はじめに
初代レクサスNXは、2014年に登場した。そしてわれわれは、おおむねポジティブな意味で、その見た目に大きなショックを受けた。テレビCMは、緊張性頭痛を生みそうなカクカクした街を走る映像で、折り紙のように直線的な顔のキツネまで現れ、NXのエッジが効いたデザインを表現した。
これだけの角を散りばめたなら、丸めたアルミフォイルのようになりそうだと思ったものだ。そうでなかったのはたいしたものものだが、その考えが完全に払拭できたわけではない程度にはギザギザしていた。
新型でも同様のデザイン手法を採ったことから考えて、レクサスは初代NXの、カミソリのようにシャープなルックスが気に入っていたようだが、そうなるには相応の理由がある。このミッドサイズSUVはブランドのベストセラーとなり、欧州では比較的薄かったレクサスの存在感を強めるのに貢献した。おそらくはもっとも競争の激しいセグメントで、それなりのシェアを手に入れることができたのである。
今回テストする2代目NXは、シェア倍増を目論んでいる。それはすなわち、アウディQ5やメルセデス・ベンツGLC、BMW X3、そしてレンジローバー・イヴォークといった、強力なライバルたちの購買層を取り込もうと狙っていることも意味する。
そのゴールを目指すための変化は、小さいけれど意味があるものだ。外観は先代のファインチューンといった程度だが、その中身の変化は幅広い。市場によってはエンジン単体モデルも用意されるが、ラインナップの主体はハイブリッドとなり、もっともパワフルな最上位グレードのNX450h+は初設定のプラグインハイブリッドだ。
プラットフォームは全面刷新。レクサス・インターフェイスと呼ばれる最新バージョンのインフォテインメントシステムは、先代における最大の弱点を是正するに違いない。
もし、そうした改良で乗り心地や経済性を改善しながら、高級感や個性が損なわれていないなら、新型NXは引き続き、この人気セグメントでのレクサスの上り調子を支えていくことになるだろう。はたして、その実力やいかに。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
NXは、トヨタ九州の宮田工場で生産される。プラットフォームはトヨタのRAV4やハイランダーと同じTNGA−Kで、先代に対して全長と全幅は20mm程度、ホイールベースは30mm拡大された。トレッドの拡大幅はそれ以上で、フロントは35mm、リアは55mmほど。ただし、サスペンション形式は同じで、フロントはマクファーソンストラット、リアはダブルウィッシュボーンだ。
モノコックは並外れて剛性が高い、とレクサスは説明する。重要度の高いロッカーアウター補強パネルは、世界初採用という1180MPaハイテン鋼のテーラードブランク材で、ルーフ補強には1470MPa冷間圧延鋼板を用いた。また、ハッチバック開口部は高剛性発泡材を配置し、ヤマハが開発した車体制振ダンパーを前後に装着。ボンネットには、レクサス初のツインロック構造も導入し、剛性向上と振動抑制を図っている。
Fスポーツ仕様には、スタビリティ向上のためにさらなる手段が講じられている。最新版のアダプティブバリアブルサスペンション(AVS)はアクチュエーターにリニアソレノイドを使用し、減衰力調整に磨きがかけられた。
テスト車は標準サスペンション仕様で、走行モードに応じて2段階の調整が可能だが、AVSほど高性能ではない。ステアリングラックは全車とも、先代より20%クイックに設定されている。
パワートレインは、2487ccアトキンソンサイクルのガソリンエンジンと電気モーターで構成。車速とエンジンや駆動用モーターの回転差を補正するスレーブモーターを備え、ふたつの駆動力をそれぞれ扱うプラネタリーギアを組み合わせる。先代のシステムより24%パワフルで、CO2排出量は22%低いという。また、電力のみでの走行も可能だ。
ベーシックなNX350hは前輪駆動だが、それ以外には電動4WDのE−Fourで、フロントのハイブリッドパワートレインからは独立した後輪駆動用のモーターをリアに搭載する。前後トルク配分は、路面状況などに応じて60:40から20:80まで変更可能だ。
NX350hのシステム総合出力は244ps。NX450h+は300psを上回り、EV走行の航続距離は最大72kmに達する。
内装 ★★★★★★★★☆☆
全面刷新されたインテリアとインフォテインメントは、おそらく2代目NXでもっとも意味のある改善点だろう。これらの要素はまた、レクサスがライバルたちに勝る部分でもある。だから、そこを中心に、しかも念入りに手が入れられた。
ダッシュボードとトランスミッショントンネルには、ドライバー周辺に最近のジャガーのスポーツカーや、かつてのBMWの好ましさが感じられて、とくにいい感じ。また、鮮明な計器類や、小ぶりでスポーティなステアリングホイールもそうだ。
このキャビンは、間違いなくくつろげる場所で、一日中乗ってロングドライブするのも楽しい。デザイン面は、ほとんどのクロスオーバーを凌ぐレベルで、Fスポーツ仕様ではそれがとくに際立つ。
