トヨタ ヤリスクロスハイブリッド 「あらゆるポイントで高評価の万人受けコンパクトSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
5
燃費
5
価格
5

あらゆるポイントで高評価の万人受けコンパクトSUV

2022.12.21

年式
2020年8月〜モデル
総評
あらゆるポイントから見ても好印象となっていて「売れる要素を詰め込んだ」そんな印象の1台だ。今、特に条件を聞かずに一般的なユーザーにオススメの普通車を教えてほしいと聞かれたら、真っ先にヤリスクロスハイブリッドを答えると思う。それだけ隙が少ないモデルだ。クルマ好きからしたら面白くないと感じてしまうかもしれないが、万人受けする要素がキッチリと余すことなく取り込まれている。トレンドと実用をしっかりと計算されつくされた印象を受ける。
満足している点
あらゆるポイントが高い評価でバランスが取れているというのが素晴らしい。この車種で評価レーダーチャートを付けたら、偏りの少ない大きな輪になる。また、他のポイントで触れてこなかったがコンパクトなボディサイズで、見切りも良く運転しやすいのも良いポイントである。運転のしやすさ、運転支援システムの充実度、積載性、価格、燃費、どれをとっても隙が少なく、多くの人に勧めることができるSUVだ。
不満な点
正直気になる点はあまりないが、強いて挙げるとすれば他の上級トヨタSUVにも目移りしてしまうところと、全高の高さだろう。コンパクトプラットホームであるTNGA‐Bプラットフォームであるヤリスクロスに対して、兄貴分のカローラクロスなどは近い価格帯でCプラットフォームを使っているので、走りの質感としてはそちらの方が上手。ヤリスクロスの上級グレードだと、カローラクロスも見えてきて悩んでしまうという声はあるだろう。また、贅沢な話だと思うが、全高が僅かに1550mmを超えているので、機械式の立駐に入らないケースがあるというのも欠点と言える。「あとちょっと…」に感じてしまう40mmなのが惜しいと感じてしまう。
デザイン

5

SUVのデザインはサイズがコンパクトになればなるほど、バランスを調律させるのが難しくなる。そんなボディサイズという制約があるなかで、ヤリスクロスはコンパクトなサイズを保ちながら、SUVらしいデザインと先進性を上手いことバランスさせていると感じる。基本的には都会的なデザインだと感じるが、その大まかな方向性はぶれることなく、アウトドアシーンでも絵になるSUVのデザインテイストを上手くコンパクトなボディサイズに落とし込んでいるあたりは素晴らしいと思う。
走行性能

5

価格帯とボディサイズを考えると走行性能は優れている。TNGAプラットフォームの採用によりボディ剛性が高いのが大きな理由だと思うが、トレッドが稼げずに全高が高くなるというボディディメンジョン的に不利なコンパクトSUVであるにも関わらず、不快なロール感がなく、このクラスとしては直進安定性も優れている。また、実際に走行すると視点の高さとは似つかない軽快感もあり、ハイブリッドであっても比較的軽量な車重も走りに寄与していると感じさせる。
乗り心地

5

剛性の高いTNGAプラットフォームを採用しているとはいえ、コンパクトカー向けのBプラットフォームであることを考えると、あまり乗り心地は期待していなかったが、いい意味で予想を裏切る乗り心地を見せる。Cプラットフォーム採用車と比べると細かな振動はあると感じてしまうが、突き上げ感や振動の収束は1クラス上のレベルを思わせる。また、軽量でコンパクトなSUVながら、同メーカーの車格が上のSUVに通ずるようなどっしり感があるので、長距離移動でも疲労度は少ない。
積載性

5

コンパクトなボディサイズながら390Lというラゲッジスペースの容量は素晴らしいと言える。また、単純に容量が大きいだけでなく、各種機能性が高いのも嬉しいポイントだ。例えばリアシートが4:2:4に可倒するのは、上級車種でもあまりない。長物を積載して4名の乗車が可能というのは、利便性が高いと言える。また、デッキボードも6:4で分割されていて床面高さの使い分けが可能となっているし、このクラスのモデルでありながらハンズフリーパワーバックドアが選べるのも好印象だ。
燃費

5

日本の道路事情に燃費性能的にマッチする一般的なパワートレインは、現状トヨタのハイブリットシステムの他にはそう多くはない。また、ヤリスクロスの場合軽量な車重も燃費性能に良い影響を与えている。WLTCモード燃費で30.8km/Lという性能は、SUVという枠を超えて見た場合でも素晴らしい性能と言えるだろう。燃費の良いSUVが欲しいのであれば、まずは検討すべき1台がヤリスクロスハイブリッドだと個人的には思う。
価格

5

上級グレードでも乗り出し300万円に収まりそうな価格設定は良心的と言える。スペックや装備内容、機能性を考えればバーゲンプライスと言える。また、装備内容を見てもトヨタ車にありがちな、「結局実質的な選択肢は最上級グレード」という展開にならないのも嬉しいポイント。オプション内容を考えても中間グレードGでも比較的満足のいく内容となっている。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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