スバル フォレスター 「リーズナブルだが燃費がネック」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

3

デザイン
3
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
3
燃費
1
価格
5

リーズナブルだが燃費がネック

2023.11.29

年式
2018年7月〜モデル
総評
SUVは人気のジャンルで、さまざまなコンセプトのモデルがあるが、その中でもフォレスターは分かりやすいキャラクター性を持っている。優れたAWDシステムで高い悪路走破性を実現し、最低地上高も高くウィンタースポーツを中心としたアウトドアシーンで頼れる存在だ。都会的で洗練された印象は薄いものの、この分かりやすいキャラクターは一つの売りだ。また、価格がリーズナブルなのも嬉しいポイント。アメリカ市場を考えるとスバルの屋台骨とも言えるモデルなので、今後もフォレスターが継続していくことは当然だろうが、そのためにはCAFE規制を考えてもストロングハイブリッドシステムでの燃費性能向上が求められる。
満足している点
オンロード、オフロードどちらでも恩恵を感じることが出来る優れたAWDシステム、高い悪路走破性、そしてリーズナブルな価格設定。この3つがフォレスターの優れているポイントだ。スバルのシンメトリカルAWDが悪路で優れているのは広く伝わっていることだが、オンロードでも安定した接地感を生み出すことに寄与している。また、値段は車格とサイズ感、運転支援システムを中心とした充実した装備内容を考えると非常にお買い得。
不満な点
一番は燃費性能だ。環境性能が重要視される時代になり、燃費性能の指標が大きくなった昨今では水平対向エンジンは正直足かせになっていると感じる。ストロングハイブリッドシステムを搭載したくても厳しいものがあるし、エンジン単体で見た燃費性能で考えても分が悪い。何よりマイルドハイブリッドグレードでも、同クラスのガソリングレードより燃費性能が劣っているのも厳しい面がある。抜本的なアプローチの見直しがないと、この欠点から脱することは出来ない。
デザイン

3

アメリカ受けしそうだな、というのが第一印象。ただ、メインの市場を考えれば当然と言えば当然だ。ホイールベースが伸びやかな印象で、大きなヘッドライトとグリル、そして細部のデザイン処理がアメリカ向けといった雰囲気を醸し出している。年次改良でブラック塗装のシャークフィンアンテナとルーフスポイラーが全グレードに標準装備となり、たくましさが強調された。
走行性能

4

ハイブリットシステムが搭載されているとは言え、システム的には世間が思うほどの電気的なアシストは少ない。低速域からモーターの特性を生かしてトルクフルに、という印象もあまりない。しかし、全体的な動力性能やトルク感は十分と言えるだろう。トルクで言えば、1.8Lのガソリンはやや低回転域で不足感がある。また、最低地上高の高さからかロール感は大きいものの、AWDの恩恵で接地感はしっかりとあって不安定な印象は少ない。駆動系の良さが走りの良さに繋がっていると感じさせる。
乗り心地

3

全体的にソフトな乗り心地。一方で、第一印象としてはよく感じるものの、振動の収束は少々残り気味で、高速域でのギャップでは不快感を覚える声もあるかもしれない。ソフト=乗り心地の良さにつながるという訳ではないのだ。ただ、これはタイヤとのマッチングも関係しているかとは思う。ハイブリッド3グレードの中でも17インチが2グレード、18インチが1グレード、17インチは1つがオールシーズンタイヤ、ガソリンは全車18インチのオールシーズンタイヤだ。これだけタイヤの設定があると、どのタイヤに合わせ込むかというのも難しくなってくるのでは。
積載性

3

ボディサイズを考えるとラゲッジスペース自体は特出して大きくはないが、容量の面で不満は出ないだろう。開口部下部が高いため、荷物の積み下ろしは少々やりにくい。X-BREAKには撥水カーゴボードが用意されているものの、クルマのキャラクターを考えれば手入れがしやすい裏面が樹脂製のリバーシブルカーゴボードを全グレードで用意しても良いのではないかと思う。ラゲッジスペースに関しては全体的にコンサバで、特筆するポイントは少ない。
燃費

1

燃費性能は同クラスのライバルと比較すると、大きなウィークポイント。それはハイブリッドでも同じだ。同クラスSUVのガソリングレードの方がフォレスターのハイブリッドより優れている例だってある。現在人気の高いSUVなだけに、そのような差が明確に見えてしまう。フォレスターに限った話ではないが、燃費性能に関しては水平対向エンジンしかないスバルの弱さが出てしまっていると言えるだろう。
価格

5

年次改良で価格は上がったものの、リーズナブル感は健在。サイズ感と充実した運転支援システムを考えると、エントリーグレードで300万円ちょっとという価格設定はかなりお得感がある。また、装備内容を考えるとエントリーグレードでも大きな不満はない。車格と装備内容まで踏まえると400万円台も見えそうではあるが、ライバルたちと比べてもリーズナブルなのでお得に感じる1台だ。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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