スバル インプレッサ スポーツ 「運転自体が楽しくなるクルマ」のユーザーレビュー

運転自体が楽しくなるクルマ

2020.11.26

総評

高級感とかは抜きにして、乗るほどに楽しくなる稀有なクルマだと思います。しかもその辺の街乗りでも楽しいので、ファミリーカーだと仕事半分みたいな気分になりがちなのが、どっか出掛けたいな、とも思わせます。
新車で200万であれば、ヤリスクロスやマツダ３などのライバルも強力ですが、全体的な仕上がりは明らかにクラスを超えており、多くの人が基本に忠実な運転間隔の良さを味わえる車と言えるでしょう。総合的なバランスでは、ベースグレードが最良とも思える良心的な一台であると思います。

満足している点

アイサイトの全速度域ACCと60km/h以上レーンキープが素晴らしいです。
アクセル／ブレーキを任せるだけで、こんなに周囲の車や交通状況に意識を振り向けられるとはビックリです。非常に周囲の車の動きが掴みやすくなり、大変安心感が高く運転が楽になりました。
アイサイトだけで一昔前なら50〜100万くらいの価値があるでしょう。

主に妻が通勤や子供の送迎に使うので、安全性と乗り心地を優先しましたが、バッチリです。
1.6i-Lの205/55/R16は少し太くて薄いのではと思いましたが、車体の剛性が高く細かい凹凸も吸収してくれるので突き上げもマイルドで良かったです。ちなみにタイヤは、これまでの車で、たまの雪を用心してスタッドレスに履き替えていたのを家計のコスト削減のため、ミシュランのクロスクライメートにしてみました。上述の通り、乗り心地に不満はありません。

土日に運転して後ろに乗せると前の車ではリアがハネて、もっと丁寧に運転してよ！運転替わるわ！とボロクソに言われてましたが、インプだと、これなら後ろに乗ってもいいわ！となってるので本当に良かったです。ふいー。

新車の車両価格194万を中古120万くらいで購入したので、インテリアの質感も満足です。1.6i-Sや2.0i-Lでは塗装やメッキされてる部分がカーボン調の樹脂だったりしますが、出来る範囲で工夫している感じが好ましく、全体にオーソドックスな左右対称でまとめられてるので落ち着いた印象で良いと思います。

メーター内のマルチファンクションディスプレーとセンターディスプレーに情報が重複するのはやり過ぎじゃないかとも思いましたが、アイサイトの動作状況の優先度が高いので、これはこれで良いかなと思います。何より、エンジン含めた装備の共通化がコストダウンの肝になっていると思いますので、変なラインナップの差別化がないのはとても良いと思います。

シートが硬いとかホールド性がないとかのインプレも事前に読んでましたが、ドイツ車的な長時間運転で疲れにくい設定であり、欧米の180cm/80kgくらいのドライバーをターゲットにしているなら妥当でもあり好みの方向性でもあります。

高速で少しパドルシフトを試してみましたが3速6千回転くらいで100km/hほどであり、4速にすると4千回転くらいまで落ちるので、7速ある割には、案外クロースしていないのだなと思いました。そこから再び6千回転に上がるまでにやや時間がかかるので、7速で180km/hまで持っていくのはかったるいのかもしれません。これも共通化ゆえのことでしょうし、正直パドルはおもちゃかな？とは思いましたが、Dレンジでもシフトダウンは効くので坂道が多い住居周辺では下り坂でエンブレを使うのに非常に重宝します。50km/h、1200回転あたりで既に4速に入ってたりするので、3.2.と落として少し急な坂や停車前などでは1速に入れてみますが、エンブレ自体もマイルドになるような制御のようで、後席からのクレームも減り良かったです。

パドルシフトもそうですが、ライト/ウインカー/ワイパーのレバーやステアリングスイッチが自然に指が届く範囲に寄せられているので、操作が非常に楽なのは素晴らしいと思いました。何しろこの車格でパーキングブレーキもスイッチ式で後退ホールドも備えているので文句の付けようがありません。

静粛性は、街乗りレベルは非常に静かな部類だと思います。スタート直後のアイドリングで車を降りてみると案外ノイズが大きいので意外でした。また5千回転ほど回すと、やはり騒音は大きくなりますが、ヒューンというようなモーター音みたいな音で水平対向はこういう音なのか、と少し意外でした。

