メルセデス・ベンツ 190シリーズ のみんなの質問

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F1はダブルウィッシュボーン式、一般スポーツ車はマルチリンク式サスペンションが多いとききましたが、なんか理由とかあるんですか?詳しい人おねがいしまっす!!

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ベストアンサーに選ばれた回答

●マルチリンクとは?
古典的なウィッシュボーン式は平面内の二次元的な動きをします。これに対して,三次元的に動くよう,ロワー・アームを2分割し,そのそれぞれが別の平面内で方式をマルチリンク式といい,一般に4~5本のリンクを使います。

ただ明確な定義はありません。

マクファーソン・ストラット式などをベースにしたものも可能ですが,一般にハイマウントのアッパー・アームをもつダブル・ウィッシュボーン式をベースにするのが多いとおもいます。

二次元的な動きを無理に三次元的にするわけですから,ゴム・ブッシュなどで三次元挙動を許容しなければ成立しません。

●どうしてマルチリンク式が出てきたか?
一番最初に採用したのは,ベンツのリア・サス(W201:ベンツ190:1983年)でした。ご存知のようにダブルウィッシュボーン式をリアに使うと,旋回時や制動時に,トーアウトする傾向にあります。これを防いでトーインにするため,上下のアームをそれぞれ分割し,さらに別のアームを追加したものが最初でした。

このベースになったのは,ポルシェのバイザッハです(928:1977年)です。この考え方を実現し,いろいろな特性を自由に設計するために,多数(ベンツの場合 5本)のアームを使う方式を開発したわけです。

●どうしてダブル・ウィッシュボーン式に戻ったか?
これには下記2つの理由があります。

(1) マルチリンク式のゴム・ブッシュのフリクションによる応答遅れが嫌で,三次元的な規制は最小限にしたため,ベースである「ダブル・ウィッシュボーン式」を名乗る

(2) 三次元的な規制を入れるのは,当然になったので,ベースである「ダブル・ウィッシュボーン式」を名乗る

●どうして応答遅れが大切か?
サスペンションのリンクの動き(ジオメトリ)は大切です。キャンバーやトーをある規制値内にすることで,接地性や操縦安定性が高まるからです。一方,実際の路面では,サスペンションが路面にきれいに追随することも重要です。路面の凹凸に追随できないと,操縦制御ができないからです。

●最近のマルチリンク式事情とは?
このような事情から,フリクションを低減し,応答性を優先したものに対して「マルチリンク式」の名称はふさわしくないと考えるようになっています。このため前輪はマルチリンク式とはいわず,ダブルウィッシュボーン式という例が増えてきました。

後輪用に基本的なダブルウィッシュボーン式を使うと,ブッシュの変形により,旋回時,トーアウト特性になり,旋回状態がより不安定になります。このためリンク機構でトーイン特性をもたせるため,マルチリンク式を高級車の大半は使っています。

●F1は?
F1では,サスペンション特性の中で接地性がもっとも重要です。かりに10%ずつ改善するとすれば,F1の車両でコースタイムをもっとも短くできるのは下記の順番になります

(良い)トラクション > 車両重量 > ダウンフォース > エンジン出力 > 空気抵抗 (悪い)

またトーコントロールや直進性確保は不要です。このため,マルチリンクにする必要がありません。またコースに応じて,サス特性をいろいろ変えたいので,ダブルウィッシュボーン式が使われます。

簡単ですが,ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

2012.2.8 14:30

めっちゃ丁寧にありがとうございます

その他の回答 (3件)

  • 前の2人の回答プラス、
    タイヤの路面への追従性が格段にいい事があります。つまり、タイヤが上下しても、タイヤは垂直に上下します。他のサスだと、円弧状の動きになります。

  • ダブルウィッシュボーンは高剛性でセッティングの自由度も高いのでレーシングカーにはこぞって採用されています。
    マルチリンクはダブルウィッシュボーンの発展系で、ホイールストローク時の対地キャンバー、トーなどを適正にコントロールできるので走行安定性が増すため、乗用車で多く採用されています。
    マルチリンクがレーシングカーで採用されないのは、市販車ほどホイールストロークが無いのでマルチリンクにするメリットが無いからです。
    逆に市販車よりも多くのホイールトラベルを必要とするラリーカーではストラット式が採用されていることもあります。

  • ダブルウイッシュボーン式の最大の特徴としては、アームの長さや形状やサスペンション等の配置などを自由に設計できるため、ハンドリング特性を自由に変更できるため、レースカー等には多く使われています。
    欠点としては、部品が大きくなってしまうため、居住スペースやエンジンルーム等が狭くなってしまいます。
    一般車としてはこれは致命的な欠点です。

    マルチリンク式もダブルウイッシュボーンの仲間です。
    ダブルウイッシュボーンに比べれば自由度が狭いですが、それでも、車内やエンジンルームを犠牲にすることがなく、ダブルウイッシュボーンに近い特性を得ることが可能ですが、設計をミスると意図しない動きをしたり車の挙動を乱すような動きをしてしまいます。
    欠点としては、メンテナンス費用、重量増です。

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