現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【魅力あるクルマ】 Sクラス譲りの最新技術を積極投入。メルセデス・ベンツCクラスの完成度

ここから本文です

【魅力あるクルマ】 Sクラス譲りの最新技術を積極投入。メルセデス・ベンツCクラスの完成度

掲載 1
【魅力あるクルマ】 Sクラス譲りの最新技術を積極投入。メルセデス・ベンツCクラスの完成度

Cクラスはブランドの中核モデルに成長

 1980年代初頭に登場するや、190シリーズはいろんな意味で話題になった。メルセデス・ベンツ初のコンパクトクラスであり、日本では「小ベンツ」と親しみを込めて呼ばれていたものだ。

【魅力あるクルマのルーツ/復刻版カタログ】すべてがSクラス基準。メルセデス・ベンツの凄みが宿るコンパクトセダン、190Eの肖像

 190シリーズは上級クラスに勝るとも劣らないサルーンだった。W124型Eクラスと同様にエンジンよりボディ&シャシーが優っていた。そのライドフィールは秀逸。いま乗ってみても現役として十分通用しそうなくらいだ。

 190シリーズはW201という開発コードが与えられていた。1993年に登場した初代Cクラスがそれに続くW202と呼ばれ、現行はW206、Cクラスはすべて「W20X」の表記である。190シリーズこそがCクラスの元祖である証のひとつだ。

 いずれにしてもCクラスは、190も含めてこの40年間に渡り、BMW3シリーズとともにDセグメント界のベストセラーあり、基準となってきた。とくに先代に当たるW205は高い評価を受け、日本でも10万台以上を販売するなど、SUV全盛の時代にあって異例の人気を博した。Cクラスとしては第5世代となる現行モデルは正常進化を軸に、デザインや電子プラットフォームを最新世代とした意欲作である。

 最新Cクラスでは全グレードの電動化を達成。さらにデジタル装備関連ではフラッグシップモデルのSクラスから多くの最新テクノロジーを譲り受けた。最新式の運転支援システムはもちろん、片側130万画素のLEDヘッドライトやARナビゲーション、リアアクスルステアリングなどがそうだ。

 内外装の基本デザインもSクラス譲り。思い返せばこれほどSクラスと名実ともに共通項が多いのは190シリーズ以来だろう。見た目のみならず中身に至るまで上級クラス譲りの性能及び機能であるということこそ、メルセデスのコンパクトモデルの凄みというものだ。

最新メルセデスの魅力を凝縮。プレミアムカーらしい奥深さが魅力

 メイングレードというべきC200に乗ると、メルセデスを代表する1台であることが理解できる。パワートレーンは、M254型1.5リッター直4ターボ(204ps/300Nm)に15kWの電気モーターを加えた48VのマイルドHV(ISGシステム)だ。

 ボディサイズは4785×1820×1435mm(AMGライン)。全長と全幅が従来比で少し大きくなった。それでも最小回転半径は小さくなっている。リアアクスルステアリングなしでもそうなのだ。大型化への非難を和らげるために、できるだけ機動力を向上させたい、という開発陣の思いの表れだろう。さすがに重量増こそ免れなかったものの、日常の使い勝手がよくなっている点は評価できる。

 走り出してすぐにモダンで洗練されたドライブフィールに感心した。旧型に比べ、明らかに出足が鋭く、常用域におけるトルクの厚みもはっきりと頼もしい。中間加速も力強さが増しており、全域にわたって扱いやすい。旧型C200との差は歴然としている。

 電気モーターをエンジンとトランスミッションとの間に組み込んだことで、より効率的にアシストできるようになった効果だ。エンジン再始動時の振動は皆無。回生ブレーキやコースティングのスムーズさも素晴らしい。

