トヨタの販売戦略というか、住み分けについてなのですが、 ・ポルテとスペイド ・ウィッシュとアイシス このあたりはほとんど同じに見えるのですが、売る側はどういうふうに層を分けているのでしょうか？

Question

補足

ノアとボクシィ、アルファードとベルファイアが販売店の違いだというのは存じていました。 よくよく調べると、ポルテとスペイドは同じベースなんですね。 一つ解決しました。 もう一つの・ウィッシュとアイシスについてお願いします。 これはプラットフォームから違う車ですよね。 ノア/ボクシィも含めトヨタ内でミニバンが乱立しているようにも感じます。 ・ウィッシュにスライドドアとハイトが欲しい→ボクシィでいいのでは？等 ミドルサイズのミニバンの住み分けについても回答お願いします。

Answer 1

トヨタは昔から米GMの販売手法をお手本にしてきました。年齢層や収入、社会的地位といった客層の違いに合わせてブランド(販売網)や車種を振り分けるやり方です。つまり、レクサス=キャデラック(派手な最豪華車)、トヨタ=ビュイック(保守的な富裕層向け)、トヨペット=オールズモビール(そこそこ稼ぎのある中間層向け)、カローラ=シボレー(最量販ブランド。普通のファミリー層向け)、ネッツ=ポンティアック(シボレーでは満足できない若者や、ちょっとガラの悪い人向け。シボレーに次ぐ量販ブランド)という感じです。顔とお尻を変えただけのいわゆる双子車、三つ子車でもこういうキャラクター付けは考えられているはずです。本当はブランドごと変えるべきなんでしょうが、日本はまだアメリカほどの格差社会ではないので、そこまでやる意味はないと判断しているのだと思います。


加えて、各車種にはそれぞれの発売経緯というか歴史があります。歴史があると言うことは、それぞれにそれなりの支持者、固定客が付いているということです。

ノア(カローラ店専売)/ヴォクシー(ネッツ店専売)は長年ダイハツと共同開発してきた商用車、タウンエース/ライトエースのワゴンの流れを汲む、トヨタ単独の開発による乗用車です。日本のミニバンにはこういう商用車から発展したものと、最初から乗用車として開発されたものがあります。アイシス(トヨタ店専売)はトヨタ最初の乗用車ベースのミニバンである、イプサムの兄弟車だったガイアの後継車として登場したものです。前後ドアの間に柱のない、大きく開く両側スライドドアが売りです。一番歴史が新しいのがウィッシュ(ネッツ店専売)で、かつて人気があったホンダのストリームに対抗するために発売したもの。それ以前から市場調査で、３列シートの車が欲しいけど屋根の高いデザインは嫌だ、背の低いシュッとしたデザインの方がいいという意見が上がって来ていたようですね。

Answer 2

販売チャネルは以下のようになっています。

ポルテ：トヨタ店、トヨペット店
スペイド：カローラ店、ネッツ店
ウィッシュ：ネッツ店
アイシス：トヨタ店

カローラ店とネッツ店は20～30代の若いファミリー層が中心、対するトヨタ店とトヨペット店は40代以上の年齢が高いファミリー層が中心の顧客です。また、トヨタ店は営業車などの法人需要も多くコンサバな顧客が多い傾向にあります。

これで、若い人向けにはスポーティな外観に仕立てたモデル、年齢が高くなると落ち着いたモデルを投入しています。そうやって見てみると、各兄弟車の外観の違いが納得できるかと思います。

ただし、このキャラクター分けも差異がほとんど無くなりつつあります。ですからプリウスやSAIにアクア、86といった最近のモデルに関しては1モデルを全系列で販売しています。
ポルテとスペイドに関しても、2モデルで4系列全てに配した形になっています。

これらのことから、トヨタは各販売系列の差を次第に無くして、近年中に系列統合をするのではないかと言われています。「レクサス(高級)」「トヨタ(一般)」「ネッツ(若者向け)」の3系列にするのでは？
ビスタ店とオート店をまとめてネッツ店にしたのは、レクサスを誕生させるためと集約のための先駆けと見られています。

日産はすでに5系列→レッド/ブルーに、ホンダも3系列→ホンダカーズへと集約を完了しています。これにそれぞれ、「インフィニティ」と「アキュラ」の高級チャネルを新設する可能性があるのです。（両社とも2007年に計画が凍結された）

