2世代前に戻った走行感覚
外観は気に入りましたが、走りの面では2世代前のGT Bスペックに戻った感じですね。
先代では少々弱々しかったフロントマスクも
2009.6.3
- 総評
- 2世代前に戻った走行感覚
外観は気に入りましたが、走りの面では2世代前のGT Bスペックに戻った感じですね。
先代では少々弱々しかったフロントマスクも、歴代のレガシィの中では一番気に入りました。このたびサイズアップしたレガシィシリーズの中では、B4がデザイン的には一番まとまっているように感じます。どっしりとしたスタイルは、重厚感と力強さのバランスがとれているように感じます。
では、走りはどうか。試乗した感想としては、先代より全く進化の跡が感じられないという印象です。その走行感覚は2世代前のGT Bスペックとイメージがダブるものでした。よくいえば、サイズアップによる重々しさを微塵も感じさせない走り。でも先代レガシィのリファインされた走りを知っている者とすれば、騒々しく、また落ち着きのない足まわりがとかく目につきました。
「最新のレガシィが最良のレガシィ」と語られるのは、もはや過去のものとなったのでしょうか。
今回はいつもよりモデルチェンジのタイミングが1年遅かったにもかかわらず、その進化の跡が明確ではないのが、スバリストの私としては寂しかったです。
- 満足している点
- 現在、私は先代モデルのアウトバック2.5XTに乗っているのですが、走行モードが3パターンから選択できるSI-DRIVEは、実用的です。エコ-モードのIモードでも十分な走りっぷりです。街中走行でゆったりと、でも力強く走行できる点が気に入っています。
スバル伝統のAWDによる走行安定性の高さも魅力です。
それから、サイドミラーの天地サイズが拡大した点も改善点でしょう。特にバックの車庫入れの際に有効だと思います。
リアビューもすっきりとしつつ、安定感が増したデザインで気に入りました。
- 不満な点
- ・スポーツモデルのSパッケージにしかビルシュタインのサスペンションが設定されなくなった点
・Sパッケージの走りには荒削りな面が多分に残されており、足周りが十分に煮詰まっていない感 じがする。その走りは2世代前GT Bスペックに瓜二つだと感じた、一般道の走行でも上下のピ ッチングが激しく、ロードノイズも大きい。
また、走行時のエンジン音も車内によく入ってきて、静粛性の面でもいま一つ。
・後部座席の背もたれが全面的に倒れないこと
・コストダウンしまくりの内装。ダッシュボードも硬質樹脂製になったし、ぱっと見はともかく、 じっくり乗っていると、そのコストダウンの爪痕が随所に浮かび上がってくるのが、トヨタ的と 感じるのはうがちすぎなのかなあ・・・・。
・マフラーカッターの口径がサイズダウンしたのも、なんだかなあ・・・・。
サイズアップした故に、エンジンも2リッターターボから2.5リッターへ変わったのでしょうが、馬力・トルクともに先代2リッターGTと大差なく、先代GTの俊敏性を求める人には不満が残るかもしれません。昨年に登場した私の先代アウトバック2.5XTより、エンジンや足回りはリファインされているはずなのに、試乗の帰りにアウトバックに乗り換えた時、自分のクルマの方が良いと感じたのは、歴代レガシィの試乗では初めてでした。
また、サイズアップした分、クルマのランクが上がったと思われがちですが、内装のレベルからすると全くそんなことはありません。むしろ、ボディサイズが大きくなった分、内装のチープさとのギャップが際立つように思えてなりません。
価格があと5~6万円アップしてでも内装の改善を望みます。
目に見えないところで手を抜かないのがスバル車でした。しかし、今回、目に見える部分の手抜きを見るにつけ、それなら目に見えないところも・・・と疑心暗鬼になってしまいます。
スペシャル感がなくなったレガシィ。
安くてお買い得な車なら、別にスバル車ではなくてもよいのです。スバル車のレーゾンデートル(存在証明)を感じさせるレガシィの復活を強く望みます。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験