フォルクスワーゲン ポロ 「希少なコンパクトホットハッチ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

希少なコンパクトホットハッチ

2023.6.23

年式

2018年3月〜モデル

総評

ポロと言えば実用的なコンパクトハッチのイメージが強く、取り回し性のよさから女性ユーザーも多い。その中にあって走りのよさを強調するのがGTI。使い勝手のよさはそのままにスポーティな走りが楽しめるホットハッチだ。2022年のマイナーチェンジで走行性能を向上、足まわりも硬質に感じられたが、走り好きの人にとっては納得のできる乗り味だ。実用燃費の向上も見逃せないところ。

満足している点

2022年のマイナーチェンジでエンジンの出力が向上し、標準仕様よりも15mm低いローダウンスポーツサスペンションになったことで、安定感のある走りが楽しめる。エクステリアもGTIらしさを際立たせたデザインになるなど、一段と洗練された仕上がりを見せている。

不満な点

フロントグリルの赤のラインはGTIらしくていいが、インパネの赤の加飾パネルはもう少し控えめでもよさそう。エアコンなどのタッチ式コントロールもいまひとつ操作がしにくい。ステアリングのタッチコントロールの操作性もイマイチだ。

デザイン

3

2022年のマイナーチェンジでヘッドランプをはじめとするフロントまわり、リヤコンビネーションランプのデザインをリニューアル。GTIのリヤエンブレムも中央に移されるなど、モダンな仕上がりを見せている。ただ、SUVが台頭する中にあってポロは小さく、とくに標準モデルは地味に見える。センスのよさはさすがだが、先代にあったクロスポロのようなモデルがあってもよさそうだ。

走行性能

5

GTIが本領を発揮するのはワインディングロード。18インチタイヤとセットで装着されるアクティブダンパーは「スポーツ」と「ノーマル」の2段階の切り替えが可能。ノーマルでも正確な操舵フィールが印象的で、スポーティな走りが楽しめる。エンジンも＋7psの207馬力となり、出力アップ分の体感は出来ないものの、吹き上がりの鋭さはゴルフGTIに準じるレベルにある。

乗り心地

4

マイナーチェンジ後のモデルは硬質感のある乗り味で、目地段差ではゴツゴツとした感触が目立つ。しかし、飛ばした際の安定感の高さはGTIならでは。可変ダンパーをスポーツに切り替えても思ったほどの違いはない。クルージング中の静粛性は高く、ロングドライブでの快適性は上々だ。

積載性

4

ラゲッジルームはフロアの高さを2段階で調節可能。見た目から想像するよりも荷室は広く、フロアを低く設定すると391リットルの容量が得られる。リヤシートバックは6:4の分割可倒式を採用し、後席乗車時も長い荷物の積載が可能。

燃費

4

GTIはマイナーチェンジで燃費が14.5km/Lから15.6km/Lに向上し、110km/h制限区間を含めた高速道路では16.3km/Lの実用燃費を得ている。また、高速＋一般道の約180km走行でも13.8km/Lと、高性能モデルとしては納得のできる経済性と言える。指定燃料はハイオクガソリン。

価格

2

1リッターのTSI Rラインが329.9万円であることを踏まえるとGTIの411.3万円はわからなくもないが、Bセグメントのハッチバックとしては明らかに高価。もう少しプラスすればゴルフGTI（486.2万円）も狙えるだけに、400万円を切る価格で出して欲しかった。