フォルクスワーゲン Tクロス 専門家レビュー・評価一覧

VWが注力するコンパクトSUV

2024.11.26

年式

2024年7月〜モデル

総評

2019年に本国ドイツをはじめ欧州に導入されたT-Cross。2020年からは日本でも販売された。2024年7月、大幅なマイナーチェンジを発表し、10月から販売を開始した。大きな変更点は外観と内装、そして運転支援技術の数々だ。グレードは3構成。搭載エンジンは直列3気筒1.0Lターボ。全車FFモデルで7速のDCT（デュアルトランスクラッチミッション）が組み合わされる。

満足している点

コンパクトなサイズだから日本の道路環境にもジャストフィットする。これが最良ポイントだ。全長4140mm、全幅1760mm、全高1580mm、最小回転半径は5.1mと小さい。しかし、実際の運転感覚もスペックから想像するより安定志向で力強い。最大値はそれほどでもないが100km/h程度までであれば大人3名乗車＋荷物でも不満を抱くことはないだろう。

不満な点

全高があと30mm低くなれば、都市部の立体駐車場でも場所を選ばなくなる。集合住宅の場合、全高で格納スペースが区分けされ、多くが1550mmを境に大型ハイトスペースへと移行する。当然、毎月の駐車料金も高くなる。ルーフレールレス使用があれば対応できるかもしれない。都市型のコンパクトSUVであるためここが実に惜しい。

デザイン

オーソドックスなSUVスタイルだ。奇をてらわない正統派ともいえる。ルーフラインが高めで維持されているので前席、後席ともに乗降性が抜群に良い。マイナーチェンジでは内外装に手が入った。現行型の登場時は質実剛健なデザインだったが、各所にLEDを配置したことで外観は目鼻立ちがくっきりしたし、内装にいたっても兄貴分である「ゴルフ」譲りの上質な素材をふんだんにおごった。

大幅改良でより多くの人にオススメできるモデルに

2024.10.29

年式

2024年7月〜モデル

総評

輸入車のSUVの中では比較的上位でコストパフォーマンスが高いモデルと言える。大幅改良で標準装備も増え、デザインも洗練されアーバンが似合う雰囲気となった。内外装ともにオシャレに仕上げられていて、より多くの人におすすめ出来るモデルへと進化した。動力性能や走りの部分にも不満はなく、燃費などのランニングコスト的にも悪くはない雰囲気。輸入車SUVを検討しているならぜひ実車を見て欲しい1台だ。

満足している点

コンパクトながら機能性が高く、室内も広く取られていて使い勝手が良いのが嬉しい。また、走行性能に関しても申し分ないと言える。インテリアデザインも満足のいく質感を確保しながら、デニムを感じさせるシート地などはファッショナブルで遊び心を感じられて、このクラスのSUVらしいポイントが溢れている。初の輸入車にはオススメしやすい1台だ。

不満な点

不満なポイントは少ないが、サイドブレーキがいまだにレバーの機械式なのは気になる。レバー式がダメというわけではないが、信号待ちなどでの停止保持などに関係するオートブレーキホールドが装備されていないという点は、人によってはマイナスに感じることがあるだろう。

デザイン

大幅改良でデザインはかなり新しくなった。特に灯火類のデザインは今どきな雰囲気が増して、より都心的なイメージに進化。改良前は少しオフロードテイストが強く、やや野暮ったい印象があったが、コチラの方が洗練されて市場の需要にも合っているように思える。カラフルなカラーが追加されたのもオシャレ感アップなポイントだ。

これって昔の「ゴルフ」のポジションじゃない？

2024.10.28

年式

2024年7月〜モデル

総評

かつてフォルクスワーゲンを代表するするクルマといえば2ボックスハッチバックの「ゴルフ」でした。しかし昨今は車体が大きくなり、価格も上がり、ちょっと昔とは違う感じ。いっぽうでT-CROSSはコンパクトボディだし、値段もゴルフに比べれば手ごろだし、そしてボディタイプは昨今のトレンドであるSUV。つまりこれって、T-CROSSがかつてのゴルフに相当する「気軽なフォルクスワーゲン」のポジションなのではないでしょうかね。

満足している点

実は実用性が高いんです。車体サイズからはイメージできないほど荷室が広いし、そのうえリヤシートスライドがついているから荷物が多いときはラゲッジスペースの拡大が可能。それから、燃費がいい。高速道路巡航では実際に20km/Lの大台に乗ったこともありました。ガソリン車なのに。

