メルセデス・ベンツ Aクラス 「◇弱点・欠点はあまりレポートされないので...」のユーザーレビュー

◇弱点・欠点はあまりレポートされないので...

2008.1.8

総評

◇弱点・欠点はあまりレポートされないので、あえて書きました。サスはピョコピョコとよく跳ねるし、直進安定性も凡庸。直進性は前車プントの方が上だった。エンジンも、プントにあったパンチ感がない。
◇ただ、広いトレッドと、エンジンを寝かした低重心、低いロールセンター、ハードな足まわり、強固なボディ…などのおかげで、コーナリング限界はとても高く、操安性も想像以上に良い。前輪が路面に食らいついて離さず、意のままに操れる感じがする。極楽の街乗り車と言うより、どちらかと言うとワインディングが得意なコーナリングマシンという印象だ。
◇購入前には国産４、外車４の計８ディーラーを訪ね、実際に乗った計１１車を比較検討した結果、クラスを超えた安楽な乗り心地や、たまに走る高速道路での安定感を求めてＡクラスに決めた。結果的にサスの特性は期待外れだったが、それでも内装の高級感や充実した装備には大満足。後悔はまったくない。
◇このクラスの欧州車を実用性重視で選ぶなら、Ａクラス、ゴルフ＆ゴルフプラス、アウディＡ３辺りが比較対象となる。アウディＡ３は完璧だと思えるが、価格が高く、あのスポーティさはオーバークオリティー。ゴルフも実用性は抜群だけど、とにかく地味でカッコ良くない。Ａクラスは室内が広い上、ゴルフにはない華やかさがたっぷりある。
◇個性的な車は楽しく、愛着がわくもの。Ａ１７０の不思議な個性も、発見が多くて楽しい。気に入ってしまった人だけ買えばいいと思う。

満足している点

○極めて高いボディ剛性と、それに伴う走りの質感。二重底の堅牢性は半端じゃない。ボディのたわみを感じたことはただの一度もない
○インテリアの上質さ。見た目の高級感は、ゴルフなどと比べるべくもない。特別仕様のウッド調パネルもベンツっぽくていい
○後席が広い
○静粛性が高い。発進・停止の多い市街地はそれなりだが、高速道路では１７００ccのコンパクト・ハッチとは思えない。ゴルフのＧＴ系や国産スポーティセダンのような低い排気音は好みじゃないので、Ａ１７０の普通の排気音は快適
※特別仕様でついていた電動パワーシートがとても快適。高級車っぽい。欧州車のシートバック調整は一般的にダイヤル式なので、便利さが際立つ
※同じく特別仕様でついていた前後パーキングセンサーも便利。ワンモーション形状の見切りの悪さを完全に補完してくれる

不満な点

■サスの衝撃吸収特性に大きな問題がある。鋭い衝撃は、新開発の可変ダンパーが角（かど）を取るので、「ガツン」が「トン」になってイイ感じ。試乗時には感動さえした。
しかし走り込んでみると、衝撃全体の吸収・減衰性が良くない。舗装の段差や細かなうねりを忠実に伝え、車体がピョコピョコと跳ねるようで落ち着かない。足を固めたチューニングカーのような挙動だ。
特に、古い道や山間地では悪癖が顕著で、丁寧に運転しても、同乗者に優しい走りは無理。およそ高級車らしくない。
ネット上の試乗記事では、皆が乗り心地を賞賛している中、両角岳彦氏だけが「凹凸を踏む感触初期だけ柔らかく、足はしっくり動かない。先代の弱点だった前後のピッチング、小刻みな揺れも質を多少変えつつそのまま」と酷評していた。その評は極めて正しい。
原因を推測すると…
①重心が高い二重底構造で無理に安定性を確保したため。足を固め、最低地上高やロールセンターを目一杯下げるなど、乗り心地を犠牲にせざるを得なかった
②サスのストロークが十分じゃない
③初代の転倒の呪縛から、必要以上に安定性にこだわっている…などか？
■ＣＶＴの制御が洗練されていない。発進時や再加速時に、半クラッチのような状態が１秒半ほど続き、続いてエンジン回転数がカクンと落ちる。また、強めにアクセルを踏むとギア比を固定するのは、理にかなっていない。前の愛車（フィアット・プントＥＬＸ）のＣＶＴ（富士重工製）の方が制御は断然良かった。
■前席は床面と座面が近く、不自然。みこしの上でスポーティーカーの運転姿勢をとるイメージ。最近は慣れたけど。
■小物入れが少ない

デザイン

-

走行性能

-

乗り心地

-

積載性

-

燃費

-

価格

-

故障経験