トヨタ クラウン(クロスオーバー) 「クラウンの記号性を打破するトヨタの挑戦」のユーザーレビュー

Serie 6 cilindri Serie 6 cilindriさん

トヨタ クラウン(クロスオーバー)

グレード:- 2022年式

乗車形式:その他

評価

4

走行性能
4
乗り心地
4
燃費
2
デザイン
4
積載性
3
価格
3

クラウンの記号性を打破するトヨタの挑戦

2023.6.11

総評
私の中でのクラウンは直6搭載車まで。V6となり4気筒THS化した段階で終わっている。THS搭載車は熟成され燃費効率も良いことは評価できるが、興味の沸く対象ではない。

SH35型はGA-Kプラットフォームを採用、新しい皮を被せて発売されたクラウンクロスオーバー。これまでとのあまりの違いに、クラウンを知る多くの層がその姿に疑問を呈した。

次なるハイブリッドシステムとして開発したデュアルブーストハイブリッドシステム。目標とする出力と環境性能を満足させるため、相当の煮詰めが必要だったのではと推察。GA-Kプラットフォームに載る2.4Lエンジンをターボチャージャーで過給、1モーター2クラッチ式のパラレル式ハイブリッドの制御によりフロントモーターとリアのEアクスルに駆動力を配分、DRSと呼ばれる4輪操舵を装備する新しいアーキテクチャ。実用に使う車にはRWDよりFWD、若しくはAWDが適していると考える身にとり、この車に興味が湧いた。

この車に乗り、周囲から「クラウンに乗っている人」に見られているのであろうことを意識する自分に気づいた。意識過剰では?と言われればそれまで。良くも悪くも、それ程「クラウン」という車には蓄積された記号性があることを感じる。

その記号に付与されたイメージは強固であり、これを打破することが今回のクラウンに与えられた役割と認識。疑問を呈する層が厚い=打破している、と見ることが出来れば一定の評価は与えられるのではないか。

結論として、「クラウン」というモノを所有するより、「クラウン」という車に乗るコト、がこの車を選ぶ人にとっての重要な要素ではないのか、ということを感じるに至った。

踏めば加速し、ブレーキもそこそこ、曲がることも厭わず、AWDによる走破性もある。某紙のウエット旋回ブレーキやダブルレーンチェンジテストの評価も満足出来るものだったよう。万能なビジネスエクスプレスとして、これからの世代にアピールする車と評価する。
満足している点
①デュアルブーストハイブリッドシステムとEアクスルによる新たなシャシーによる軽快な操縦性

エンジンの回転フィールや音質など、官能性が高い訳では無いものの、可変型のAWDに四輪操舵など、実用で使う車としての万能感を感じる。1840mmの全幅と2トン近い重量を感じさせない軽快な操縦性は評価出来る。惜しむらくはもう少し燃費が良く、レギュラーガソリンを使えればなお良い。

②電子制御ダンパーによる夢のような乗り心地(言い過ぎか?)。角が丸く安心して段差を乗り越えることが可能、実用車として至極快適。
不満な点
①ハイブリッドシステムの仕様
システム起動に伴い直ぐに始動するエンジンに不満。出庫時には音もなく出発出来るのが望ましい。電池容量があるのが前提となろうが、30秒程度はモーター駆動にできないか?

②分かりにくいユーザーインターフェイスのデザイン
まあ慣れの問題とは言えるが、乗り出して直ぐに理解できるようには思えない操作系。空調などを除き、その多くをタッチパネルで操作をする必要があるのは決して良いとは思わない。むしろ安全面を毀損するのではないかと感じることもあり、高齢の方などは装備を使いこなすことは難しいと思われる。

③狭い後席中央部のトランクスルー開口部
どう見てもセダンとしか思えないが、SUVを標榜するのであればリアゲートを設けるか、せめて可倒式シートに出来なかったか。スキーにゴルフにキャンプへと、ラゲージスペースの拡張性は高いに越したことはない。

④車ではないが、Tコネクトの設定が未だに難儀なこと
Tコネクトの設定は販売店側で行うようになったのは良いとは思ったものの、接続が完了するまで難儀した。コールセンターと販売店の間を行ったり来たり。これは販売店のスキルの差に依るところも大きいかもしれない。自分の場合は事前に設定したモードを三度やり直す羽目になった。初めて使用する人でこの辺りに疎い方は、諦めて使わず仕舞いになることもあるのではないかと思える。
デザイン

