1990年代に日産車の主力2L直4DOHCターボエンジンとして君臨したSR20ターボ。その最強バージョンとして選ばれたのは初代エクストレイルだったのを覚えているだろうか? 短命に終わったSR20VETエンジンに注目!
文/ベストカーWeb編集部・渡邊龍生、写真/日産
日産歴代最強のSRターボ [SR20VET]搭載車は初代エクストレイルGTだった……なぜS15シルビアや初代シルフィに積まれなかった?
■日産スポーツ定番のSR20ターボ
4代目パルサーに設定されたWRCグループAホモロゲモデルのGTI-RにもSR20DETエンジンを搭載
古くは4代目パルサーGTI-R、S13シルビア後期型や180SX中後期型をはじめ、U12ブルーバードSSS、初代アベニールサリュー、2代目アベニールGT、さらにはルネッサやプレーリーリバティなどに搭載されていた名機、SR20DET。
最高出力205ps/最大トルク28.0kgmからスタートしたこのエンジンはパルサーGTI-Rでは最高出力230ps/最大トルク29.0kgmに向上し、S14シルビアのオーテックバージョンK´s MF-Tや続く最終型S15シルビアでは最高出力が250psまで引き上げられていた。
初代エクストレイルGTに搭載された最強のSRターボ、SR20VETは最高出力280ps/最大トルク31.5kgmを発揮
その最強バージョンとなるのが、同じ型式ながら可変バルブタイミングリフト機構の「NEO VVL」を採用したSR20VETだ。SR系エンジン最強となる最高出力280ps/最大トルク31.5kgmを達成し、初代エクストレイルGTに積まれていた。
大幅にスペックを向上させてきたSR20VETは荒々しさを残しながらもターボエンジンらしい魅力にあふれていたのだ。一度だけ撮影でこの初代エクストレイルGTの広報車に乗ったことがあるが、まさにGT系SUVといった仕上がりに感じられた。
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■なぜ4ATの初代エクストレイルGTにしか採用されなかった?
エクストレイルGTにはリアに大型の専用ルーフスポイラーやスポーツマフラーなどを装着していた
初代エクストレイルは2000年11月に登場したのだが、SR20VET搭載のエクストレイルGTは翌2001年2月に日本国内専用車として追加設定されていた。丸形のフォグランプを備える大型フロントバンパーや大型グリル、リアルーフスポイラーなどを採用し、ほかのグレードとは差別化されていた。
もちろん、インテリアも専用アルミペダルに本革シフトノブ、スポーツシートなどを装備していた。それなのに当時の新車価格は282万5000円だったというのだから今聞くと「安い!」と思える内容だろう。
エクストレイルGTのマイチェンモデル
当時、2Lターボエンジンで最高出力280psを達成していたのはスバルのEJ20ターボ、三菱の4G63ターボのふたつだけだったため、いよいよ日産も2Lターボで280psのカテゴリーに殴り込むのかとクルマ好きを期待させたのだが、さにあらず。
このエンジンを採用したのは結局、SUVの初代エクストレイルのみで、しかもトランスミッションで選べたのは4AT車だけだったのだ。このあたり、担当は当時愕然としていた記憶がある。
■排ガス規制がクリアできずに廃盤の憂き目に……
「Turbo」「280PS」と誇らしげに刻印されているSR20VETは初代エクストレイルGTのみの採用で終わってしまった
このエンジンがあれば、スバルや三菱のようにセダンのランエボや初代インプレッサWRX、ワゴンのレガシィGTのようなクルマを日産でも出せるはずだと、担当はかたくなに信じていたからだ。
加えて4WDシステムもこの初代エクストレイルには電子制御4WDシステムのオールモード4×4を採用。R34スカイラインGT-RのATTESA E-TSから横Gセンサーを省いて開発されたものとはいえ、信頼性も充分だった。
実際、日産ではほかにもS15シルビアや初代ブルーバードシルフィ、2代目アベニールGTといったクーペやセダン、ステーションワゴンでSR20VETを水平展開できる車種はあったと思うのだが、結局排ガス規制をクリアすることができずに歴史のなかに埋もれていくことになってしまう。
結局、2007年にフルモデルチェンジされた2代目エクストレイルにはこのエンジンは継続採用されずに短命に終わったのだが、今考えてみても初代エクストレイルGT単独採用だったのは惜しかったなあ……。
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