追記：
ポルテとスペイドは、かつてのマークII3兄妹のような顔違いだけのモデルですから、ボディなどは全く一緒です。

ウィッシュとアイシスは、旧カローラ系のプラットフォームから派生している兄弟車です。（新型カローラはヴィッツから派生したヴィッツセダンとなります）
ですから、ドア形状だけが違うとも言えます。

トヨタにミニバンが乱立しているのは確かで、ミニバンブームでオデッセイやストリームが売れて後追いした結果です。トヨタもこのあたりは解っているようで、ミニバンのラインアップは再編、ウィッシュとアイシスには次期モデルの噂は無く消えるのではないかと言われています。

2013年5月頃にフルモデルチェンジすると見られている次期ノア/VOXYが、ハイブリッド化と低床化が可能な新型のミニバン専用シャーシとなります。その後2014年の次期アルファード/ヴェルファイアもこの新型シャーシを採用してきます。

ノアはカローラ店扱いでVOXYがネッツ店扱い、これに第3の兄弟車が存在しておりトヨタ店とトヨペット店に投入される予定みたいです。そうなると、5ナンバーベースのミニバンであるウィッシュとアイシスはお役ご免となる可能性が高いのです。

その他にも、マークXジオとエスティマもモデル廃止の対象にあるみたいです。

このあたりのモデルとノーマルドアのミニバンが欲しい顧客には、プリウスαで対応します。マークXジオはカムリの派生ワゴンであり、同じくカムリ系（厳密にはオーリスやアヴェンシス）ワゴンとなるのがプリウスαになります。

5ナンバーワゴンが消えていく結果となりますが、このあたりはカローラフィールダーと低床化するノア/VOXYでカバーということではないでしょうか。いずれもハイブリッドモデルが存在しますので、トヨタにしてみればソコが重要ということでしょう。

Answer 3

単純に販売店の差です。

格というかなんというか、トヨタ店＞トヨペット店＞カローラ店＞ネッツ店と販売店がいくにしたがって、若向けというかなんというか……まあ、下品、ですよね。
見た目がケバいというか、偉そうというか、なんというか……。

ヴェルファイアとアルファードの違いといって理解していただけますかね？


＞アルファードとベルファイアが販売店の違いだというのは存じていました

それなら話は早い！

＞トヨタ内でミニバンが乱立しているようにも感じます

いやいやいや、ミニバン「だけ」じゃないでしょ。
もうトヨタの車種って何十種類あるのか数えるのも億劫なレベル。
他社と比べればすぐ分かりますよ。「異常だ」って。
スバルなんてレガシィ3種、インプレッサ3種、WRX2種、フォレスター、トレジア（＝トヨタ・ラクティス）……こんなもんですよ。
軽自動車ももはやOEMしか出していないし……。
マツダはもう少し多いけれど。

トヨタはもともと、王道車種と隙間産業の車種を網羅することで、ローラー作戦ばりに徹底して顧客要求に応える万人受け狙いの会社です。流石にやりすぎだよ……と思うけれど。
したがって似たような車が、販売店を変えればしれっと別の名前で（時には見た目だけ変えた状態で）売られている状態。
確かにこれでは「販売チャンネル4つもある必要あるの？」という疑問は当然です。

＞プラットフォームから違う車ですよね

それが実は、同じMCプラットフォームなんですな。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BBMC%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0

トヨタはとにかくプラットフォーム共用化が進んでいます。
これだけの車種を展開しながら、確か基本プラットフォームは5つぐらいしかなかったはずです。
VWの新型MQBプラットフォームも真っ青ですね……って、さすがにMQBの方が新しい分進んでいるか。

もうトヨタも、「販売チャンネルに求められているから」やたらに車種を展開しているんじゃないですかね。
作っている側も何を作っているんだか分からなくなりそう。
それこそ他の方も仰るようにプリウスやSAI、アクアは全チャンネルで取り扱っているわけですから、だったらもうチャンネルを集約した方が……というのは当然の発想ですしね。
言ってみれば、軽自動車の「ナントカ・カスタム」とか「ナントカ・イース」「ナントカ・ココア」「ナントカ・エコ」みたいなもんです。
同じチャンネルでも、ペットネームを少し工夫すればいいんじゃないの……なんてね。

まあ、トヨタ店の顧客とネッツ店の顧客じゃ層が違いすぎるか。