「ミニ」らくもあり、「ミニ」らしくもなし
現在車の購入を検討しており、日本車・輸入車・サイズの大小問わず、興味のある車をいろいろ試乗しているのですが、
2007.11.14
- 総評
- 「ミニ」らくもあり、「ミニ」らしくもなし
現在車の購入を検討しており、日本車・輸入車・サイズの大小問わず、興味のある車をいろいろ試乗しているのですが、ミニは先代ニューミニのときからかなり興味があり、この機会に検討しています。
ニューミニは先代、現行含め初めて運転したのですが、思った以上にドイツ車的、というよりよくできたドイツ車そのものという印象です。この車をBMWがクラシックミニを現代的にアップデートした車と考えると「ミニらしい」と感じますし、イギリス車としてのクラシックミニを基準に考えると全く「ミニらしくない」とも言えます。
- 満足している点
- ・動力性能
試乗車は最高出力175PSのクーパーSだったのですが、動力性能は申し分ありません。高速道路でも試乗させていただいたのですが、5速や6速で走行している際もアクセルを踏み込めば十分な加速が得られますし、3速までシフトダウンすれば、排気量1.6Lの車とは思えない強烈な加速です。また、街中でもフレキシブルで扱いやすく、ターボチャージャーのラグも感じられません。
クラッチペダルの重さも動力性能から考えると、十分納得できるものです。
また、ボディサイズやホイールベースのわりに直進性には優れており、BMWの車らしい高速性能を感じられます。
・シートポジションの調整幅の大きさ
シート座面の高さ調整の幅が大きく、上下に動かしていくと全く異なる運転感覚が得られます。最も低くするとスポーツカー的な体を沈めるスポーティーなポジションになり、最も高くするとボンネットがよく見え車両感覚が掴みやすくなります。
ちなみに、最も高いポジションにして、ボンネットや盛り上がった左右フェンダーを見下ろし、ハンドルを上から持つようにすると、クラシックミニの運転感覚を思い起こすことができます。
・オプションや色の選択肢が豊富
エアロパーツやホイールから、シート生地、内装トリム、果ては屋根の色まで、オプションやカラーの選択肢が非常に多様で、選ぶのが楽しくかつ大いに悩みます。
商談の時、営業担当者がA4サイズの白紙を持ってきたので、なんだろうと思っていると、その紙に私の希望のオプションをメモし始めました。通常のメモ用紙ではなく、A4でないとオプションが書ききれないようです(笑)。
新車を購入することはそうしょっちゅうあることではありませんから、自分の納得できる物を選びたいものですが、ミニはユーザーにたくさんの選択肢を与えてくれているのがありがたいです。
(ついでに言うと、アフターパーツの豊富さもミニの魅力ですね。)
・高速での乗り心地の良さ
街中ではやや硬さを感じたクーパーSの乗り心地ですが、高速道路ではかなりフラットな乗り心地です。ただし、試乗車は標準の195/55R16サイズのタイヤが装着されていたので、オプションの17インチだと硬さのほうが強調されすぎるのではないかという気がします。
- 不満な点
- ・シートがいまひとつ
クーパーSには「スポーツシート」と称して、クーパーやワンよりも多少サポート性を意識したシートが装着されていますが、サポート性は不足していて、コーナーでは体を支えるのが大変です。
また体圧の分布が適切でないようで、やや疲れやすく感じます。BMWのシートの良い点をもっと受け継いでくれればよかったのですが・・・
・スピードメーターが大き過ぎ(笑)
作り手の気持ちはわかりますが、いくらなんでも大き過ぎです(笑)。(もっともこの中にオーディオ操作部やディスプレイも入っているので、純粋に速度計だけではありませんが)せめて多少ドライバーの方に向けて視認性を向上させていただきたいです。
・内装の建てつけが悪い?
これは個体差だと思うのですが、試乗車は300㎞程度しか走行していないバリバリの新車だったのですが、中間加速時にダッシュボード付近からプラスチック部分が共振しているような音がしていました。
ミニはただのコンパクトカーではなくプレミアム性が売り物なのですから、細かい作りにはもう少し気を配って欲しいものです。
・ウインカーレバーが左側
輸入車では大半がそうなので、ミニだけというわけではありませんが、ウインカーレバーは日本仕様は右側にしていただきたいものです。(特にミニはMTの設定があるのですから余計に。左手が忙しいです。)
イギリス人はこれについて何も文句を言わないのでしょうか?
・「イギリス車らしさ」の演出をもっとして欲しい
ニューミニも第二世代となり、次第にドイツ車の色合いが強まってきたように思います。がっしりした走り味はドイツ車そのものですし、内装の質感や操作性もドイツ車的です。
ただ、ドイツ車志向になったがゆえに、ハードの性能が向上していることは歓迎すべきなのですが、私個人としては、やはりミニはイギリスのものであると考えます。イギリスの小型車に現代の味付けをするとすれば、現行ミニのような高性能志向よりも、かつてのヴァンデンプラ プリンセスのような、レザーとウッドとメッキを用いたオーセンティックな方向を目指して欲しいと思います。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験