フォルクスワーゲン ポロ 「コンパクトカーを超えたコンパクトカー」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

コンパクトカーを超えたコンパクトカー

2021.3.27

年式

2018年3月〜モデル

総評

愛嬌があって個性的なコンパクトカーだったポロから、とても真面目に大幅に性能アップされたポロへと進化した。印象はだいぶ変わってしまったが、クルマとしての出来は文句なし。サイズも大きくなったので、若い世代のファミリーユースとしてもより活躍しそうな気がする。

満足している点

これまでのポロのイメージを変えてでも、実直に良いクルマが作られているという点。かっちり、しっとりした乗り味で、やはりゴルフが思い浮かんでしまう。Cセグメントでゴルフが世界のお手本になっているように、Bセグメントのお手本もポロだなと思わせる高いクオリティのモデル。

不満な点

全体的な性能や質感が大幅に進化しているため、3気筒ターボエンジンだけが取り残されてしまった印象。シャシー性能に対してややパワーが物足りなく感じる。ドライブモードをSに切り替えるとようやく丁度いいバランスになる。4気筒エンジンを搭載して欲しいと思いつつ、そうなってしまうといよいよゴルフと区別がつかなくなるので難しいのだろうなとも思う。

デザイン

4

これまでコンパクトカーらしくポップで可愛らしい雰囲気だったポロだが、最新モデルになるにつれて、より大人びたシンプルなデザインになった。正直、最新型を最初に見た時には、そのサイズ感からも「ゴルフかな」と思うほど、ひとクラス上の存在感に。もっと明確にデザインを分けてもいいのかなとは思った。

走行性能

4

MQBプラットフォームを採用し、よりしっかりとした骨格を手に入れたポロ。これまでの元気のいいコンパクトカーらしい走りというよりは、しっとりと落ち着いた安定感のある乗り味になった。以前のポロとゴルフの中間に位置しているようなモデルで、これまでのポロが気に入っていた人はその進化に少々驚くかもしれない。ただ車格が上がったように感じる分、3気筒エンジンのパワーが物足りなく感じるところもある。

乗り心地

4

ゴルフもそうだが、ポロの足回りも多少引き締められている。硬すぎず柔らかすぎず、しっかりとボディをサスペンションが支えてくれているような感じ。シートも以前よりきちんと体をサポートしてくれるものになった。

積載性

4

ホイールベースが長くなったことで、室内空間は広がり、後席でもゆったり座れるようになった。特段工夫された使い勝手ではないが、荷室もBセグメントモデルの中では広々と使える印象だ。

燃費

4

燃費は、16.8km/L（WLTCモード）で、特にマイルドハイブリッドなども備えない3気筒ターボエンジンだけのモデルにしては、燃費は良い方だと思う。高速道路での燃費も良好で、最新型のポロのようなしっかりとした走行性能のモデルであれば、長距離の遠出も苦にならないと感じる。

価格

4

価格は約229〜348万円。輸入車の中でもベーシックなフォルクスワーゲンのBセグメントモデルにしては、ちょっとお高く感じるかもしれない。これまでは、「それならゴルフの下位モデルを買う」という人もいたかもしれないが、コンパクトなこのサイズでゴルフにも劣らない性能を持っているとなると、ゴルフを検討している人が、逆に「ポロの上級モデルでもいいかも」と考える人が増えるような気がする。