4

決して格好良いとは思わないが、どれにも似ていない主張するデザイン。これまでのクラウンが昔の車に見えてしまうほどその主張は新しく、出先では概ね好感を持って迎えられる。この車のデザインはRS用21インチ切削光輝+ブラック塗装ホイールで完結する。他のホイールでは駄目。拡大された全幅も、思った程気にならないのも評価ポイント。

無意味な4本出しマフラーなども廃止され、テールパイプは下から覗かないと目視出来ず、スッキリとしている。威圧感を与えない優しいリアビューは、洗車の際にツルンと丸っこく可愛いらしく思えたことは不思議。

内装はデコラティブなものを好まない層にはシンプルで好ましい。アルミ調・木目調の樹脂やピアノブラック塗装は要らない。欲を言えばイエロー部の色を選択制に出来ればなお良い。ヒップポイントも適切。腰を下ろすというより、そのまま乗り込めるのは老若問わず体に良いと思う。
走行性能

4

必要にして十分。回せば過給と共に前に出る。ecoモードであっても通弊は感じないように思うが、sports+でも極端な差は感じない?回転を上げていくと4気筒のそれらしい音が耳に届く。そこで思い出したのは「トヨタツインカム」というフレーズ。2T-Gや4A-Gのように聞こえなくもない軽やかな音は、窓を開放しても聞こえにくい理由から音出しをしていると推測。ヤマハが音源を作っているとしたら設計者の思う壺だろう。

高速でのマナーはこれまでにない感覚。鼻先が軽く、4輪操舵の恩恵か、まるで腰を中心に旋回するよう。峠道においても軽やかに旋回、車の大きさを感じさせない。タイトなカーブでの身のこなしも、「クラウン」としてみればこれまでと別物の感触。

難点を挙げるとすれば、シフトダウンの要求を受け付けないことがままあり、リズムが狂うことがあったことに加え、攻め込んだ時に期待とは相違する動きも見えたが、一般的な評価軸では許容範囲と思われる。

雪道での走破性に大きな期待をするが、未だ試す機会が無いので無評価。冬が楽しみな車である。
乗り心地

4

乗った瞬間「クラウンだね」と思わせるレベルに合わせた足回り。ゴム毬の上にでも乗っているかのような浮遊感があり、AWDということもありどこにでも入って行けそうな錯覚に陥るのが不思議だ。モード切り替えには大きな差を感じない?
積載性

3

450Lのトランクはキャディーバックを横向きに悠々搭載するも、シートは可倒せず使い勝手は悪い。スキーは3セット積むことを確認したが、最近のファット系のスキーは厳しいかも。キャビンも上方向に余裕があり、ヒップポイントも適切で乗降性も良く、4人が悠々と乗れるパッケージングは優秀。このサイズで5ドアハッチバックなどであれば、これまでにないSUVとして相応の評価を受けたのではないか。というより、次期モデルはそのようなものが望ましい。
燃費

2

ハイオクガソリンを飲み込むターボエンジンは、アクセルを踏み込むと直ぐに始動、極力EV走行に持ち込もうと思うも中々そうなりにくい。

検証してみたところ、発信はクリープ程度以上の加速を必要とした場合エンジンは直ぐに始動。例として60km/hまで加速後アクセルをオフ。54km/hになるとエンジンが停止、モーター走行に。少量のアクセル踏み込みでゆるゆる加速、59km/hに到達した時点でエンジン始動、だと思われる。

燃費は、
街中を丁寧に走って10km/l
高速を巡航し13km/l
がんばって踏んで走って8km/l
トータル11km/l程度と、良くはない。
価格

3

レクサスRX500hと同等のシステムを搭載するこの車、セダンの成り立ちの同じような車と見れば、お買い得とも言えるのではないか。
故障経験
故障ではないが、パワートレーンの振動をダンパーで抑えているようだが、クリープで進むときにエンジンが始動している場合、フロアからの微振動を完全には消せていないように感じることがある。

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