幅が1800mm近いので大柄に見えますが、ミラーの飛び出しが少ないためすれ違いに必要な幅は2mちょいに抑えられています。また、ウィンドウからの見通しは良く、車体の見切りも良いので運転してるとひと回りコンパクトな車のようで運転しやすいです。しかし、リアウィンドウは小さめなので、自宅周辺に子供と高齢者が多いこともあり、付いていた2010年モデルの楽ナビliteにとりあえずバックカメラを追加しました。こちらは年式が古過ぎて車体の延長ラインが設定出来ないのですが、人を傷つけずにすめば御の字です。

外装はエヴァンゲリオンみたいなトヨタ車の派手さはないですが、アウディとBMWを参考にしたようなディテールで地味カッコいいと感じて気に入っています。

あとはスバル車は寒冷地仕様が標準らしいので、冬に効果を感じることがあるかどうか試してみるのがたのしみです。

今時は普通なのかもしれませんが、ハンドルの前後調節とシートリフター、ヘッドレストの前傾調節が標準装備なのは、適切な運転姿勢を得るために非常に有用であり素晴らしい点だと感じました。

不満な点

スポーツという名前が1.6i-Lではなんちゃってぽくて気恥ずかしいですが、本当のスポーツであれば生産終了のWRX STIを選ぶべきでしょう。しかし、性能を発揮できるステージはクローズドコースになろうかと思いますので、雰囲気は出そうとしている努力を認めて、気にしないようにしています。

広そうに見えるラゲッジも、CD値を下げるためか、リアに向かって落ちて丸まる形状のため、やや開口部が狭くなっているのは残念ですが、コンパクトとワゴンの中間くらいの容量があるので良しとしています。

センターバイザーがフロントガラスに映り込みやすい、というレビューがあり、確かに太陽の位置と背景の暗さの組み合わせによってはフロントの中央下部に白く映りますが、忘れてしまえば忘れられる範囲かなと思います。

ドアが薄くエアバッグセンサーの誤動作につながる恐れがあるため、社外スピーカへの交換が不可という制約がありますが、ディーラーで手持ちのスピーカーが組めるか確認しようと思います。

キーレスエントリーでエンジン始動はキーを回すタイプですが、せめてドアハンドルにオープナースイッチが付いてても良いのでは、と思いました。まあ、スマートキーとセットの装備なのかもしれませんが。

燃費は良く言われるように10km/h前後であり、1.6リットルのエンジンで走行中の回転数は1500回転以下が多くアイドリングストップも付いていながらなぜ、とも思いますが1.3トンの車重が効いているのかもしれません。しかし、数キロの燃費改善のために、この乗り味を引き換えにするなら、個人的には燃費よりもインプを選びます。

どれも、あえて言えばというところであり、積極的に不満というわけではありません。

デザイン

5

自分の車だと一段とカッコよく見えますねえw
低めのルーフと彫りの深い立体感溢れるライト周りがむちゃくちゃ精悍な感じでええですねえ。

走行性能

5

周辺が坂道が多いんですが、ハーフスロットルくらいでもグングン登ってくれるので大助かりです。逆にこれ以上速いと、抑えて走るのにストレス溜まりそうw
ハンドリングも、車体をフラットに保ちながらスーッと曲がるオンザレール感が最高です。
道路のギャップとかは柔らかく受け止めるのにコーナーではロールしない不思議なサスです。

乗り心地

5

シートは硬めで足回りは柔らかめのように見せておいて、前述のように曲がるときは、しっかり踏ん張ります。快適かつ楽しい乗り味です。

積載性

3

ウィンドウが寝ているため、上部の荷室スペースが削られているので、高さがある箱などは積みにくいかもしれませんが（娘の小さい自転車のハンドルがゲートにつっかえましたw 乗るの？と聞かれて、乗るさ！と答えたのを後悔してますw）、車格なりの積載性は確保されていると思います。

サブトランクの蓋のみ布地が貼られてて、左右は樹脂のままなのは割り切りにビックリしましたが、その分安上がりになるなら、全然アリだと思います。

燃費

4

まだ200km弱で9〜10km/lというところで、1.6リットルのNAと考えると、ちょっと切ない感じですが、街乗りでアイドリングで停めてたりしてたので、これからですね。まあ、その辺は車重と動力性能に回されていそうなので、気にしても仕方ないと割り切っています。

価格

5

中古で車両価格120万くらいだったので、めちゃくちゃコスパいいと思います。
新車で200万も十分安いと思いますが、2.0リットルにして四駆にしてオプションつけて。。。とやってくと、かなり跳ね上がるとしても、それでもこの操縦性ならば割安感はあるだろうなと思います。

故障経験