三菱 アウトランダーPHEV 「もっとも売れているSUV型PHEV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

一条 孝
一条 孝(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
4
燃費
4
価格
5

もっとも売れているSUV型PHEV

2023.1.19

年式
2021年12月〜モデル
総評
現行モデルのデビュー時から車両本体価格が改定され、一律22万円の値上げとなったのは残念だが、価格競争力ではまだまだ負けていない。まるでEVのような走行フィールやS-AWCがもたらす優れた操縦安定性はアウトランダーPHEVの大きな魅力となっている。
満足している点
従来型に対して内外装の質感が向上し、最上級グレードのPはソフトなセミアニリンレザーシートやリアルアルミニウムのシフトパネルを標準装備。上質な仕上がりは輸入プレミアムクラスにも負けないほど。非常時の電源としても有効なV2Hを用いた給電では、一般家庭の12日分の電力量も確保される。
不満な点
ハイブリッドモード時の燃費をさらに引き上げたい。最大のライバルとなるRAV4 PHEVはハイブリッドモード時の燃費が22.2km/Lと、アウトランダーPHEVに差をつけている。モーター出力でもRAV4 PHEVが上まわる。
デザイン

5

最新の「ダイナミックシールド」を採り入れたPHEVモデル。プラットフォームを日産「エクストレイル」と共用するが、デザインはいかにも三菱車らしい仕上がり。ボリューム感のあるスタイリングを特徴とするものの、ボディサイズはハリアーとさほど変わらない。内装についても横基調のインパネはソフトパッドで覆われるなど、洗練されたイメージに仕立てられている。
走行性能

5

刷新されたPHEVシステムとツインモーター4WDは動力性能を向上させており、アクセルを踏み込むと間髪を入れずに力強い加速が手に入る。ロック・トゥー・ロック2.6回転のステアリングは操舵フィールに優れ、しなやかかつ安定感のある走りが確かめられる。
乗り心地

5

サスペンションはストローク感があり、動きはしなやか。20インチタイヤを装着していても乗り心地は意外とよく、抜群の静粛性と合わせて快適な移動空間だ。S-AWCのおかげで路面状況を問わずに安定して走れるのもアウトランダーならでは。
積載性

4

セカンドシートは荷室側面のレバーを引くとシートバックが倒れるシングルホールディング式を採用。4人乗車時も中央部のアームレストを倒せばスキー板などの長い荷物を積むことが可能だ。サードシート装着車も収納はとても簡単。5人乗りの状態でも634〜646Lの荷室容量が得られる。
燃費

4

従来モデルに対してPHEVシステムの刷新、駆動用バッテリーの大容量化により、EV航続距離は80km以上を実現。日常使いではガソリンを使わず、EV走行で賄うことが可能だろう。ガソリンタンク容量は先代の45Lから56Lに拡大し、航続可能距離を大幅に伸ばしている点も見逃せない。
価格

5

原材料および輸送費などの高騰により2023年2月1日より一律22万円の値上げが行われた。最上級グレードのPは570万5700円、ベーシックなMが484万1100円となるなど、RAV4のPHEVモデルと比べてもまだまだ競争力のある価格にある。
一条 孝
一条 孝
自動車ジャーナリスト
自動車専門誌の編集&ライターとして活動後、自動車ジャーナリストとして専門誌やWeb、タブロイド紙などに寄稿。運転する楽しさを追求するとともに、環境性能やパッケージングにもこだわりを持つ。これまで保有した車の大半はFRレイアウトのマニュアル車。日本自動車ジャーナリスト協会会員
三菱 アウトランダーPHEV 新型・現行モデル

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