スズキ ワゴンRスマイルハイブリッド 「しっかりと考えられたスライドドア軽」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

しっかりと考えられたスライドドア軽

2022.1.21

年式

2021年9月〜モデル

総評

スライドドア軽として最も外しがない手堅い作りをしていると感じる。スライドドアが一般的になりつつある現代で、ベーシックな軽自動車の選択の1つとなり得るのではないかと思う。キュートなデザインが気に入るのであれば、スライドドア軽を検討する際に是非とも選択肢に入れたいモデルであることは間違いない。

満足している点

スライドドアと現代で必要な装備を備えながらも価格が抑えられている点が良い。また、リアシートの調整やアレンジ幅が広いのもライバルに対して抜きん出ているポイントと言える。全高低めのスライドドア軽としては後発のモデルであるため、しっかりとツボを抑えて間違いのない選択となっている印象を受ける。

不満な点

どちらかというと女性ユーザーをターゲットにしたデザイン性やカラーバリエーションを感じるが、もう少し男性ユーザーもターゲットにした作りでも良かったのではないかと思う。近年は利便性の高い軽自動車の需要は高まりつつあるので、そう思っている男性もいなくはないはずだ。今後派生車種やグレードでそういった展開がされることに期待したい。

デザイン

4

ワゴンRのネーミングが与えられてはいるが、デザイン上ではその統一性を感じられるポイントはない。どことなく笑っているようなフロントマスクはスマイルという名前にふさわしい。2トーンカラーが用意されている点はトレンドを押さえていて、ファッショナブルで好印象。

走行性能

4

走行性能で語るモデルではないと思うが、スライドドアが装備されている軽自動車の中では全高が低く、NAエンジンではあるがマイルドハイブリッドが装備されているため加速性能も比較的良好といった具合。ハイブリッドで低速域の静寂性も悪くないので、スライドドア軽として見たとき大きく不満が出ることはないと思う。

乗り心地

4

街乗り低速域での乗り心地は優れていると言えるだろう。スライドドアを有する軽スーパーハイトワゴンと言っても、ボディが新世代のものになっているのも効いていると思われる。高速域での乗り心地は少し苦手という印象。低速域に振った足回りと思われる。

積載性

5

スペースとの戦いになってしまうので積載性が特段優れているという訳ではないが、細かな収納が用意されている点はユーザーニーズを見事にくみ取っていると思う。また、秀逸だと感じさせるのはリアシート。左右独立してスライドできるほか、リクライニングも可能。シートアレンジの幅も広く可倒時にはフラットになるので、使いやすさという面ではとても考えられていると感じさせる。

燃費

5

スライドドアが装着され車両重量が重たくなっている分、軽自動車の中では良好な燃費とは言えない。しかし、スライドドア軽という部類で見てみるとマイルドハイブリッドの影響もあってか、燃費性能は優れている。後発なだけにユーザーが気にするポイントもしっかりと押さえているスペックと感じる。

価格

5

上級グレードでも160万円程度（2WD）という価格設定はスライドドア軽としては良心的と言えると思う。欲しいと感じさせる運転支援システムがメーカーオプションになっているのがネックではあるが、それでもオプション金額が大幅に高いということはない。マイルドハイブリッドで装備内容を考えればコストパフォーマンスが高い1台と言えるだろう。