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text:AUTOCAR UK編集部
【画像】どのクルマでドライブに行く?【グランド・ツーリングに行きたいクルマ14選】 全253枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
クルマが壊れるほど過酷なラリーから、心を奪われる風光明媚なハイウェイまで、クルマ好き・ドライブ好きなら一度は走りたい世界のルートを紹介する。
通常の道路とは一味違ったドライブを満喫することができるルートだ。何十年も前に敷かれた、神話のような道を走ることで、あらゆるドライバーの冒険心を満たしてくれるだろう。
再び世界を旅することができるようになった暁には、どれか1つでも挑んでみてはどうだろうか。一生忘れることのできない思い出になるはずだ。
Pub2Pubアドベンチャー
世界最北端のパブから最南端のパブまで、パブを巡る約4万3450kmの壮大な旅。英国人のベン・クームズは、愛車のTVRキミーラで、このクレイジーな計画を完遂した。この大冒険のスタート地点は、北極からわずか1130kmしか離れていないスバールバル諸島だ。
24か国、4万3450kmを走り、人を寄せ付けない過酷な道を通り抜け、ベンはついにチリのティエラ・デル・フエゴにあるプエルト・ウィリアムズにたどり着いた。TVRを7か月間も運転して、地球最南端のパブにゴールしたベンは、自身の冒険についての本を書いた。目的地ではなく、旅そのものを楽んだという。
カレラ・パナメリカーナ
メキシコの上から下まで伸びる新しい道路の開通を記念するには、大々的なロードレースを行う以上に良い方法はない。1950年に3505kmのパン・アメリカン・ハイウェイが完成したとき、カレラ・パナメリカーナはこうして誕生した。
このレースは9つのステージに分かれており、標高の高い区間ではマシンが息つくこともしばしばあった。初優勝はハーシェル・マクグリフ(1927年生まれ)のオールズモビル88だった。1955年にレースは中止されたが、現在は同じルートでクラシックラリーとして開催されている。
ペキン・トゥ・パリ
フランスの新聞「Le Matin」は、最新式の自動車の耐久性を証明するために、中国の北京からパリに戻る1万5000kmの旅を企画した。参加するすべてのクルマにはジャーナリストが同乗し、定期的にレポートや最新情報を送り、待ちわびる人々をドキドキさせていた。
優勝したスキピオーネ・ボルゲーゼ公爵は、イタラを運転して2か月で完走した。賞品は、シャンパンを1本。
冷戦時代にはロシアへのアクセスが困難になったため、レースは不可能とされたが、1997年からはクラシックカーによるペキン・トゥ・パリのレースが何度か行われている。
ル・ジョグ
ル・ジョグ(Land’s End to John O’Groats)は、クルマとドライバーのスタミナが長年試されてきたラリーだ。勇気ある先駆者たちは、自分たちのクルマの強さを証明するため、英国の最も過酷な地点(距離にして1347km)を走った。近年では、非常に人気のあるクラシックカーラリーとなっている。
12月に開催されるクラシックなル・ジョグは、より過酷さを増しており、参加者は雪に埋もれた状態で、英国で最も孤立した道の数々に直面する。1920年代のオープントップカーから1980年代のホットハッチまで、様々なクルマが参加し、ナビゲーション上のペナルティをできるだけ少なくしてステージを完走し、ゴールドメダルの獲得を目指す。
どのくらいの時間がかかるのか?2018年、英AUTOCAR編集部はスコダのSUV「カロック」で連続運転を行い、給油のために一度だけ停止して、15時間弱で完走した。
ボジョレー・ラン
不思議なことに、英国のボジョレー・ランは1970年から行われている。目的は簡単で、フランスまでドライブして、瓶詰めされたばかりのワインのボトルを手に入れ、だれが一番最初に戻ってくるかというものだ。ホテル経営者のジョセフ・ベルクマンとワイン評論家のクレメント・フロイトによるプライベートレースから、誰もが参加できるナビゲーショナルランへと発展した。
現在では慈善活動のための資金集めに重点が置かれているが、2つの賞品が用意されている。1つ目は最も多くの資金を集めたチームに贈られ、2つ目は英国からフランス・ブルゴーニュまでの最短ルートを考えたクルーに贈られる。
キャノンボール・ラン
