フォルクスワーゲン シャラン 「巨体ではあるものの、ガッチリボディとよく動くサスでコントロールする楽しさを持っているミニバン。」のユーザーレビュー

巨体ではあるものの、ガッチリボディとよく動くサスでコントロールする楽しさを持っているミニバン。

2017.8.29

総評

巨体ではあるものの、ガッチリボディとよく動くサスでコントロールする楽しさを持っているミニバン。3列目の快適性や使い勝手も輸入車では最高レベルではないだろうか。操作系は重めではあるものの、全体的にしっとり感をもたせるという意味で統一されており、乗り味のバランスは取れている。

満足している点

国内で入手できる VW の一番大きいミニバンにクローズドコースで試乗した。全長 4.8m、全幅 1.9m を超え日本では比較的取り回しに気を使うサイズ感ではあるが、ドライブポジションは比較的容易に決まる。細かい点だが、オルガン式アクセルペダルを備えるのも動的質感に貢献している。
クローズドコースで、荷重移動を伴うコーナリングを中心に試すと、VW の硬い足・安定志向のドライブフィールの期待は良い意味で裏切られた。もちろんボディ剛性はドイツ車の期待を裏切らないかっちりしたものとなっているが、この車の特長として、サスがよく動き、ロールの絶対量は大きいもののロールスピードがゆったりとしている点があげられる。今車がどういう状況にあるのか運転者が把握しやすいのである。絶対的な速度としては控えめなものの、荷重移動のリズムをつかみやすく、ある種巨体を振り回しながら、コントロールする楽しさがミニバンながらにあるのである。

インテリアについてはゴルフ6世代のものがベースとなり、最新モデルを見たあとでは見劣りする部分もあるものの、質実剛健なデザインのため飽きづらいものとなっており、まだまだラフに使いたおす魅力がある。3列目の居住性はさすがに優秀である。3 列目用のエアコン吹き出し口があり、大人が快適に数時間着座することができる座面と足回乗りスペース、頭上空間が提供される。リヤハッチ付近のフレームも建て付けがしっかりしており、囲まれている安心感がある空間となっている。リヤハッチまでのクリアランスも約 50 cm 程度確保されており万が一の追突時のクラッシャブルスペースがあるため 3 列目に人を載せて運転しているドライバーにも心理的なゆとりをもたらすものとなっている。

不満な点

1.4 L ターボは車重に対して通常の加速ペースであれば十分な加速をみせるものの、フル加速となるとやはり車重を感じてしまう。ディーゼルモデルがあるとベストマッチするのではないか。また ESC の介入が速いためしっかりブレーキングによる荷重移動をしないで急激にコーナリングに突入すると強制アンダーステアを食らうような素振りも見せた。またこの状態でアクセルを脱出時に踏み込んでもエンジンはすぐに吹け上がってくれない。安全に倒すと基本的な制御ではあるものの、人によっては曲がりづらい、曲がった時・曲がったあとの立ち上がりがもっさりするという感想を持つかもしれない。
ステアリングフィールは中立付近がやや曖昧で、ステアリングの戻りも若干悪い感じがしたので、自分の感性にあうか、試乗時にきついコーナーなどでステアリングの戻り具合をよく検証したほうが良いだろう。
視界に関しては左前の感覚がボディ形状のため掴みづらい部分がある。ボディ形状ゆえ、ある程度しょうがない部分もあるが、自宅付近の道路の取り回し等について事前によく検証されたい。

デザイン

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走行性能

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乗り心地

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積載性

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燃費

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価格

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故障経験