新規車種の登場に世のなかが沸き上がるいっぽうで、ひっそりと姿を消していく絶版車が存在する。数多くの車種が投入されるが、ロングセラーとなるのは一握りだ。
これまで、時代の変遷とともに、引退を余儀なくされたクルマはいくつもあるが、その存在が特に多いのはトヨタだろう。
現場を助けた功労「車」!! 元営業マンが選ぶ今こそ必要なトヨタ絶版車 5選
トヨタ絶版車のなかから、筆者が「これは残してほしかった」と思うクルマを5台選んだ。令和の今、彼らがいたら、どれほどの活躍ができただろうか。その魅力を紹介していきたい。
文/佐々木亘、写真/TOYOTA
セリカ
最終モデルとなった7代目セリカ(1999年10月~2006年4月)
1970年に登場し、日本を代表するスペシャリティカーになったセリカ。歴代モデルは、全て先鋭的なデザインが特徴で、フェアレディZやスカイラインのライバルとして、戦った過去もある。
現在のトヨタにはない、クーペボディにFF(4WD)という組み合わせは、スポーツカーへの敷居を下げたように思う。セリカがあった時代は、気を張って選ばなくても、スポーツカーに乗れていた。生産終了となった2006年までは、カッコいいクルマが、安価で身近にあったように感じるのだ。
WRCやNASCAR、スーパーGTなどの、レースにも多数登場し、セリカというクルマがいたからこそ、クルマを好きになるという人も多かったはず。筆者も、4代目・5代目・6代目と、セリカに魅せられた子どもの一人だ。
クルマに興味をもつきっかけを、子どもたちに与えてくれるクルマだった。クルマへの興味関心が薄らぐなかで、セリカのようなクルマがあれば、販売現場はどんなに助かるだろうか。
オーリス
カローラランクスの兄弟車である、アレックスの後継車種として登場したオーリス。全長4220mmのショートボディに、全幅1760mmという5ナンバー枠をはみ出した寸法は、欧州市場を強く意識したものである。
ステーションワゴンのような長さはなく、ヴィッツのようなコンパクトでもない。中途半端にも思えるボディサイズだが、これが良かった。後席に人を乗せても不満は出ないし、ラゲッジスペースは充分に広い。一人で乗っていても違和感のないサイズ感で、単身者から少人数のファミリーにウケたクルマだ。
初代モデルでは、エントリーグレードの価格を162万2250円とし、若者が1台目に買える、ちょっと良いクルマの役割を充分に果たした。後継となる、現行型のカローラースポーツは216万9000円と少々高い。
使い勝手のいいショートワゴンを1台目に買えば、ユーザーのライフステージが変わっても対応が効く。こうした人生のなかで幅広く使えるクルマが、今の日本では少なくなった。
プリウスα
一代限りで消滅したプリウスα(2011年5月~2021年3月)
ミニバンなのかステーションワゴンなのか、カテゴリー分類に困るプリウスα。しかし、それはオールマイティなクルマだったことを意味しているように思う。
大ヒットを記録したZVW30型プリウスのホイールベースを80mm延長し、拡大されたスペースに3列目シートを備え7人乗りとした。トヨタハイブリッドでは初めて、リチウムイオン電池を採用したクルマでもある。(5人乗りはニッケル水素電池)
販売店に対して、プリウス検討ユーザーから寄せられた「狭い」「使い勝手が悪い」等の不満を、一手に解消するクルマとした登場したプリウスαは、プリウスの武器である燃費の良さはそのままに、開放的な室内空間と多人数乗車を実現した。さらにシート位置を高くし、見晴らしを良くしたことで、運転のしやすさもプラスしている。
ウィッシュやストリームといった、背の低いミニバンが姿を消し、プリウスαも一代限りで生産を終えた。明確な区分けができず、行き先を見失った感が否めないが、プリウスαというカテゴリーを作ってもいいくらい、出来の良いクルマだった。
販売現場では、とにかく売りやすさが際立ったクルマだ。メーカーからは見限られたが、販売側には支持者が多く、フルモデルチェンジを期待されていた。ブームに流されず、安定して売れるクルマだっただけに、消滅は残念でならない。
FJクルーザー
観音開きドアや3本ワイパー、レトロスタイルのエクステリアに愛着を覚える。逆輸入車が人気となり、国内市場に本格導入された、北米向けSUVがFJクルーザーだ。
全長4635mm、全幅1905mmという迫力のボディに、4.0LのV6エンジンを搭載する。ランクルやプラドのように7人乗りは設定されず、あくまでも2列シートの5人乗りを貫いた。
丸形ヘッドランプや空力をほとんど無視したような角張ったエクステリアデザイン、混じりっ気のない純粋な赤・青・黄色のボディカラーからは、どこか懐かしさを感じられる。無骨に見えるクルマだが、経済成長していた日本の勢いを感じられるクルマだろう。今風に言えば、「エモい」という言葉がよく似合う。
機能性や効率といったものを無視した「遊び」の部分が、クルマの可能性を広げてくれる。昨今のクルマは完璧すぎて、ユーザーが「使う」ことしかできない。FJクルーザーのように足りない部分を残し、ユーザーが「工夫して作り上げる」ことが、自動車文化の醸成には、必要だと思うのだが。
ソアラ
ソアラは、トヨタが本気で作った、最後の高級クーペだと思う。また、レクサスだけではなくトヨタもここまでやるぞという、気持ちの入ったクルマだった。
現在のラインナップでは、GR86やスープラといったスポーツクーペは存在するが、ソアラのようなラグジュアリークーペはない。販売台数は限定的でも良いから、ソアラのようなクルマがあると、そのブランドが明るくなるように思う。
収益確保のために無駄を省くというのが、今の王道的やり方だが、結果同じようなクルマが増え、クルマを見ることが楽しくなくなった。ディーラーのショールームには、ソアラのような「魅せる」クルマを飾っておきたい。
ソアラが活躍していた時代と比べて、「クルマを観に行く」ということが減った昨今。顧客の来店型営業スタイルを貫くのなら、「見る」ではなく、「観たい」と思えるクルマを揃えたいところだ。
時代が変わり、人々の興味が変わって、絶版となっていった個性豊かなクルマたち。簡単に復活は望めないかもしれないが、今よみがえればどう受け入れられるのか。そんな想像をしてみるのも面白い。
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みんなのコメント
レクサスLCがある。エンブレム違いでソアラにすることは簡単なんだろうけど、まぁやらないだろうね。
あと今発売しても納車まで4年待ちだろ