グロスブラックのプラスティック部品がもう少し減らされれば、もっと雰囲気はよかっただろう。けれども、それ以外の広い範囲に用いられている、ソフトタッチのマテリアルとプレミアムなフィールのスイッチに比べれば、小さなことだといっていい。全体的な質感は高いが、アウディQ5に並ぶほどではない。
スイッチ類に関していえば、下位グレードに9.8インチ、上位グレードに14.0インチのタッチディスプレイを装備したにも関わらず、レクサスは音量調整と温度調整に実体ダイヤルを使用し、わかりやすいタッチ式コントロールも設置している。
プッシュスイッチやロータリーダイヤルを残したのは、じつに賢明な判断だ。それをなくして操作系をディスプレイに統合しすぎたドイツ勢がどうなったかを考えると、そう思わずにはいられない。
エルゴノミクス面では、テスター陣の中でも背の高いメンバーにとって前後席ともそれほど広いとはいえないものだった。とはいえ、平均的な体格の大人ならば4人が快適に過ごすのも難しいことではない。とくに、サポートが大きく張り出したフロントシートは身体を心地よく包んでくれる。プレミアム・プラスパックで得られる調整機能は、ほぼ文句のつけようがない。
走り ★★★★★★★☆☆☆
長年にわたりトヨタとレクサスは、経済性を最大限に引き出すためのハイブリッドシステムを、よりナチュラルにするべく力を注いできた。とくに、加速感とエンジン回転のマッチングは、重視されてきたポイントだ。
新型NXに搭載されたシステムは、そのプロセスや洗練度が、賞賛に値することをよく示している。たとえそれが、よくできた内燃機関車に肩を並べるまでには至っていないとしてもだ。
NX350hのパフォーマンスは、まずまず不満のないものだが、それでも控えめではある。テスト車の0−97km/h加速タイムは7.1秒だが、そこから161km/hへ達するにはさらに12秒ほどかかる。これより価格も車格も低いヒョンデ・ツーソンハイブリッドは、97km/hまで0.5秒余計にかかるが、161km/hに届くときには逆転している。
同じ価格帯でセダンを買おうとすれば、BMW 330e Mスポーツも選択肢に入る。それならば、6秒以下で楽に97km/hまで加速できる。これに近い速さをこのレクサスの中型クロスオーバーに求めるならば、PHEVで306psを発生するNX450h+が必要だ。
そうはいっても、ストレスの少ない日常使いをするのが目的なら、NX350hはなかなかいい仕事をしてくれる。ハイブリッドシステムは先代比でおおよそ25%ほどパワフルになっていて、市街地の速度域なら楽にEV走行でき、開けた道ではすばやい追い越し加速をみせてくれる。
バッテリー残量が非常に少ないときにはエンジン依存度が上がり、そうなるとこのパワートレインはわずかながら詰めの甘さを感じさせる。それは、激しく加速しようとしたときにも垣間見える。
そうした際にこのレクサスのハイブリッドシステムには、先代と同じ問題が発生する。エンジンがバタついて、おかしなくらい操縦系とそぐわない感じがするのだ。そして、そのエンジン音のわりには前に進んでいないような感覚にとらわれる。
その感覚は、決して長く尾を引くものではない。だが、走りにうるさいドライバーがこのクルマに試乗したら、購入を考え直そうと思うには十分だ。
ステアリングホイールに取り付けられた、見栄えのいいシフトパドルにも言いたいことがある。それらはほとんど飾りのようなもので、操作してもパワートレインの作動ぶりになんら影響しないことが多かった。
使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
インフォテインメント
今や多くのドライバーが、Apple CarPlayやAndroid Autoを使いたがる。NXには両方とも備わり、最適化のレベルは高く、グラフィックも良好だ。ただし、Android Autoは有線接続が必要だ。
レクサス自前のソフトウェアは、メニューのデザインやタッチディスプレイの機能性で、先代をはるかに上回る。ディスプレイのサイズは、エントリーレベルのプレミアムパックでは9.8インチ、それより上位の仕様では14.0インチだ。
アイコンは大きく、レスポンスはクイックだ。反応速度は以前の3.6倍とされ、カラーとフォントは変更できる。思慮深いことに、レクサスは音量と温度を調整するダイヤルと、エアコンの主要なスイッチを実体のままとした。もっとも、風量調整はタッチ式のスライダーだが。
それ以外では、17スピーカーのマークレヴィンソン製サウンドシステムが、最上位のタクミグレードに装備される。USBポートは、前後席2口ずつの計4口。うちひとつがUSB−Aで、残り3つはUSB−Cだ。
燈火類
プレミアム・プラスパックにはLEDマトリックスヘッドライトが装備される。今回はその性能を検証する機会がなかった。
ステアリングとペダル
今回は計測する機会がなかった。
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
