トヨタ ランドクルーザー300 「極限状態でも確実にたどり着くためのクルマ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

5

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
4
燃費
3
価格
5

極限状態でも確実にたどり着くためのクルマ

2022.6.24

年式
2021年8月〜モデル
総評
筆者も昔、80系ユーザーの一人だったので、ランクルの目指すべき走行性能、求めるユーザーの声などは承知しているつもりだ。その上で、300系はこれまでのユーザーにしてみれば夢のクルマであり、最新モデルに惹かれる新たなユーザーにとってみれば、手元に早くおきたい一台。一方、メルセデス・ベンツGクラスにしてもそうだが、ファッション性だけを求めて購入するにはハードルが高い。
満足している点
もっとも満足しているのは走破性能だ。300系になり、オフロードはもとより、我慢を強いられていたオンロードでの走破性能が格段に上がった。先進安全技術もトヨタが誇る上位機能を織り込んでいる。燃費数値そのものは褒められたものではないが、生まれ持った数々の性能からすれば「良」と称すべき。納車待ちがこれだけあるのだから、いずれ中古車市場でも引く手あまたとなること必至。
不満な点
4年以上とも言われる納車待ちだ。通常、この手のモデルは2年で小変更が行われつつ、最近は年次改良を施すモデルも多い。よって、納車待ちの間に装備品などが変更される可能性がある。また、半導体不足により上級装備が省かれたり、納車後、供給が落ち着いてからの後付けになる可能性もある。いずれにしろ車両自体への不満は少ない。
デザイン

4

300系になり洗練されたとはいえ、大型ボディでありながら切り詰められた前後オーバーハングとアプローチ&ディパーチャーアングルが、本格的な悪路での走行性能を重視していることを物語る。ボディカラーにもよるが濃色カラーでは無骨さが際立つ。先進安全技術のセンサー類はこのデザインに馴染むよう影となる部分にインテグレート。GRグレードは専用のデザインとなり軽快感が向上。
走行性能

4

V型6気筒3.3Lディーゼル、同3.5Lガソリン、それぞれ新開発のツインターボエンジンを搭載した。組み合わせるのは10速ATのみ。先代200系から大幅な軽量化と低重心化を図ったことで、走行性能は加減速、カーブ、いずれも格段に高められた。主戦場のオフロードでは柔らかい砂地に深くハマらない限り走行可。オンロードでの進化もめざましく、とくにGRグレードは人馬一体感が強い。
乗り心地

4

標準グレードとGRグレードで乗り心地は大きくことなる。標準はオフロードでの走破性能を中心にオンロードでの走りも確保。GRはその逆で、オンロード中心。専用スタビライザーと高められたスプリングレートによって、ボディが小さくなったかのような動きを示す。ただ、車両重量はガソリン/ディーゼルとも2.5t以上なので、キビキビ感は薄い。20インチもあるがベストは18インチタイヤ仕様だ。
積載性

4

2列5人乗り、3列7人乗りともにラゲッジスペースは広大だ。3列シートを折りたためば5人乗りと同じようにフロアはフラットになるから、かさばる荷物も楽に収納できる。1640mmの室内幅、1320mmのラゲッジルーム幅を活かせば長尺物であっても横に積載できる。ラゲッジルーム高は945mmと余裕があるので縦にも積める。が、地上からフロアまでは高く、重い荷物の出し入れだけは少々つらい。
燃費

3

ガソリンとディーゼルで、渋滞のある都市部を30kmほど乗り比べた。ほぼ同じ道路環境でガソリンが6km/Lであったところ、ディーゼルは8km/Lとほぼカタログ値の差異と同じだった。この走行ルートを現行ハリアー・ハイブリッドで走った際には20km/Lを超えていた。しかし、ランクルは劣悪な走行環境でも確実な走破性能を保つことにある。逆説的に捉えれば、6〜8km/Lでも優秀といえる。
価格

5

エントリーモデルは5,100,000円。額面は高額だが、車両の性能からすれば間違いなくバーゲンプライス。エントリーとはいえ悪路での走破性能は世界屈指だし、快適装備にしても十分だ。これだけ魅力的なモデルだけにオーナーも慧眼で、すでに納車までは4年以上ともいわれる。本格的クロカンSUVにも高級化、上質化が謳われるが、この価格で成立させたところにトヨタの底力を見た。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
トヨタ ランドクルーザー300 新型・現行モデル

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