スズキ ワゴンRスマイルハイブリッド 「ひとりでも家族でも似合うスライドドア車」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

まるも 亜希子
まるも 亜希子(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
5
燃費
5
価格
4

ひとりでも家族でも似合うスライドドア車

2024.1.29

年式
2021年9月〜モデル
総評
スライドドアの便利さは欲しいけど、ファミリー向けのクルマが欲しいわけじゃない、という人にピッタリです。買い物などで荷物の出し入れをサッとしたい人。愛犬を乗せて大きな公園やドッグランまでのドライブが多い人。自宅駐車場が狭く、スライドドアからの乗り降りが便利な人。車内での待ち時間や休憩時間を快適にしたい人などなど。ワゴンRが持つ基本性能の高さと、スペーシアの持つ広い空間のいいとこ取りをしつつ、デザインが大人っぽく進化し、上質感もアップ。ターボモデルがラインアップしたことから、より幅広いシーンで活躍する軽自動車になっています。
満足している点
とてもオシャレでセンス良く仕上げられているインテリア空間。とくにシート表皮は手織りのニットのような肌触りで、座るとホッとリラックスできます。よく見ると、あえて1つ1つの縫い目が異なるような手作り感を出しているとのこと。カラーコーディネートも2つあり、広さ感を演出するアイボリーと、トラディショナルで落ち着き感のあるネイビーに、光の加減によってさまざまな表情を見せるカッパーの加飾がこれまでの軽自動車ではなかったようなセンス。キルティング生地のような模様が施してある天井も魅力的です。
不満な点
走りのフィーリングや操作性は、ワゴンRからスライドドアなどで80kg増量していることをほとんど感じさせない、十分な仕上がりとなっていると思いますが、どうしてもブーンというノイズは遠慮なしに室内に入ってきます。試乗中に途中から雨が降り出したこともあり、高速域では雨音やロードノイズも大きく、後席との会話はちょっと声を張らないと厳しいなと感じました。
デザイン

4

かわいいだけじゃなく、どこかホッと和むようなフレンドリーさがあり、自分でいろいろと飾ったり加えていきたくなるような、ベーシックな要素がしっかりあります。キャビンは水平基調で、丸目のヘッドライトやリアコンビランプの長方形も角を丸くしたりと、丸いモチーフで優しい表情をプラス。でも、かわいさよりも洗練されている質感が伝わってきて、男性にも似合うデザインになっていると感じます。ライバルとなるダイハツ・ムーヴキャンバスや、スズキではハスラーやラパンのように、パッと見てかわいいと感じるようなキャッチーさは薄いものの、見ているうちにじわじわと魅了されていくような、なかなか味のあるデザインではないでしょうか。
走行性能

5

左右のピラーをなるべく細くしたり、ワイパー位置を下げたりという工夫もあり、スクエアでスッキリと広い視界を確保。ワゴンRと比べてヒップポイントが70mmも高くなっているというから、遠くまで見通しやすく、運転しやすいと感じる人が多いでしょう。スライドドアになっても最小回転半径4.4mはキープしており、市街地での取り回しは抜群。ノンターボですが、発進から過不足ない加速フィールが得られます。スペーシアに比べて全高が90mm低いこともあり、カーブやブレーキングで前後左右にグラつくような挙動がまったくなく、4輪の接地感がしっかりあるので安心して運転できます。
乗り心地

5

後席にも座って走行しましたが、乗り心地は安定感があって快適です。後席は前後スライドが160mm、リクライニングが6段階で12度という調整幅があり、シート位置を最後端にすると拳7.5個分ものスペースに。室内高は1330mmと、小学校低学年の子供でも立てるほどの余裕があり、ワゴンRと比べると後席のヘッドクリアランスは42mmも広がっています。スペーシアの室内高1410mmには敵わないですが、あくまでパーソナルユースをメインとするワゴンRスマイルらしい、広すぎないけどゆったりと過ごせる空間となっています。
積載性

5

掃き出し口の高さがちょうどよく、後席が5:5分割でほぼフラットになるラゲッジは、荷物が積みやすくなっています。助手席もフラットにできるので、スキーなど長尺物もOK。室内の収納スペースも優秀で、スズキ軽伝統の助手席シート下収納ボックスをはじめ、大きめのスマホが置けるトレイの隣りにUSBジャックが備えてあったり、運転席の後ろにはフックとカップホルダー付きの折りたたみ式パーソナルテーブルがあったりと、文句なしの充実度です。
燃費

5

自然吸気エンジン+ISG搭載のマイルドハイブリッドで、カタログ燃費は25.1km/L(WLTCモード)を実現。市街地をちょこちょこと走るような、本来ならあまり燃費には良くないシーンでも、モーターアシストのおかげで効率良く走ることができます。ただ、上り坂を長く走ったり、高速道路で追い越し加速を繰り返すなどが続くと、ターボではないのでパワーをもっと出そうとしてアクセルを強めに踏んでしまい、燃費が想像以上に悪化する可能性も高いといえます。
価格

4

HYBRID SとHYBRID Xは外観もツートーンルーフとなったり、メッキ加飾が増えたりするので、どちらも150万円オーバーです。自然吸気エンジンとなるGより20万円くらいアップしてしまうので、1人で乗る軽自動車としてはちょっと割高感があるかもしれません。ただ、スライドドアがあるので独身時代に買っても長く使えることはワゴンRスマイルのメリット。そう考えると、長く使うのなら元はとれるくらいの価格ではないかと思います。
まるも 亜希子
まるも 亜希子
自動車ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌編集者を経て独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員。YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」、「おっさん on boad」にも出演中。
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