 峠道を攻め込んでみる。C200は、決してスポーツ性が売り物になるようなセダンではない。にもかかわらず、ハンドリングは正確で、足回りはよく動き、安心して踏み込んでいけた。懐が深く、スポーツ派ドライバーが頑張って走るレベルではまず破綻しない。このあたりもシャシー性能の高さを物語る。全域における安心感の源だ。

 不満があるとすれば、それは常用域におけるブレーキフィールくらいだろうか。軽く踏んで減速したいような場合に限って望んだほど減速しない場合があった。思いどおりに制動力を立ち上げるにはコツが必要。ちょっと難しいブレーキフィールだった。

 高速走行時の直進安定性は予想どおり素晴らしい。安定感はほとんどEクラスレベル。とくにリアステア付き仕様は安心感も顕著だった。サイズが少し大きくなったこともあって、新型CクラスのライバルはEクラスだ、と思ったほどだ。

 ドライブフィールそのものは、熟成の進んだ旧型の最後期モデルも捨てがたい味わいがあった。とはいえ「まったり」とした新型は、プレミアムモデルらしい奥深さを旧型にも増して感じる。よりメルセデスらしい。いまやFFベースのAクラス系にも、昔のCクラスサイズのセダンが存在する。だが乗り味で選ぶなら俄然、FRベースのCクラスだろう。

 昨年末には、デビュー当初話題をさらったPHEVモデル、C350eスポーツが、ようやくラインアップに加わった。350eは2リッターターボ(204ps)と95kWのモーターを組み合わせ、EVとして110kmも走る。通常シーンは、BEVとして使え、長距離走行も苦にしないオールラウンダーである。Cクラスの真打ち、といいたいところだが、その価格は995万円。「いいものは高い」、ということは理解しているが、少しお勧めしづらい。

メルセデス・ベンツCクラス主要諸元

グレード=C200アバンギャルド
価格=9SATC  698万円
全長×全幅×全高=4785×1820×1435mm ※
ホイールベース=2865mm
トレッド=フロント:1590/リア:1575mm ※
車重=1700kg ※
エンジン=1494cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
エンジン最高出力=150kW(204ps)/5800~6100rpm
エンジン最大トルク=300Nm(30.6kgm)/1800~4000rpm
モーター最高出力=15kW
モーター最大トルク=208Nm
WLTCモード燃費=14.5km/リッター(燃料タンク容量66リッター)
(市街地/郊外/高速道路:10.2/15.0/17.1 km/リッター)
サスペンション=フロント:4リンク/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:225/45R18/リア:245/40R18+アルミ ※
駆動方式=FR
乗車定員=5名
最小回転半径=5.0m ※
※AMGライン&リアアクスル・ステアリング装着車の数値

