プジョー 308 (ハッチバック) 「素晴らしい実用車」のユーザーレビュー

素晴らしい実用車

2021.5.9

総評

【総評】
　時期愛車候補として乗ってみました。1.5ディーゼルなのでパワー的に不安がありましたが、乗ってみると十分なパワーでした。個人的にはもう少し速いと嬉しいですが、普通に使うなら十分だと思います。

　豊かなストロークが生み出す乗り心地に、常にニュートラルに終始するハンドリング…。そのくせ、ちょっとペースを上げてみても、しっかりと車は付いてきます。それでいながら、燃費も20km近く走るそうなので言うことありません。

　モデル末期なのでライバルと比べると質感や、独特のステアリング位置など慣れが必要な部分もありますが、これだけ全方位満たした実用車はなかなか無いと思います。初めてのプジョーに、初めての輸入車に最適だと思います。そんなベーシックな存在ですが、古今東西の車に乗った人でも心満たされる走りがあります。

　ちなみに私は心満たされたので、新型308の登場を大いに期待してます（笑） 同じエンジン＆ミッションが搭載されるそうなので、今から期待しておきます。　

満足している点

【満足している点】
　1.5ディーゼル＋8速ATから生み出される、緻密な走りは流石です。どこから踏んでも、シュワっと染み渡るようにパワーが出てきます。そのトルクの波に乗って、車が追い風を受けているように進みます。

　スペック上は大したパワーは無くて、実際にドンッと踏んでみても驚くほどのパワーは無いんですが…。程よくパワフルなので、全てを手の内に納められるパワーで、持て余すことが一切ありません。同じプジョーで2.0ディーゼルもあって、こちらは更にトルクがあるんですが、正直ちょっと持て余す部分もあると思います。それなら程よく使いきれるトルクを、右足でコントロールさせながら走った方が満足感は高いと思います。”ちょうどいい感じ”それが、このエンジンとミッションの組み合わせにはあります。

　車重1330kgに130PS・300Nmなので、ちょうどいい感じです。スペック的には0-100kmは、10秒ぐらいらしいです。（プリウスと同じくらい）

　Cセグメントのハッチバックとして、リアシートにちゃんと大人が座れます。頭上にも、足元にもしっかりとしたスペースがあります。乗り降りする時にサイドシルが幅広であることや、意外とサイドガラスに圧迫感を感じなくもないですが、これだけ”普通”に座れる車が減ってきているなかでは、貴重な存在だと思います。Cセグメントの車を見ると、どれも個性を出すために実用性という要素を少なからず捨てている印象があります。その中で、全うなパッケージングを守っていることに感謝です。

　前ストラット・後トーションビームで、金属バネにダンパーという普通の組み合わせなんですが、その乗り心地は快適の一言です。しっとり＆穏やかな乗り心地です。55扁平の16インチタイヤと豊富なストロークと相まって、乗り心地は非常に快適です。最近の車はハンドリングの機敏さを狙って、大経ホイールが当たり前になってますが、適したタイヤの厚み＆ストロークに勝るものはないですね。

　ロールは確かにするんですが、ロールスピードが適切で一気に”グラっと”ロールしていかないので、ちょっと鞭打ったぐらいでは破綻しないです。細かく切り返してみても、しっかりと車が反応してくれます。路面に対して反力があるせいか、うねりを超えても常に車体はフラットです。パドルシフトも付いてるので、その気になれば意外と楽しいはず。休みの日に早起きして、峠道でも悪くなさそうです。18インチモデルなら、もっと走りが楽しめそうです。

不満な点

【不満な点】
　モデル末期というのもあると思いますが、ライバルと比べると内装の質感が今一歩な印象があります。登場したころは珍しかったセンターディスプレイも、今では当たり前の装備になりつつありますし…。インパネのプラスチック感が、ライバルと比べると質感に物足りなさを感じます。

　あと2020年10月以降から液晶メーターになったんですが、表示できる項目に限りがあるので物足りなさを感じます。これならアナログメーターと変わらないのでは？ プラスチック感があるインパネに液晶メーターなので、ちょっとアンバランスな印象です。

　試しては無い部分ですが、アダプティブクルーズコントロールは一度停止をすると、再設定をする必要があるそうです。例えば100kmで走っていて渋滞になって停止をすると、約3秒後に設定がリセットされます。前走車に付いていくためには、もう一度クルーズコントロールをセットさせる必要があるそうです。設定時の速度は30kmからになるそうなので、リセット前の速度は覚えていないそうです。508も同じ設定らしいので、これだと渋滞中には使いこなせないのでは？

　100kmで走行中に渋滞に遭遇して完全停止をして、再び走り出すときに100kmまで車が加速していくわけじゃないようです。（MC後の3008 と5008は完全停止しても、前の設定を覚えていて設定速度まで加速するそうです）

　あと小径ハンドルは、短時間ではやっぱり慣れないかな…。ドラポジ優先だとメーターの下側が見えなくなり、メーター優先にすると操作性に癖というか慣れが必要になります。普通の車よりハンドルが下側にあるので、力の入れ方に慣れが必要です。ちょっとだけステアしているつもりでも、思ったより切り過ぎていたりします（汗） 慣れでカバーできる部分かもしれませんが、好き嫌いが分かれそうです。

　普通のステアリングの位置は、腕を持ち上げて操作をする高さにありますが、308の場合は腕を降ろした位置で操作をします。そのためステアする時に自分の腕の重さで、思ったより多くステアしてしまいそうになります。これって、私だけ？

デザイン

4

どこでも馴染むデザインだと思います。

走行性能

4

燃費・コーナリング・乗り心地が全方位に満たされてます。個人的にはあと15馬力ぐらいあると嬉しい（笑）

乗り心地

5

55扁平の16インチに、プジョーのダンパーなので悪いわけないです。

積載性

5

Cセグメントハッチバックとしては十分かと。荷物を載せたい場合はSWもあります。

燃費

5

高速を走ればリッターあたり20kmぐらい走るとか？

価格

5

308の1.5ディーゼルだと、300～350万円ぐらいです。適正価格だと思います。中古車だと割安感も結構あります。

故障経験