日産 エクストレイル 「絶対的には優れたクルマだが相対的に見れば課題も」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

瓜生洋明
瓜生洋明(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
4
燃費
3
価格
2

絶対的には優れたクルマだが相対的に見れば課題も

2024.1.31

年式
2022年7月〜モデル
総評
日産のグローバルにおける基幹モデルのため、その完成度の高さは申し分ないものと言える。質感の高い内外装、「e-POWER」や「e-4ORCE」といった日産独自の技術など、エクストレイルには目をみはる部分も多い。ただ、このカテゴリーには強力なライバルが多く存在しているのも事実だ。そうしたライバルたちと比べると、割高さを感じやすいモデルと言えるかもしれない。
満足している点
「e-POWER」によるスムーズな走りはエクストレイル最大の魅力と言える。また、独自のAWDシステムである「e-4ORCE」がそこに加わることでさらに安定感のある走りとなるため、積雪地帯に住むユーザーでなくてもAWD仕様をおすすめしたい。上質な内外装もエクストレイルの魅力のひとつで、特にメーカーオプションのナッパレザーは質感も高く、ぜひ選びたいオプション。エクステリアデザインも洗練されており、上級SUVらしい満足感を与えてくれることだろう。
不満な点
「e-POWER」を搭載したハイブリッド車のみの設定ということもあり、ガソリン車やディーゼル車をラインナップする競合モデルに比べてエントリーグレードの価格が割高である点は、コストパフォーマンス重視のユーザーにとってはネックとなるだろう。加えて、コストとの兼ね合いもあるのだろうが、先進性をアピールしているモデルであるにもかかわらず車内照明などに非LEDライトが多いというのは少し残念だ。また、ハイブリッド車ではあるものの燃費はそれほどよくない点にも注意が必要。日産独自のハイブリッドシステム「e-POWER」の魅力は、あくまでもスムーズな走りにあると考えたほうがよさそうだ。
デザイン

4

スタイリッシュなルックスへと生まれ変わったエクストレイルであるが、リアのショルダーラインや前後のスポイラーにSUVらしい力強さを感じることができる。そうした印象をさらに強調したければ、「ステルスグレー」などマット系のボディカラーを、あるいは都会派SUVとしてキャラクターを強調したければ、「シェルブロンド」などのボディカラーを選ぶとよいだろう。また、上質感の高いインテリアもエクストレイル最大の特徴のひとつである。奇をてらったところはないが、全体的に洗練されており、長時間のドライブでも心地よさを与えてくれることだろう。
走行性能

4

日産独自のハイブリッドシステムである「e-POWER」は、決して小さくはないエクストレイルのボディを悠々と前に進めてくれる。そこに「e-4ORCE」と呼ばれるAWDシステムが加わることで、地をはうような滑らかな走りをさらに演出してくれる。ただ、いわゆる「ハイブリッド車」に期待されるほどの燃費性能はないと考えたほうがよいかもしれない。また、先進運転支援システムの「プロパイロット」が、最新の「プロパイロット2.0」ではないという点は、注意しておきたいところだ。
乗り心地

3

走行時の静粛性は高く、路面の凹凸もサスペンションが上手にいなしてくれるため、総じて乗り心地はいいと言えるだろう。ただ、後部座席はシート形状がやや平面的であるため、場合によってはホールド感が薄いと感じるかもしれない。また、一部のグレードには3列目シートが備わるが、あくまで緊急用と考えたほうが良さそうだ。
積載性

4

クラストップレベルの荷室容量を誇るラゲッジルームは、ほとんどのユーザーにとって必要十分以上のものであると言えるだろう。一部のグレードに備わる100VのAC電源も、アウトドアを楽しむユーザーにとっては重宝するものとなりそうだ。それ以外の収納については、可もなく不可もなくといったところ。
燃費

3

このサイズのSUVで20km/L近いカタログ燃費を持つことを考えると、燃費性能に対して大きな不満を持つことはないかもしれない。ただ、燃費性能だけで見れば、トヨタ「ハリアー」や「RAV4」のほうが優れていることも事実だ。さらにいえば、エクストレイルが属するミドルクラスSUVというカテゴリーには、BEVやPHEVなども多く存在している。エクストレイルの燃費性能は高い水準にあるが、「燃費の良さで選ぶクルマ」でないことは押さえておきたいポイントだ。
価格

2

エクストレイルの内外装や走りの質感の高さに疑問を挟む余地はないが、300万円台後半から500万円台中盤というその価格帯は、多くのユーザーに二の足を踏ませてしまうかもしれない。それだけの価値があるモデルではあるが、この価格帯を支払うのであれば、トヨタ「ハリアー」やマツダ「CX-60」、さらには輸入SUVも視野に入る。そういったライバルのほうが、所有欲を満たしてくれると考えるユーザーも多いのではないだろうか。
瓜生洋明
瓜生洋明
自動車ジャーナリスト
1987年生まれ。大手IT企業や外資系出版社を経て2017年に株式会社ピーコックブルーを創業。現在では平均年齢25歳のメンバーとともに毎月300本超の記事を配信している。愛車のボディカラーを社名にするほどのエンスージアストだが、新しいテクノロジーへの関心も強く、最新モデルは常にチェックしている。
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