NX350hが、ドライバーズカーとしてどのようなものであるか、長々と説明するつもりはない。これは、カミソリのようにシャープなエクステリアから期待されるのとは違って、そういう目的で造られたクルマではないからだ。
しかしながら、プレミアムカーの走りにはグリップやトラクションの強力さを感じさせることがいかに重要か、それを承知しているエンジニアが開発に加わっていることは間違いないだろう。そうしたクルマにおいて、重要視されるのはアキュラシーや平静さだ。とはいえ、レクサスの中でもファミリー向けのクロスオーバーは、ドライバーに多くを求めないクルマであることも求められる。
テスト車にアップデートされたAVSは装備されていなかったが、それでもこのNXは、すべての課題をうまくこなしてみせた。BMWには譲るが、アウディやメルセデスよりは上だ。つまり、このクラスにおいても上々の部類に入るといっていい。
まずステアリングだが、ギア比はほどほどで、直感的に操作できる。回してみると、手応えは軽めだが、走り志向のドライバーが求めるだろう手元に路面を感じられるフィールは、控えめながらも感じられる。すぐに、道に沿って舵を切るのが気持ちいいと思わせてくれる。
コーナリングのバランスは間違いなくフロント優勢で、サスペンションはめったにないほどボディの動きを制限するが、同時にかなり順応性があり、大きな荷重移動も許容する。そのため、切り立ったノーズをアペックスへ向けさせるのにトラブルはほとんどなく、おそらくは実際以上に俊敏でしなやかだと感じるはずだ。
ストロークの短いサスペンションはまた、A級道路でもB級道路でも路面形状を遠慮なく伝えてくるが、飛ばしたときの快適性は犠牲になっていない。これはたぶん、このクルマ最大の強みだろう。ホイールコントロールが追いつかないような悪路を走ることも可能だが、コンスタントにそういう使い方をするオーナーが、NXに多いとは思えない。
そこそこ本気で走らせても、操縦系と物腰が自信をもたらしてくれるので、楽に歩を進められる。フワつきや不快なほどのロールも、どちらかといえば出ないほうだ。トラクションに関していえば、2.5Lハイブリッドのパワートレインが、タイヤにトラブルが起きるような状況を作り出すことは決してなかった。
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
豪華なシートと、平均以上の遮音性能は、レクサスの伝統的な美点だった。ところが、高級サルーンブランドから普及価格帯のハッチバックやSUVへ裾野を広げていく数十年の間に、必ずしもそのレベルが高いとは限らないケースも出てきた。
新型NXはどうかというと、たしかにみごとなのだが、最新のアウディQ5や、おそらくはBMW X3にも、洗練度や快適性で勝ってはいない。レクサスが、それらのライバルを、そうした点で凌ごうとしてきたであろうことは間違いないのだが。
ゆったり走ると、タイトながらもしなやかな、独特ですばらしいコントロールぶりを発揮する。いうなれば、上級スポーツカーがみせるような身のこなしだ。それにより、キャビンは上質な雰囲気で満たされる。
ところが、20インチホイールを履いたテスト車は、路面の荒れた速度域の低いルートで苦戦する。せっかくエンジンが停止して、パワートレインがなめらかに動いているのに、それを損ねてしまう感じだ。この手のクルマは長距離移動ではなく、日常使いを目的に買われていることが多いのだから、これは大きな手落ちだと言わざるをえない。
このNXはくつろぎと安心感を与えてくれて、前方視界は良好で、室内は広く感じる。しかし、それらをもってしても、シャシーが荒れた舗装を制しきれず、キャビンへと伝えてしまうことを埋め合わせきれるものではない。
音環境についても、良好だが並外れていいわけではない。EVモードで短距離を走っているうちは、当然ながらきわめて静かだ。しかし、バッテリー残量が減ってくると、すぐにエンジンがかかってしまう。それが信号待ちなどで停車しているときにも起きるというのは、気の利かない話だ。
クルージング中にみせる、風切り音とロードノイズの遮音性はすばらしい。騒音計のデータを見ると、キアEV6と日産キャシュカイの中間くらいだ。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
NXは、ドイツ車ではないというだけでも十分なアピールになるが、プレミアム感ではドイツ勢に負けないものがある。デザインは内外装とも、全体的な効果の小さからぬ部分を占めているが、製造クオリティの貢献度も無視できない。加えて、PHEVの450h+をラインナップしたことにより、テクノロジー面でも見劣りしなくなった。
価格の手頃さに関しては、新型でもやはりレクサスの強みとなっている。エントリーレベルの前輪駆動モデルは4万ポンド(約620万円)を切り、アウディQ5 40 TDIやそれと仕様が同レベルのBMW X3の価格を下回る。それでいて、標準装備の内容はかなり高いレベルだ。このプライス面のアドバンテージは、PHEVでも同様だ。とはいえ、グレードやオプションパックなどの選択で、値付けは大きく変わる。
