スイフトスポーツ なんてキレイな車だ!
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ポロに乗って「自由自在さ」に驚き、
アクセラに乗ってもっと「自然」であったことに日本車やるねと嬉しくな
2012.1.1
- 総評
- スイフトスポーツ なんてキレイな車だ!
:
ポロに乗って「自由自在さ」に驚き、
アクセラに乗ってもっと「自然」であったことに日本車やるねと嬉しくなり、
スイスポに乗り、その雑味のなさに、何度も頭に浮かんだのが「キレイだ」という言葉だった。
素のスイフトも良かった。唯一エンジンの出力・フィールが物足りなく、ここさえ改善されたらと思っていたところが改善されたのだ。悪いわけがない。
この車のすごさは、動き出してすぐに感じた。
精巧なのだ。
「スポーツ」を名乗るぐらいだから、クラッチを繋いだ瞬間ビクッと前に出たり、逆に低速トルクなくノッキングしそうになるのかとも思ったが全く違った。
初めての乗車なのに私の思い通りに加減速・旋回をしてくれたのだ。
市街地での試乗だから、当然高回転でのレスポンスや旋回時の安定性など見るわけもなかったが、だからこそ、最も使用頻度の高い日常での使い勝手がわかり、とても有意義であった。
価格168万円。
面白いのは話題のアクア(ベースグレード)と、ホンダ渾身の新型軽N-BOX(2WDターボ)と値段も生まれた時期もほぼ一緒だということ(N-BOXはノーマルはもっと安いが、ターボの方がオールマイティ)。それなのにこれだけ個性が違うというのも―――車ってオモシロイ。
ただし、車両価格は同じでも、アクアはエコカー減税対象車であるし復活する補助金ももらえる。HVも付いて燃料代は安く、環境性能も高い。N-BOXは購入時にかかる諸経費も毎年かかる税金をはじめランニングコストが安く、小さな車体は扱い易そう。スイスポは・・・・エコカー減税の対象車でもないし、当然補助金なんてもらえない。燃費も悪くランニングコストも割高だ。
ゆえに、最も売れ行きを左右する「お買い得感」は他2車に及ばないだろう。
しかし!
限られた人生、どうせなら少しでも豊かにしたいもの。スイスポなら、単なる移動時間が待ち遠しい充実した時間になるだろう。
資源や環境は「子孫からの預かり物」という考え方に賛同したい。
しかし、車については、エゴがもたげてくる。どんなシチュエーションでも気持ちのいい運転がしたい。そんな欲求にドンピシャに応えてくれるのがスイスポだ。これが168万円!?なんとポロの50万円安。バカ安だ!!
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- 満足している点
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*エンジン*
ほんと「きれい」に回る。
アクセルを少しずつ踏むとそれに正確に応じてなめらかにエンジンの回転数が上昇する。驚いたのが、その際、雑味のある騒音や振動を全くといっていいほど感じなかったこと。低速トルクも十分。高回転型のピーキーな特性を覚悟していたのだが、まったく逆。これほど思いのままに扱いやすいエンジンとは思ってもみなかった。
このエンジンを、本領である高回転まで回した時、どんな感動を味わえるのか、う~ん味わってみたい。
*シフトフィール*
新型6速MT。
レシオがクロスしていて、変速しても余計なGを感じない。シフトノブにも余計な遊びもなく、重くもなく、コキコキ狙った所に「キレイ」に決まる。気持ちいい。
*サスペンション*
前/後はストラット/トーションビーム。型式だけで肯定否定することがいかに不毛かは、この車に乗ればわかるだろう。
「スポーツ」を名乗り、軟らかくはない。路面の凹凸をよく拾う。しかし、それが全くネガに感じなかった。サスは硬いながらもよく動いて、角を丸めて、一発で揺れを収めてくれる。街中の荒れた舗装ぐらいでは全く破綻がない。路面情報を的確に教えてくれるという感じ。
*ハンドリング*
適度な手応えで回せ、感動すべきは狙ったラインを車が「キレイ」にトレースしていた点だ。
*高いボディ剛性*
これらの雑味のなさは、優れたボディ剛性に裏打ちされたものであろう。嫌な音はどこからもしない。「キレイ」である。
*シート*
左右のサポートが大きく張り出したスポーツタイプのシート。座り心地がとてもよかった。広い面で腰や背、大腿を支え、疲れにくそうな形状だった。ヘッドレストも、後頭部に自然に触れる。乗降性も問題なし。
後席もまずまず。ヘッドレストも十分な高さになる。中央席にもヘッドレストがあるのも日本車離れしてる。が、頭上の高さが足りない。特に中央席。とても大人が座れるようなものではない。
*蛍光イエローのボディカラーが選べる*
雪国では白や銀、暗色はほんと目立たなく昼間でもライトを付けないと歩行者や他の車に危険だ。この色を選べば、少しでも安全に寄与できそう。
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- 不満な点
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*(カタログ)燃費が悪い*
10・15モードでも15.6しか出ない。あの気持よさを維持するためにはこれだけエネルギーが必要だということなのか。しかし、デミオもアクセラもポロも、あのいい走りでもっといい値である。が、MTはカタログ値からの落ち込みは少ないから上記3車ともいい勝負ができるのではないか。とくに6速の採用は高速巡航の燃費低減に大いに貢献してくれそうだ。
*最低地上高が低い*
走行安定性をスポイルしない限り、ロードクリアランスは大きい方がいい。走破性が増し、いざという時、より役に立ってくれるだろう。
スイスポのそれは130mm。低い。まあ、アクセラ(スカイアクティブ)もポロも同じ値だから、取り立てて低いわけでもないが、150㎜、欲を言えば160㎜ほしかった。それならクロスポロという選択肢もありそうだが、燃費が悪くなる。地上高155㎜のデミオ・スカイアクティブが実はなかなかのウェルバランスなのかもしれない。
*安全装備不足*
横滑り防止装置が標準装備されているのは良いが、カーテンシールドエアバックもサイドエアバックも付けられない。剛性アップに寄与しない重量増や価格増は認めないということなのかもしれないが、だったら3ドアにすれば上記2種のエアバックの重量と価格はあっという間に取り返せる。さらにボディ剛性も上がる。
*最小回転半径がでかい*
コンパクトカーで5.2mはデカイ。我が軽ボンバンなら4.2m。直径でいえば2mの差。もう少しタイヤ幅を小さくできなかったか。そうすればタイヤ切れ角も大きくでき、4m台にできただろう。タイヤの抵抗も減り 燃費もよくなったろう。
最後に――
☆好燃費はだれのため?★
燃費いい車に乗りたいなら○○にでも乗ってろ!と言い放つ者がいる。気にしたいヤツだけが気にすればいい、自分は関係ないというスタンスだ。
燃費は趣味ではない!子孫に対する全ての大人が意識しなければならない不文律=マナーであると思う。資源や環境は子孫のためのものだ。関係ないでは済まされない。
それが分っていて、イースよりもスイスポ、アクセラに気持ちが傾く私は、確信犯であるという点でかなり悪質なのか――――普段はなるべく車に乗らないようにしているが、免罪符にはな・・・らないか。
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