不満な点

円安とかいろいろな理由があるから仕方ないのですが、デビュー当初に比べると値段が上がってしまいましたね。仕方ないんですが。

デザイン

2024年秋のマイナーチェンジで灯火類を中心にリフレッシュを受け、より精悍な印象になりましたね。個人的なお気に入りは、テールランプ。「X」のような形状になっていて、車名の「T-CROSS」の「クロス（＝×）」と掛けているのかなと思ってみたり。またオフローダーが補助用の燃料を入れてクルマに積む「ジェリカン」と呼ばれる燃料缶に刻まれている模様にも似ているのでオフローダーっぽいなと思ったりして。

使い勝手最強の輸入コンパクトSUV

2024.10.28

年式

2024年7月〜モデル

総評

全長4.1mほどのコンパクトなサイズといい、後席がスライドできる便利さといい、荷室も455Lから最大1281Lと大容量を確保していて、趣味やアウトドアレジャーの相棒としても、子育て期のクルマとしても、オシャレで実力派なところが魅力的。マイナーチェンジで標準装備が充実し、コスパもアップしています。乗り心地とバランスの良さ重視ならStyle、スポーティな乗り味が好みならR-Lineがおすすめです。

満足している点

2019年にデビューしてから約5年で世界累計120万台を販売した実績は伊達じゃなく、サイズの割に室内や荷室が広い使いやすさと、ちょっとポップな演出のある楽しい内外装、飛び抜けて上質感やパワフルさはないけど扱いやすい走行性能と、欲しいものが全部そろっているところは大きな強みだと思います。エンジンをめいっぱい回して駆け抜ける首都高など、なかなかクルマ好きも楽しめるところがあり、昔はゴルフがこんな存在だったなと懐かしく思い出す人もいることでしょう。令和のゴルフ的存在としても、貴重なのかもしれません。

不満な点

最近のトレンドからすると、ディスプレイはちょっと小さめ。デジタルメーターの表示もやや文字が小さめで、数字が見えにくい人もいるかもしれません。ただ、スマホとワイヤレスで連携でき、いつものアプリが簡単に使えるのは便利です。

デザイン

フロントマスクはあまり従来と変わっていないように見えますが、ヘッドライトやバンパーが変わっています。流れるウインカーは好き嫌いがあるかもしれません。テールランプはLEDで「X（クロス）」の文字に点灯するのが遊び心ある演出ですが、ジープ・レネゲードやアベンジャーと酷似。ただ、8色のボディカラーはどれもT-CROSSに合っていて楽しげな雰囲気を伝えてくれます。インテリアはVWらしい質実剛健をベースとした落ち着いたデザインです。

マイチェンで質感向上、Bセグ輸入車を探しているなら要注目

2024.10.18

年式

2024年7月〜モデル

総評

全長4140mmのBセグメントSUVで、2024年7月にマイナーチェンジを実施。内外装のデザインや質感が洗練されているだけでなく、市街地でも高速道路でも、なかなかスポーティかつ快適な走りを堪能可能。そして荷室も後席も、ボディサイズから想像するよりはずいぶん広いということで、Bセグメント付近の輸入車を探しているすべての人におすすめできる。

満足している点

決して「高級感が強い」というタイプの車ではないのだが、いわゆるBセグメントのSUVとしては、すべての質感が高い。インテリアのしつらえやセンスは良好。そして動力性能が十分以上であることに加え、素直で安定感の強いハンドリング性能も有している点が、このSUVに「クラスを超える全体的な質感」を与えている。

不満な点

クラスを超えた質感の高さを全体から感じるのは事実だが、ひとつ上のCセグメントに属する同門「フォルクスワーゲン T-Roc」と直接比較すると、やはり「クラスなり」と感じてしまう部分はある。また1Lの直3 TSIエンジンは1000rpm台でのみ、少々非力である。

デザイン

エクステリアの基本的なフォルムはごく普通の2BOXスタイルなのだが、なぜか洒落た雰囲気に思えるのは決して“舶来物信仰”から来るものではなく、“デザインの力”ゆえだ。インテリアは、2024年7月のマイナーチェンジでダッシュパッドにソフト素材が採用されたことで、まずまずの高級感を得るに至っている。