テストした350hのAWDモデルは、ベース仕様が4万750ポンド(約632万円)だが、Fスポーツ仕様は5万ポンド(約775万円)を超える。マークレヴィンソン製オーディオや手の込んだインテリア、エレガントなホイールなどを装着したタクミ仕様となると、5万5000ポンド(約853万円)近い。オプション抜きでも、ポルシェ・マカンSが買える金額だ。
われわれとしては、350hの標準仕様に、8000ポンド(約124万円)相当のオプション38品目を含むプレミアム・プラスパックを追加すれば、ほぼすべてのオーナーのニーズを満たせると考える。
燃費に関しては、NX350hはA級道路を流しているときがベストだ。パワートレインはEV走行とエンジン走行を容易に使い分けでき、ストレスを感じさせない。そうしたルートでは、18km/L近い燃費が期待できる。
スペック
レイアウト
NXのプラットフォームは、トヨタのTNGA−Kのバリエーション。トヨタではRAV4やカムリ、レクサスではESが、GA-Kベースとなる。
パワートレインもトヨタ車に多く使われるもので、前輪をハイブリッドユニットで、後輪を電気モーターでそれぞれ駆動する。前後に機械的なリンクは存在しない。
テスト車の実測重量は、カタログ値+72kgで、前後重量配分は58:42だった。
エンジン
駆動方式:フロント横置き四輪駆動(後輪電力駆動)
形式:直列4気筒2487cc、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ87.5×103.5mm
圧縮比:14.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:190ps/6000rpm
最大トルク:24.3kg-m/4300-4500rpm
エンジン許容回転数:5900rpm
ハイブリッドアシスト:同期モーター・2基
モーター最高出力前/後:180ps/54ps
モーター最大トルク前/後:27.5kg-m/12.3kg-m
システム総合出力:244ps/6000rpm
システム総合トルク:-kg-m/-rpm
馬力荷重比:141ps/t
トルク荷重比:-kg-m/t
エンジン比出力:76ps/L
ボディ/シャシー
全長:4660mm
ホイールベース:2690mm
オーバーハング(前):1007mm
オーバーハング(後):963mm
全幅(ミラー含む):2130mm
全幅(両ドア開き):3700mm
全高:1640mm
全高:(テールゲート開き):2220mm
足元長さ(前席):最大1070mm
足元長さ(後席):700mm
座面~天井(前席):最大1000mm
座面~天井(後席):940mm
積載容量:521~1436L
構造:スティール/アルミモノコック
車両重量:1740kg(公称値)/1812kg(実測値)
抗力係数:0.35
ホイール前・後:20インチ
タイヤ前・後:235/50 R20 100V
ブリヂストン・アレンザ001
スペアタイヤ:なし(ランフラット)
変速機
形式:遊星歯車式パワースプリット(前)/ダイレクト駆動(後)
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
-
最終減速比:-
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:14.5km/L
ツーリング:15.8km/L
動力性能計測時:6.1km/L
EV航続距離:35.4km
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):15.6km/L
中速(郊外):18.5km/L
高速(高速道路):18.2km/L
超高速:13.3km/L
混合:15.9km/L
燃料タンク容量:55L
駆動用バッテリー:-/-kWh(総量/実用量)
現実的な航続距離:約798km
CO2排出量:144g/km
サスペンション
前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後: ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.4回転
最小回転直径:11.6m
ブレーキ
前:328mm通気冷却式ディスク
後:317mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、EBA、EBD
ハンドブレーキ:電動、センターコンソールにスイッチ配置
静粛性
アイドリング:-dBA
全開時(145km/h):74dBA
48km/h走行時:57dBA
80km/h走行時:63dBA
113km/h走行時:78dBA
安全装備
ABS/EBD/BA/ECB/VSC/VDIM/TPMS/HAC/TC
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温10℃
