なべふくさん
スバル インプレッサ スポーツ
グレード:スポーツ 2.0i-L アイサイト_AWD(CVT_2.0)
2019年式
乗車形式:マイカー
スバルが良い車を作ろうとしたが、最低地上高が足りなさすぎる
2020.9.6
- 総評
- GG、GH、GP、GTの4世代のインプレッサを乗り継いできましたので、比較ができます。
先代に比べるとボディ剛性が格段に高く感じます。軋み音も1万キロ走っても感じません。
進化している部分が多く、本当にいいものを作ろうとした意気込みのようなものを車から感じます。
しかし、手放しにすべてが進化しているかといえばそういうわけでもなくGH型やGP型の方がよかった点もあります。
乗り心地はGH時代の方がよく、走り全体の軽快さはGP型の方が良かったです。
車にたくさんの機能がついて、重くなりすぎたようです。
人に例えると、中年太りですね。
得るものがあれば、失うものもあるのですね。
ただ、走っていて楽しいか楽しくないかで言ったら間違いなく楽しいです。
どこか遠くへ行きたくなるような、ロングドライブが楽しみになる車です。
これがスバルのいいところ、そこは残っています。
買ったのは2LのAWD(2.0i-L)になりますが、もし今買いなおすなら1.6Lを選びます。
2Lも良いのですが、インプレッサは1.6Lの方が車体が軽くて、車の性格に合っていると思います。
それに1.6LはD型以降、可変容量型のエアコンが搭載されています。これは2Lにはないので、1.6Lが羨ましいです。
また、軽快な走りを求める方はFFをお勧めします。
4世代のインプレッサを乗り継いできているので評価はかなり辛口になっていますが、良い車です。
そして4世代乗ったからこそのおすすめグレードは、軽くて可変エアコンがある1.6L FF(もしくはAWD)です。
と、ここまで書いておきながら何ですが、やはり最低地上高130mmでは、それだけで100点の車が20点になってしまいます。
いいクルマを作ろうとした意気込みが、別な方向に行ってしまっていると思います。
この車のユーザーはスポーツカーが欲しいわけじゃないんです。
それが本当に、本当に残念で、最低地上高が150mm以上に改善されない限り、今後私はインプレッサを買うことはないと思います。
じゃあ兄弟車のXVを買えば?とかそういう話ではないんですよね。だってGH時代は155mmあったわけですから。そのぐらいは日常使いで最低限必要なんです。最低地上高130mmはスポーツカーだけで良いです。
- 満足している点
- ・剛性の高いボディ、よく動く足回り
・AWDのおかげか、FFに比べてとてもまっすぐ走る。悪路でも、普通の曲がり角でも、中央にステアリングも車体も戻ろうとしてくれるので楽です。
・オートビークルホールドと電動パーキングのおかげでブレーキから足を離して休めるところ
・アイサイトツーリングアシストの自動追従、渋滞時は特に役立ちます。
・アイサイトがVer2に比べ良くなりました(逆光に強い。左折車への反応が自然になった。)
・アダプティブドライビングビームがあるおかげで、夜間の山道など運転がとても楽です。ずっとハイビームで走れて、対向車が来ても切り替えしなくて良いです。
・シートポジションメモリがある
・フロントビューモニターがあり、狭いところでの切り替えしが楽
・リアビークルディテクションがあり、後方死角に車がいる時にミラー部が光って教えてくれるので安心
・AWDの安定感、雨の日、風の日の運転が楽
・衝突安全性能が高い(スバルを選んだ理由)
- 不満な点
- 悪い順(不満度が高い順)に書きます。
・地上最低高が低すぎる(130mmしかない)ので、大き目の段差に気を遣う。街中で使う実用車としては完全に失格レベル。
・低速域でのCVTのフィーリングが良くない。ガグガクしながら進むことがある。
・テレスコ、チルトステアリングの可動域がもう少し欲しい。正しいドラポジを取るのに苦労している。
・シートの肩回りのサポートが弱い
・可変容量でないエアコンプレッサーなのでアイドリングストップ時に風がぬるくなる
・燃費が良くない(街乗り10km/L以下)
・アイサイトツーリングアシストのレーンキープのアシストがやや過剰なのと、対向車線に近い方を走ろうとすること。片側2車線の高速向き。1車線の高速道路では怖くて使いにくい。
・車体が重い気がする。先代に比べて軽快な乗り味ではなくなった。
・シートヒーター(革シートでしか選べない)、ステアリングヒーターぐらいはオプションでいいから用意して欲しい。
・2L直噴NAエンジンのフィーリングはいまいち、油温が高い状態だとノッキング音がひどい。先代のGP型の直噴でないNAエンジンの方が好印象。