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

新型「Eクラス」のPHEVは、バーゲンプライスの998万円から。メルセデス・ベンツの本気がうかがえる「Sクラス」級の走りとは
新型「Eクラス」のPHEVは、バーゲンプライスの998万円から。メルセデス・ベンツの本気がうかがえる「Sクラス」級の走りとは
Auto Messe Web
“MT”搭載のレクサス新型「和製スーパーカー」!? 伝説のモデル「LFA」の後継車! 美しすぎる新型「エレクトリファイドスポーツ」とは
“MT”搭載のレクサス新型「和製スーパーカー」!? 伝説のモデル「LFA」の後継車! 美しすぎる新型「エレクトリファイドスポーツ」とは
くるまのニュース
ジャガーに新しい可能性を見た──新型F-PACE試乗記
ジャガーに新しい可能性を見た──新型F-PACE試乗記
GQ JAPAN
ミニ・カントリーマン 詳細データテスト ミニらしく活発 SUVらしからぬタイトな挙動 車体は大柄
ミニ・カントリーマン 詳細データテスト ミニらしく活発 SUVらしからぬタイトな挙動 車体は大柄
AUTOCAR JAPAN
【衝撃のGクラスEV】メルセデス・ベンツ「G580」を中国で発表…価格は?
【衝撃のGクラスEV】メルセデス・ベンツ「G580」を中国で発表…価格は?
driver@web
「しっとり」と「猛烈」の共存 BMW i5 M60 xドライブ 電動の旗艦が見せた幅広い守備範囲に脱帽
「しっとり」と「猛烈」の共存 BMW i5 M60 xドライブ 電動の旗艦が見せた幅広い守備範囲に脱帽
AUTOCAR JAPAN
マツダがラージ商品群第4弾となる新型3列シートSUVの「CX-80」を欧州で初公開
マツダがラージ商品群第4弾となる新型3列シートSUVの「CX-80」を欧州で初公開
カー・アンド・ドライバー
プレステージ電動SUVクーペのアウディQ8スポーツバックe-tronに一充電走行距離619kmを実現したレンジプラスパッケージを設定
プレステージ電動SUVクーペのアウディQ8スポーツバックe-tronに一充電走行距離619kmを実現したレンジプラスパッケージを設定
カー・アンド・ドライバー
新型アリアNISMO実走テスト! ~電動スポーツ最前線~
新型アリアNISMO実走テスト! ~電動スポーツ最前線~
グーネット
2024年版 乗り心地が良すぎて昇天する最新「高級車」 10選 羨望のラグジュアリーカー
2024年版 乗り心地が良すぎて昇天する最新「高級車」 10選 羨望のラグジュアリーカー
AUTOCAR JAPAN
4モーターで587馬力! Gクラス初のEV「G580」世界初公開 メルセデス・ベンツ "最強" オフローダー誕生
4モーターで587馬力! Gクラス初のEV「G580」世界初公開 メルセデス・ベンツ "最強" オフローダー誕生
AUTOCAR JAPAN
“メルセデス・ベンツの大定番”はどう進化? 新型「Eクラスステーションワゴン」公道での印象は? “人気低迷中のワゴン”でも人気が衰えない秘密とは
“メルセデス・ベンツの大定番”はどう進化? 新型「Eクラスステーションワゴン」公道での印象は? “人気低迷中のワゴン”でも人気が衰えない秘密とは
VAGUE
メルセデス・ベンツGクラスのEVバージョンがついに登場、4モーターであらゆる道を踏破
メルセデス・ベンツGクラスのEVバージョンがついに登場、4モーターであらゆる道を踏破
Webモーターマガジン
みんな大好き初代「W124」から数えて6代目が登場! 大成功したり失敗したりメルセデスEクラスの人生波瀾万丈!!
みんな大好き初代「W124」から数えて6代目が登場! 大成功したり失敗したりメルセデスEクラスの人生波瀾万丈!!
WEB CARTOP
【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義(3)】どこに停めても絵になる新型BMW X2は、どこを走っても気分が盛り上がる贅沢な1台だった
【特集:最新SUV「絶対試乗!」主義(3)】どこに停めても絵になる新型BMW X2は、どこを走っても気分が盛り上がる贅沢な1台だった
Webモーターマガジン
「SLS AMG」の偉大さをメカニズムから検証。速さだけでないメルセデスの安全思想も注ぎ込まれた最高傑作の1台でした
「SLS AMG」の偉大さをメカニズムから検証。速さだけでないメルセデスの安全思想も注ぎ込まれた最高傑作の1台でした
Auto Messe Web
うーん、いいデキなんだなぁ! 3代目Aクラス試乗プレイバック コンセプト一新でプレミアムコンパクトクラスに新たな風
うーん、いいデキなんだなぁ! 3代目Aクラス試乗プレイバック コンセプト一新でプレミアムコンパクトクラスに新たな風
ベストカーWeb
2024年版 「速い+快適」な高級スーパースポーツカー 10選 日常使いもできる高性能モデル
2024年版 「速い+快適」な高級スーパースポーツカー 10選 日常使いもできる高性能モデル
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

480.0850.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

99.01280.0万円

中古車を検索
190シリーズの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

480.0850.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

99.01280.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村