トヨタ アクア 「燃費はクラストップレベル！」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

燃費はクラストップレベル！

2023.11.29

年式

2021年7月〜モデル

総評

2代目となったアクアは全体の質感を高め、居住性を向上。さらにハイブリッドバッテリーにバイポーラ型ニッケル水素を採用することで、従来型に対して2倍の高出力を実現している。先代の弱点を克服し一段と走りの性能を高めているが、同門のヤリスや日産ノートシリーズに対して売れ行きはもうひとつ。いかにもトヨタらしくまとめられているが、際立つ個性を感じられないのがアクアの悩みどころ!?

満足している点

取り回しに優れる5ナンバーサイズのボディは初代と変わらず。ホイールベースを延ばし後席足元に余裕を持たせたことで、ファミリーカーとしても使いやすくなった。内装の質感も高くなり、ヤリスよりも上質な仕上がりだ。燃費のよさは相変わらずで、ノートやフィットを確実に上まわるレベルにある。

不満な点

あらゆる面で初代を上まわる“性能”を盛られていて、いかにも2代目らしい仕上がりを見せる。が、ヤリスほどの個性がなく、ノートのようなモーターフィールも得られない。インテリアデザインもどことなく中庸でファミリーカーのような印象も。

デザイン

4

初代のデザインを受け継ぎながら、ホイールベースを延長してキャビンの大きさを印象づけるアクア。全高は30mm高くなったが、ヤリスよりも15mm低い1485mmに抑えられている。デザイン的にはワンモーションのフォルムに後方が跳ね上がるサイドラインが2代目の見どころ。スポーティグレードとなるZはリヤコンビランプが専用デザインとなり、よりスポーティなまとまりを見せる。2022年11月に登場したGRスポーツは専用パーツの装着で迫力満点。見た目だけではなく、シャシーもスポーティに仕立てられている。

走行性能

4

EVモードの領域が拡大し、スタート時からモーターのみの走行が増えた。さらにバイポーラのおかげでアクセル操作に対するレスポンスがよく、ヤリスハイブリッドよりも力強い印象を受ける。ドライブモードを「パワー+」にすることで加減速をワンペダルで行える「快感ペダル」が作動するが、減速Gはノートよりも穏やかでメリハリはいまひとつ。快感までには至らない。ノートのほうがアクセルを踏み込んだ瞬間にトルクが上がり、よりEVらしい走りが得られる。

乗り心地

4

初代アクアのデビュー当初は硬質な乗り味が特徴でもあったが、マイナーチェンジで乗り心地は改善されている。2代目はさらにしなやかさを増して目地段差を通過しても直接的なショックはうまく抑えられている。Zにはレクサスで実績のあるスウィングバルブショックアブソーバーを装着。16インチタイヤとの組み合わせでも硬質な乗り味にならないのはいいが、どことなくフワついた感触があるのが気になるところ。

積載性

3

ラゲッジルームはFFで300Lを確保する。後席シートバックは6:4分割で前方に倒すことが可能だ。後席を倒した際にフロアとの段差が生じるが、アジャスタブルデッキボード（FFではオプション）を使うことで後席収納時でもフラットなフロアが得られる。

燃費

5

WLTCモード燃費はFFで32.0km/L、E-Fourで30.0km/Lと優秀。ヤリスには及ばないものの、日産ノートやホンダフィットを上まわるレベルにある。実際の燃費も100km/hをキープした高速走行で28km/Lをマークするほど。一般道でも20km/Lを下まわることはなかった。

価格

4

装備内容の充実したZは240万円、売れ筋のGは223万円だ。ZにはバイビームLEDヘッドランプ、LEDフロントフォグランプ、LEDライン発光テールランプ、15インチアルミホイール、10.5インチディスプレイオーディオが標準装備となる。Gでも必要にして十分の内容だが、Zのほうがお買い得感がある。