- デザイン
-
4
- 前から見ると他メーカーにない独特の顔つきをしていて良いと思います。
夜間のヘッドライトはコの字に見えて、カッコいいですね。
後期型からややアクの強い顔になりました。
リアから見るとワイドでローな感じは出ているのですが、いまいちリアはデザインが定まってない感が出てしまっていて、良い評価はできません。
サイドビューはすっきりしていて好きです。
1点失敗したと思ったのは車体色です。ホワイトにしてしまいましたが、濃い色(特にグレーが良い)の方がこの車に合っていますね。
- 走行性能
-
3
- SGPの高いボディ剛性のおかげでとても安心して走れます。
ステアリングを切っただけ車体がついてきてくれるので、ワインディングを走るのがとても楽しいです。
交差点1つ曲がるにしても気持ちよく曲がれます。
気密性が高く、車体のきしみ音が少ないのも良いです。
ただ、CVTの低速域から中速域にかけての動きがぎくしゃくしていて、とても悪印象です。
アイサイトで渋滞追従している時もガクガクすることがあり、半クラッチがヘタな人のMT車に乗っているようです。運転がヘタに思われてしまうかも。
CVTは先代GP型のほうが感触が良かったです。
エンジン低回転域ではCVTとの相性が悪いので、ある程度回転数を上げて走った方が良い気がします。
そういう意味では1.6Lのほうが回転が上がりやすく、CVTと相性がいいかもしれません。
また、ステップ変速のような機能がついていますが、正直なところ無駄なので不要です。
2Lエンジンは直噴化されていてトルク感もあり、力強さを感じます。追い越しや坂道でも力強く加速してくれます。
その分2Lはエンジン音大きめ、振動も大きめです。暖機時は純正マフラーからも大きい音がします。
Sモードはリニアにアクセルに反応しとても気持ちよく走れるのですが、Iモードは回転を抑えているせいかCVTのラバーバンド感があり、たるく感じます。
試乗される際は、必ずSモードの感触を確かめることをおすすめします。
Iモードはけっこうがっかりするかもしれません。
そういう意味では、Sモードのない1.6Lグレードのほうがスイッチで切り替えする必要なく、素直に気持ちよく走れるかもしれません。
本当は星5をあげたいのですが、最低地上高が低いので悪路や雪道がちゃんと走れません。
コンビニ段差も気を遣うレベルなので、星3です。
- 乗り心地
-
4
- 振動や車内の静かさではやはり今までで一番です。先代で気になっていたシャーというCVTのチェーン音も静かに感じます。
乗り心地は街乗りも柔らかで乗りやすく、高速域は特に安定していてフラットな感触です。
ただ、地上最低高をもう+10mm増やして、ストローク量を増やせばもっとよい乗り心地にできたはずです。
ストローク量のあったGH時代の乗り心地の良さにはかないません。
また欧州ライバル車のゴルフ(6,7)と比べると、やっぱりゴルフの乗り心地の良さにはかないません。
- 積載性
-
3
- ハッチバックなので、荷室はこんなものかなとは思います。
シートを倒せば車中泊ギリギリできるサイズです。
ベビーカー1個は普通に積めます。
後部座席はライバル車といわれるカローラツーリングやマツダ3に比べて広く、大柄な大人でも普通に座れるところが良いです。
- 燃費
-
2
- 先代GP(排気量は同じ2L)より悪いですね。
街乗りは10km/L行きません。郊外を走れば15km/L以上は出ますが、街乗りで良くないのは直噴エンジンになったせいでしょうかね。
AWDなので割り切ってはいますが、ここは昨今のコンパクトハッチバックのカテゴリの車としては、良いとは言えないですね。
- 価格
-
2
- スバルは、値段に比べて価値が高い車を提供していましたが、今回のGT型にお得感は感じません。
車両価格は低いように見えて、ナビETCドラレコなどの必要なオプションを入れると結局300万は超えてしまいます。フロアマットなどの必要なオプション価格が高すぎます。
ビルトインナビは特に高く、販売店の粗利取りが顕著に感じられるのが残念です。
今時スマホナビでも充分なのに、そこで利鞘をとるのは時代遅れな感は否めません。
GP型の時と同じ構成でも、50万円程度は値上がりしています。その分機能は良くなりましたが、コンパクトハッチに出せる金額としてはもうギリギリかなと思います。
いい車であることは間違いないのですが、値段相応になってしまいました。
お得感がなくなったのが残念です。
もし今買いなおすなら、1.6i-Sを選びます。
- 故障経験
- 1万キロ走行しましたが特にありません。