フォルクスワーゲン最小のSUV

2023.7.20

年式

2019年11月〜モデル

総評

タフなSUVイメージがあるものの、実はオンロード向きで、車両構成はコンパクトハッチ「ポロ」の発展版だ。MQBプラットフォームによるゆとりの走行性能を持ち、パワートレーンはしっかり使い切るイメージで活発に走る。前席、後席とも小ぶりなシートながら正しい着座姿勢で快適。ボディサイズは小さいが後席も安楽で、ラゲッジルームは大きめで実用性が高い。

満足している点

大らかな見た目とは裏腹に、乗り味がシャキッとしていて俊敏で、背の高さを感じさせない優れた走行安定性を実感できる。少し大きなタイヤを履き、最低地上高と車高がやや高くとられた。そこにアウトドアシーンをイメージさせるタフな外観を組み合わせた。こうしたシティユースに的を絞ったSUVはこの路線が定着しているが、なかでもTクロスは道具感にあふれる。

不満な点

初期モデルはアイドリングストップ機構からのエンジン再始動時にタイムラグがあり、発進時に軽い振動を伴っていた。これは主にDSG（デュアルクラッチトランスミッション）の制御が要因。質実剛健的なのは美点だが、室内デザインはあっけなく質感もほどほど。フォルクスワーゲンのなかでは安価だがスターティングプライスは321万7000円。

デザイン

前部にアンダーカバーを思わせるデザイン処理を施し、ボディ下端にはホイールアーチに至るまで樹脂モールで覆うなど、一見するとセオリー通りのシティユースSUVに思えるものの、メッキ類を抑え、過度な演出はない。全体的にコンパクト感を演出しながらも下半身ではどっしりとした安定感を生み出した。SUV初心者にも馴染みやすいデザインだ。

フォルクスワーゲンの次期定番モデルになる予感

2022.1.21

年式

2019年11月〜モデル

総評

個人的にはもしも「初めて輸入車を買う」という知人がいるのであれば、必ずオススメ候補に入れておきたいモデル。若干チャレンジングだと感じるデザインさえ気に入れば非常に良い選択と言えるだろう。

満足している点

コンパクトなボディサイズに堅実なメカニズムを合わせてきた点が、まず何よりの長所ではないか。新型車種ながら手堅い造りをしている点はフォルクスワーゲンが次期定番モデルとして根付かせようとしている狙いが表れているのでは。また、運転支援システムが充実しているのは評価が高い。購入して大きく後悔することはないと思われる。

不満な点

あまり大きな不満はないと言えばないが、無難にまとまっているのが人によっては短所となってしまうかもしれない。細かな点まで見れば全く不満がない訳ではないので、年次改良に期待したい。今はそんな「待ち」のタイミングと言えるのも若干のマイナスポイントと言えよう。

デザイン

この手の都市型コンパクトSUVとしてはややチャレンジングなデザインであると感じる。ボディカラーのラインアップからも若年層をターゲットにしていると感じられる。従来のフォルクスワーゲンユーザーならばゴルフやポロの定番モデルの方が落ち着くと感じるだろうが、新世代ユーザーには響くデザインかもしれない。

コンパクトでキュートなSUV

2021.3.27

年式

2019年11月〜モデル

総評

どれだけボディサイズや車種が変わっても、「フォルクスワーゲンはフォルクスワーゲンだな」という安心感がある。T-Crossもそれと同じようにコンパクトSUVで多少ポップな見た目であっても、走行性能自体は安定感があってすっきりとクリーンな乗り味になっている。輸入車のコンパクトSUVで迷っているとしたら、T-Crossを選べば期待を裏切らないモデルになりそう。

満足している点

クルマ自体はフォルクスワーゲンらしい誠実で真面目なクルマ作りが伺えるが、見た目はちょっとポップでおしゃれな印象になっていて、1台で2粒美味しいモデルになっている。目立った性能は特にはないが、その分、フラットで誰にでも扱いやすいクルマだ。

不満な点

特に目立った良い点も悪い点もないので、ほとんど気になるところはない。強いて言うならもう少しT-Crossらしさのような特徴があったらいいかもしれない。

デザイン

フォルクスワーゲンらしい、かっちりしつつ清潔感あるデザインを残しながらも、コンパクトSUVらしくちょっと外したポップさを取り入れているところが◯。テールランプの間がブラックアウトされていたり、インテリアにもボディカラー同色のアクセントカラーを入れたりと、遊び心が見え隠れしているのが良い。