0-30マイル/時(48km/h):2.5秒
0-40(64):3.8秒
0-50(80):5.3秒
0-60(97):7.1秒
0-70(113):9.3秒
0-80(129):11.8秒
0-90(145):15.0秒
0-100(161):19.0秒
0-110(177):24.4秒
0-120(193):34.1秒
0-402m発進加速:15.5秒(到達速度:147.1km/h)
0-1000m発進加速:28.35秒(到達速度:184.9km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
スコダ・コディアックvRS 2.0 TSI 245PS 4×4 DSG
テスト条件:湿潤路面/気温12℃
0-30マイル/時(48km/h):2.1秒
0-40(64):3.1秒
0-50(80):4.4秒
0-60(97):5.9秒
0-70(113):7.7秒
0-80(129):10.0秒
0-90(145):12.6秒
0-100(161):15.8秒
0-110(177):19.9秒
0-120(193):25.0秒
0-402m発進加速:14.5秒(到達速度:148.4km/h)
0-1000m発進加速:26.6秒(到達速度:197.0km/h)
キックダウン加速
20-40mph(32-64km/h):2.2秒
30-50(48-80):2.8秒
40-60(64-97):3.3秒
50-70(80-113):3.9秒
60-80(97-129):4.8秒
70-90(113-145):5.6秒
80-100(129-161):6.9秒
90-110(145-177):9.0秒
100-120(161-193):14.7秒
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温10℃
30-0マイル/時(48km/h):9.1m
50-0マイル/時(64km/h):25.7m
70-0マイル/時(80km/h):49.1m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.94秒
ライバルの制動距離スコダ・コディアックvRS 2.0 TSI 245PS 4×4 DSG
テスト条件:湿潤路面/気温12℃
30-0マイル/時(48km/h):11.2m
50-0マイル/時(64km/h):30.3m
70-0マイル/時(80km/h):59.2m
結論 ★★★★★★★★☆☆
疑いなく、新型NXは初代より改善されている。ルックスはあらゆる点で衝撃的でありながら、やや美しさを増した。また、豪華なインテリアと、穏やかで安心感のあるドライバビリティは、日常使いを楽しいものにしてくれる。その点、先代は物腰がラフすぎた。
新たなインフォテインメントシステムもまた、2代目NXをより完成度の高いクルマにしている一因だ。さらに、経済性もパフォーマンスも高められている。それらすべてが相まって、ややもすれば横並びになってしまうクラスにおいて、このレクサスを魅力的な選択肢たらしめる基本的なクオリティを引き上げている。言い換えるなら、個性が強まっているということになる。このルックスが好みなら、購入を検討してみていいと思う。
ただし、そうしたすべてを踏まえても、万人受けするとはいいがたいのもまた事実だ。パワートレインは経済的だが、違和感を覚える場面もある。またシャシーはスタビリティがありコントロールが効いているものの、乗り心地もハンドリングもBMW製の競合モデルには及ばない。
そうはいっても、NXはモデルチェンジで、中型SUVクラスにおけるより興味深いクルマの仲間入りに向けて、あきらかに前進したといっていい。そのことはたしかだ。
担当テスターのアドバイス
リチャード・レーンEVモードを含む走行モードは、思いのほか長く使えることもあるが、バッテリー残量が足りないせいでそうはならないことのほうが多い。
マット・ソーンダースシフトパドルによるマニュアルモードが用意されてはいるものの、その存在に説得力はない。エンジン回転を上げることはできるが、パワートレインと息が合わない感じもまた生んでいる。さらに言えば、燃費にとってはマイナス要素でしかない。
オプション追加のアドバイス
プレミアムパックとプレミアム・プラスパックは、じつに充実した装備内容だが、アダプティブサスペンションのAVSはFスポーツの専用アイテム。購入前に、AVSの有無による違いを試乗して確かめておいたほうがいい。また、ボディカラーのうちアズールブルーとFスポーツホワイトは、Fスポーツ専用色だ。
改善してほしいポイント
・ヘッドアップディスプレイを操作する静電容量式サムパッドは、改善を求めたい。
・信号待ちなどの際に、エンジンがかかることがほぼなくなる方法を見つけてほしい。
・シフトパドルはいらないので、それ以外の手が触れる部分の質感を改善するのにコストを回してもらいたい。
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