同名の映画の方が有名かもしれないが、オリジナルの「キャノンボール・ベイカー・シー・トゥー・シャイニング・シー・メモリアル・トロフィー・ダッシュ」の方がはるかに面白い。レーサーのエルヴィン・ベイカー(1882~1960)が1927年に行った60時間の北米大陸横断ドライブを記念して、自動車ジャーナリストのブロック・イェーツ(1933~2016)が発案したのがはじまりだ。
最初のキャノンボールは1971年に開催され、施行された新しい交通法への抗議としてイェーツだけが参加した。これが評判となり、開催数を増やしていった。F1ドライバーのダン・ガーニー(写真右)はフェラーリ365 GTB/4デイトナで2回目のキャノンボールを制した。最速タイムは、1979年にデイブ・ハインツとデイブ・ヤーボローがジャガーXJ-Sで記録した。
リエージュ・ローマ・リエージュ
1930年代、最も過酷な冒険はリエージュ・ローマ・リエージュだった。このレースは、わずか5日間で5150kmもの距離を走り、クルマが壊れるような過酷なステージで評判を呼んだ。第1回目のレースでは、ブガッティ・タイプ49に乗ったウィリー・トゥーサンとアルフォンス・エブラールが優勝した。
1960年代にはルートが変更され、リエージュ・ソフィア・リエージュとなり、1965年から1971年にかけてはマラソン・ドゥ・ラ・ルートとしても知られるようになった。現在は4日間にわたって行われるクラシックカーラリーとして開催されている。
モンテカルロ・ラリー
現代のモンテカルロ・ラリーは、WRCカーの限界を試すものだが、1911年には今以上に大きな冒険としてスタートした。モナコ公国をゴール地点として、遠く離れた欧州の各都市から出発したのだ。この伝統は1960年代に入っても続いており、2400kmを走行することもあった。
現代のWRCとは別に、一般人でも参加できるモンテカルロ・ヒストリック・ラリーがある。コル・デ・トゥーリーニなどのクラシックなステージが多く、参加者はグラスゴーやマラケシュなど遠く離れた都市からスタートしなければならない。
ミッレミリア
ミッレミリアは今でこそ華やかなクラシックカー・イベントとなっているが、元々はブレシアからローマまでのノンストップ・ダッシュとして始まった。1600kmを公道で走るというものだが、刺激的なことに、レースが行われている間、日常の交通は遮断されていなかった。
スターリング・モスは1955年にコ・ドライバーのデニス・ジェンキンソン(写真)と共にミッレミリアのトロフィーを手にした。事前に用意されたペースノートを使い、メルセデス・ベンツ300 SLRに乗り、平均速度157.65km/hで10時間7分48秒で完走した。このタイムは、同コースで一度も更新されたことがない。
タルガ・フローリオ
今では誰でもタルゴ・フローリオのルートを走ることができるが、そのためにはシチリア島まで行かなければならない。努力すれば、この島でレースのアイデアを思いついたヴィンチェンツォ・フローリオのおかげで、風光明媚で挑戦的なドライブを楽しめる。
フローリオは1906年に自身の名を冠したレースを開始した。合計446km、シチリア島を3周するもので、瞬く間にモータースポーツで最も重要なイベントの1つとなり、フィンランド人のレオ・キヌーネンがポルシェ908/3を駆り、平均速度128.5km/hを記録し、わずか33分36秒で1周を終えた。
レースは1973年まで開催されたが、安全上の問題から再開催は不可能となった。この写真に写っているのは、1921年の大会でアルファロメオ20-30 ESを駆る若いレーサー、エンツォ・フェラーリだ。
シベリア横断道路
シベリア横断道路の全区間が2012年に舗装されたばかりであることを知れば、この道路がどれほど冒険的なものであるかがわかるだろう。サンクトペテルブルクからウラジオストクまでの全長1万900kmに及ぶこの高速道路は、ロシア全土を横断しており、世界最長の国道であるとされている。
舗装されているとはいえ、ドライバーにとって大きな挑戦であることに変わりはない。人里離れた場所を通過し、ロシア中央部の人口の少ない地域をひたすら東に向かうため、サービスステーションや町はほとんどない。また、ルート上での衝突事故の数と、使用する人々の運転基準の低さから、世界で最も危険な道路の1つとみなされている。
パシフィック・コースト・ハイウェイ
米カリフォルニア州のパシフィック・コースト・ハイウェイ(PCH)は、世界で最も景色が良く楽しいドライブコースの1つとしてよく挙げられている。制限速度が厳しく制限されているものの、ドライブに最適な道路であり、多くの愛好家のバケットリストに載っている。
