒の吸排気バルブを閉じて休止させるオリオンMD(Modulated Displacement)エンジンを追加。MDエンジンは10モード燃費20km/Lの性能を誇った。

2代目 タマゴのカタチから発想

「東京ディズニーランド」が開園した1983年10月にフルモデルチェンジした2代目は、「元気なカジュアルビークル」を基本テーマに、初代ミラージュの先進的デザインをさらに発展させたユニークで洗練たれたスタイル、高性能・低燃費エンジンのワイドバリエーション化、魅力ある新機構、新装備を備えた快適で楽しいコンパクトカーを開発の狙いとした。

ボディタイプは3ドアハッチバック、5ドアハッチバック、4ドアセダンの3タイプを揃え、ユーザーの好みやニーズに幅広く対応した。

タマゴのカタチから発想された角がなく滑らかなフォルムとなることで、より個性的かつ空力特性、大きなガラスエリアによる良好な視界など実用性を向上させた。

エンジンは、高性能な1.6Lターボや、1.8Lディーゼル、またパワーを必要とする時は4気筒、必要としない時は2気筒に自動的に変わる1.5L MDエンジンなど、豊富なエンジンバリエーションで走りと省燃費を追求。

液晶式電子メーターやこのクラス初の周波数デジタル表示電子同調AM/FMラジオ、快適な温度をコンピュータが自動的に保つクラス初のオートヒーターなどの先進装備を採用した。

1986年に登場した「ミラージュNOW」の3ドアには、F・Aポルシェ氏(ポルシェデザイン社社長)が特別にカスタムデザインしたステアリングホイールとアルミホイールを採用し、大きな話題となった。

3代目 個性明確な4タイプ

1987年10月に登場した3代目は、3ドアハッチバックのみがリリースされ、女性を意識した「ファビオ」をはじめ「スイフト」、「サイボーグ」「ザイビクス」という個性明確な4タイプのバリエーションを設定。

145psのハイパワーを誇った1.6L DOHCターボの「サイボーグ」や、リアサイドウインドウをパネル化した2シーターの「ザイビクス」は、異色の存在だった。

オープンエア感覚のスーパートップ、文字の色などが昼と夜で変化するカメレオン機構メーターなどの装備に加え、スタビライザー特性とショックアブソーバ減衰力特性を同時に切り換えられるデュアルモードサスペンションやダブルアクションリアシート、チルト&テレスコハンドル、リヤチェックバックアップランプ、アップヒルキーパーなど、機能的で使いやすい装備も多数採用された。

翌年の1988年1月には「シャレた大人のハイクォリティセダン」として4ドアセダンもフルモデルチェンジされ、こちらにも「ヴィー」、「ファビオ」、「サイボーグ」というネームが与えられた。

ホイールベースを70mm延長、全高を25mmアップし、セダンとして居住空間を拡大。新たにディーゼル車やVCU(ビスカスカップリング)付センターデフ方式フルタイム4WDを追加した。

4代目 新世代のベーシックカー

1991年10月、柔らかな3次元曲面を採用した新感覚のスタイリングにフルモデルチェンジ。

「新時代のベーシックカー」を開発テーマに、エンジン、サスペンション、ボディなどの主要コンポーネントを一新。

「走りの良い小粋なタウンスポーティ」を狙った3ドアタイプ、「スタイリッシュな6ライトのエレガントサルーン」をめざした4ドアタイプ、それぞれに個性的なエクステリアを実現。

高密度のパッケージングにより居住性を大幅に向上させるとともに、量産で世界最小のV6 1.6Lや、超低燃費の1.5L MVV、1.5L DOHC、1.6L DOHC、1.8Lディーゼルターボなど多種のエンジンが設定された。

サスペンションはリアに新開発マルチリンクを採用。アクティブセーフティとして、アクセルを踏み過ぎてもクルマがコーナーからはみ出すことを防止するTCL(トラクションコントロールシステム)を装備、またABSを全車にオプションとして採用した。

1993年5月には、スポーティな新しい2ドアクーペ「ミラージュ・アスティ」を発売。

エアコン、パワーステアリング、パワーウインドウ、センタードアロック、キーレスエントリーなど充実した装備を採用しながら求め易い価格を実現。エンジンは1.3Lと1.5L DOHCを搭載した。

5代目 ランサーと兄弟に

5代目となるミラージュは、ランサーとともに次世代のベーシックカーとして、3ドアハッチバック、4ドアセダンともに1995年にフルモデルチェンジ。

4ドアセダンは実質的にランサーと同一のモデルとなったが、ランサーにはない3ドアハッチバックは先代よりも全長を80mm短縮し、いっそうコンパクトになった。

新開発の1.5L DOHCエンジンは、低~中速のトルクアップと低燃費化を実現。

4ドアに搭載の1.5L MVVエンジンは空燃比の希薄限界制御を採用し、いっそうの低燃費化を推進した。

V6ガソリンエンジンは1.6Lから1.8Lに排気量をアップし、新世代の小さな高級車に相応しい上質でゆとりある走りを提供。

また、FTOで好評を博していたINVECS-IIスポーツモード4ATを採用し、イージードライブと走る楽しさを実現させた。

安全性能は、パッシブ・アクティブの両面で向上。全方位対応の衝突安全ボディ、運転席・助手席SRSエアバッグシステムに加え、ABS、ハイマウントストップランプを装備。

挟み込みを防止するセーフティ機構付きパワーウインドウも採用。

5代目ミラージュは2000年に生産終了したが、その名は1999年に発売されたトールワゴン「ミラージュ・ディンゴ」に引き継がれた。

なお、ミラージュ・ディンゴは新開発プラットフォームを採用。5代目ミラージュ生産終了後も2002年9月まで生産された。

6代目 三菱の世界戦略車

6代目ミラージュは「三菱の世界戦略車」として日本では12年ぶりに復活。

Cセグメントサイズの先代モデルよりさらにコンパクトになった。当時、日本ではクルマのサイズがモデルチェンジごとに大きくなるのが一般的だったが、6代目ミラージュでは全幅は他のコンパクトカーより3cmほど小さく設計されるなど、扱いやすいサイズを好むユーザーの取り込みを狙った。

生産は日本を含む全世界向け仕様がタイの現地法人でおこなわれ、採用するパーツついても徹底的にコスト削減がおこなわれた。その結果、扱いやすいサイズに加え低価格を実現。

日本仕様は、軽量&高剛性ボディに1.0L/1.2L 3気筒DOHCエンジンを搭載。トランスミッションは「INVECS-III」を搭載する。

また、アイドリングストップ搭載車は27.2km/L、非搭載車でも23.2km/Lの優れた低燃費を実現した。

日本では2015年にマイナーチェンジを受け、1.0Lモデルが廃止され、1.2Lモデル2グレードに。

2020年4月には日本仕様が2度目のマイナーチェンジを受け、外観はタイ仕様同様、フロントフェイスに「ダイナミックシールド」が採用された。

内外装の小変更や特別仕様車の追加などをおこないながら長きにわたり販売された6代目。2022年は日産のコンパクトカー「マーチ」が生産終了となり話題となったが、それにつづき「ミラージュ」も日本仕様が生産終了となる。

日本国内で再び「ミラージュ」が蘇る日は来るのだろうか。

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