登場するタイミングがもう少し遅ければ名車になっていた?
1998年に登場したホンダ「HR-V」は、5ナンバーサイズに収まるコンパクトなボディが売りのクロスオーバー車です。エンジンは1.6Lを搭載し、ホンダマルチマチックSのほかに5速MTを設定するなど魅力的なモデルとなっていました。
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3ドアのほかに5ドアのモデルも設定されていた
ホンダのクロスオーバーSUVと言えば、「ヴェゼル」に「ZR-V」、そして先日販売がスタートしたばかりの「WR-V」など人気のモデルが揃っており、クロスオーバーSUV人気の現在にマッチしたラインアップとなっている。現在のクロスオーバーSUVにはRV派生のものと乗用車派生のものが存在しているが、ホンダの乗用車派生のクロスオーバーSUVの先駆者とも言えるのが1998年に登場した「HR-V」である。
前年の東京モーターショーに出展された「J-WJ」の市販版となるHR-Vは、「オデッセイ」や「ステップワゴン」「CR-V」といったヒット作を生み出したクリエイティブ・ムーバーの派生版となるJ(ジョイフル)ムーバーの第2弾(第1弾は「キャパ」)としてリリース。
当時はまだクロスオーバーSUVという言葉が生まれる前であったため、「ワゴンでもクロカンでもない、アーバンクールなハイライダー」として登場したHR-Vは、キャパと同じく「ロゴ」のプラットフォームを使用。そしてテーマが示す通り、ワゴンでもクロカンでもない3ドアボディと大径タイヤ、190mmという高い最低地上高を持った今までにないモデルに仕上がっていた。
足まわりもエントリーモデルの2WD車はロゴと同じフロントストラット、リア車軸式という形状を採用していたが、4WDモデルはリアをホンダ得意のド・ディオン式とし、エンジンもロゴより二回り大きな1.6Lエンジンが採用されている。このエンジンはSOHCのD16A型と呼ばれるものだったが、通常モデルが105psのところ、最上級グレードにはVTEC付の125ps仕様がマルチマチックSと呼ばれるCVTとの組み合わせで搭載されていた。
そして1999年7月には使い勝手に優れる5ドアモデルを追加。これはただ単に3ドアを5ドア化したものではなく、ホイールベースが延長されるなどしっかり作り込んだものとなっている。
ホンダにはCR-Vも存在していたものの、乗用車感覚で乗ることができるクロスオーバーモデルは存在しなかったため、HR-Vは隠れた長寿モデルとなり、2003年10月には3ドアモデルがラインアップから落とされるなどモデルラインアップを縮小しながらも、2005年末ごろまで生産が続けられた。
結局HR-Vの直接的な後継車種は登場しなかったが、HR-Vの名前は2013年に登場した初代ヴェゼルの輸出仕様名として復活しているほか、現在は2代目ヴェゼルのブラジル仕様や、ZR-Vの北米仕様の車名としても使われている。
クロスオーバーSUVブームどころか、クロスオーバーSUVという言葉が生まれる前に登場しただけに大ヒット作とまではいかなかったHR-Vではあるが、そのコンセプトは間違いなく現代のクロスオーバーSUVに通じるものがあった。当時ですらロングセラーモデルになったポテンシャルを考えると、登場するタイミングがもう少し遅ければ稀代の大ヒットモデルになっていた可能性も多いにある1台と言えるだろう。
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