もっと冒険したいなら、PCHを通る州道1号線の全長に挑戦する価値はある。ダナポイントからロサンゼルスの南にあるレゲットまで、約1050kmを走ることになる。道路は海岸に沿ってずっと続いており、LAとサンフランシスコなどランドマークを通過し、西海岸のドライブをより深く味わうことができる。
世界一周
地球一周は究極の冒険であり、多くのバイカーが挑戦しているが、クルマのドライバーはまだ少ない。紛争地域や政争、天候や季節の変化によってルートが複雑になる。さらに、考えられるあらゆるコンディションに対応できるタフなクルマが必要になる。
アロハ・ワンダーウェル(1906-1996)は16歳のとき、1922年にペットのサルとともにフォード・モデルTに乗って世界一周の旅に出た。彼女は複数の段階に行程を分け、記録をフィルムに収めつつ、1929年に旅を終えた。
タルガ・タスマニア
タルガ・フローリオにインスパイアされたタルガ・タスマニアもまた、島を舞台にしたドライビング・アドベンチャーだ。ツアー・イベントとコンペティション・イベントのどちらかを選ぶことができ、ツアーではタスマニアを6日間かけて走る。コンペティションでは、同じ日数で1930kmに及ぶ平坦なステージを走り、世界最高のレースの1つとして広く知られている。
ランボルギーニからシトロエン・トラクション・アバント(写真)まで、あらゆるクルマが参加する。舗装路の走行となるが、海岸から山間部へと続くコースのため、天候が大きな影響を与えることがある。その結果、多くの参加者がこのコースを地球上で最高のドライビング・アドベンチャーだと考えている。
ダカール・ラリー
元々はパリからダカール(セネガルの首都)まで開催されていたが、モーリタニアの治安問題のため、2009年から2019年までは南米で、2020年はサウジアラビアで開催されることになった。このような不都合はあっても、ダカールは世界で最も挑戦的な冒険の1つであることに変わりはない。2020年は全長7725km、そのうち4800kmが特別ステージとなった。レースの大半は砂の上で行われる。
ダカールをこれほどまでに冒険的なものにしているのは、砂や暑さだけではなく、参加する前に何年も前から準備をしなければならないからだ。完走するためには肉体的、精神的、機械的に粘り強さを求められる。準備が十分でなければ、表彰台を目指すことはおろか、完走することもできない。
ノース・コースト500
スコットランドには素晴らしいドライビングロードが多い。ノース・コースト500(NC500)は、その多くをまとめて味わうことができる。全長830km、道中にはあらゆるタイプの道路や風景があり、数日かけてぶらぶらと歩くのも、短時間で走り切るのも醍醐味だ。いずれにしても、ドライバーにとっては天国のような場所であり、途中で泊まることができる高級ホテル(中には城もある)も充実している。
インバネスを発着点とするNC500はもともと存在したが、スコットランドの「ルート66」として構想されたのは2015年のことだった。夏の観光客の渋滞を避けるためには、訪れる時期を計画することが大切。しかし、オフシーズンは天国だ。
ステルヴィオ峠
多くの自動車会社が新型車のブレーキをテストするためにステルヴィオ峠を使用している。それだけ伝えておけば、イタリアのオルトラーアルプスにある75kmの峠道がどのようなものか想像できるだろう。下り坂では、ブレーキの弱点をあぶりだす48本のヘアピンカーブがあり、上り坂ではアルプスで2番目に高い峠を登るのだ。
世界で最も偉大なドライビング・アドベンチャーの1つであるステルヴィオに挑戦することは、非常に人気のある娯楽となっているので、早起きして行列をかわすことをお勧めする。景色を見るだけでも価値がある。
エア・ハイウェイ
オーストラリア南西部のナラボー平原を横断して、アデレードとパースを結ぶ全長1650kmのエア・ハイウェイ(Eyer Highway)。基本的には直線の高速道路だが、その長さと気温の高さから、世界で最も過酷な道路の1つに数えられる。また、世界で最も長い直線道路の1つでもあり、145kmにわたって一度も曲がることなく走り続けることができる。
エア・ハイウェイの全区間が舗装され、埃をかぶっていた道をアスファルトが覆うようになるまでには、1970年代半ばまでかかった。サービスステーションは遠く離れているので、クルマが故障した場合に備え、出発する前に誰かに行程の詳細を伝えておいて、目的地に着いたら知らせることをおすすめする。
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